豚に感謝!「永久歯」を培養できる可能性が浮上

ink_pen 2025/2/27
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豚に感謝!「永久歯」を培養できる可能性が浮上
佐藤まきこ
さとうまきこ
佐藤まきこ

大学時代に細胞培養の研究を専攻した後、メディア・広告の世界へ。雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。ハワイ、オアフ島在住。Instagram: @hawaii_milestone

豚に人間のような歯を生やすことができた。そんな驚きの研究結果が明かされ、歯科医はあと20年以内に「人間の歯を再生できる可能性がある」と予測しています。

↑豚のおかげで永久歯を再生

 

一般的にインプラント治療では、チタン製やセラミック製の人工歯が使われています。虫歯の治療の場合、虫歯の部分を削って詰め物を入れる治療が行われますが、15年ほどで詰め物を新しいものに交換する必要があります。そのたびに歯を削るため、最終的には歯を失いかねないのです。

 

しかし最近、人間の歯を再生できる可能性が浮上したのです。

 

この研究を発表したのは、米タフツ大学歯学部の研究メンバー。人間の歯と、豚の歯のそれぞれから細胞を採取し、研究室でそれらを混合した歯の組織を数週間かけて培養。それを豚の口内に移植したところ、2か月後には人間の歯と同じようなものが成長してきたことが確認されたのです。

 

豚は一生のうちに何度も歯が生えてくるため、あごの骨には未発達の歯の細胞が含まれているそう。研究メンバーは、屠殺場から豚のあごの細胞を採取したそうです。

 

今回、豚の口内で再生された歯の形は、美しいものではないとのことですが、将来的には自然な人間の歯を再生させることも夢ではないのでしょう。

 

英国人のデータによると、75歳になるまでに半数の人が、全部で32本ある永久歯のうち10本以上を失っているのだとか。歯科技術が発達しても、詰め物などで、食べ物を噛むときに痛みを感じる人の割合も少なくありません。

 

健康な歯を失うことは、食べるという喜びを半減させかねないもの。そんななか届いた、今回の「人間の歯を再生できる可能性がある」というニュースは、歯科医師に限らず、多くの人にとって朗報になるに違いありません。

 

【主な参考記事】

MIT Technology Review. Humanlike “teeth” have been grown in mini pigs. February 6 2025

Daily Mail. Say goodbye to dentures! Scientists say we’ll be able to grow human teeth in the LAB within next 20 years. February 17 2025

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