AKB48の1期生としてデビューした平嶋夏海さん。2012年のグループ卒業後、子供の頃からなじみのあったバイク熱が復活し、現在は数多くのメディアやバイクイベントなどに“バイク女子”として活躍中。父の影響でジムカーナの練習に取り組んでいることもあり、ライディングテクニックは抜群。そんな平嶋さんのバイクとの出会いからバイク遍歴、またバイクとの楽しみ方など、バイク愛を詰め込んだお話をたっぷりうかがいました。

【平嶋夏海さん撮り下ろし写真】
バイクに乗るきっかけは、バイクが大好きな父の影響
――平嶋さんがバイクに乗りたいと思ったきっかけから伺わせてください。
平嶋 私の父がバイク乗りで、小学生のときに父の運転するホンダ・アフリカツインでタンデムツーリングによく連れていってもらいました。その頃から、「いつか自分でバイクを操って、風を浴びて走りたい」っていう気持ちが強かったんです。
――平嶋さんのYouTubeチャンネル『はしれ!なっちゃんねる』でも、たびたびお父さんが登場されていますね。お父さんはかなりバイク好きなんですか?
平嶋 相当好きだと思います。お正月に平嶋家から出す年賀状はいつもバイクを中心に撮った家族写真が使われていました。停車したバイクに兄と弟と私の3人がまたがって、両端に父母が並んだ写真です。兄弟もそれぞれがタンデムツーリングに連れいってもらっていましたね。父は乗るのも、自分でいじるのもすごく好きな人なんです。私も自分のバイクのメンテナンスやカスタムは、父に助けてもらいながらやっています。父に教えられながらですけど、ちゃんと自分で手を加えてるというのも、自分のバイクへの愛が深くなってる一つの要素だと思います。
――平嶋さんはお父さんから「いつかバイクに乗ってほしい」ということを聞かされたりしていたんですか?
平嶋 免許を取ってとまでは言われてないですけど、子供の頃からバイクに親しんでいたので、ぼんやりと「私もいつか乗るのかな」と思っていました。兄も弟もバイクの免許は持ってます。
――平嶋さんは中学生の時にAKB48のメンバーになられています。お父さんがバイクでお仕事の送り迎えをしてくれた、なんていうエピソードも有名ですね。
平嶋 毎回じゃないですけど、バイクで送り迎えをしてくれました。本来は車のほうが楽だと思うんです。でも、自分がバイクに乗る機会をちょっとでも持ちたかったんだと思いますし、子供をバイクに乗せたいっていう気持ちもおそらくあったんだろうと思います。
――自分がバイク好きなのに、子供は全くバイクに興味がないというパパライダーもたくさんいます。平嶋さんはなぜバイクに乗ろうと?
平嶋 ツーリングだけじゃなくて、自分で乗る楽しさを知っていたからかもしれませんね。父には、私が小学生の頃に埼玉県にあるオフロードヴィレッジっていうクローズドのオフロードコースに兄弟揃って連れていってもらっていたんです。子供用のオフロードバイクで走るんですけど、転んでも土だからそんなに痛くはないんですよ。そこで、自分でアクセルを開けてバイクを操る楽しさを知っていたからこそ、公道で、自分でオートバイを走らせたい、父と2台でツーリングしたいという気持ちが強まりました。それで、高校卒業して普通二輪免許を取り行ったんです。

高校卒業後にバイク免許を取得。「AKB48の頃にこっそり教習所に…」
――普通二輪免許を取られたのはAKB48時代ですか?
平嶋 教習所に通っていたのはAKB48の頃だったんですけど、免許が取れたのはAKB48を卒業してからです。
――AKB48時代に、「バイクに乗ってはいけない」という制約があったとか?
平嶋 当時、メンバーの1人がヤマハの3輪バイク・トリシティのCMキャラクターをやっていたこともあるし、表立ってNGではなかったんです。でも、私が所属する事務所に「バイクの免許を取りたいな」って言ったら普通にダメって言われました。「じゃあ取ってから言うか」みたいな感じでこっそり教習所に通いました。事務所には事後報告でいいかなと。
――大胆! それくらい二輪免許取得のモチベーションが高かったということでしょうか。
平嶋 高いですね。ちょっと反抗期だったのもあったんじゃないかな(笑)。ただ、AKB48の頃はなかなか教習所に行く時間が取れなくて、教習期限の9か月ギリギリで教習所を卒業して、運転免許試験場に行くのにまた半年以上間が空いてしまい、やっと取得したという感じでした。高校を卒業してすぐに教習所に通い始めたんですけど、免許を取ったときは20歳になっていました。教習で1回も落ちたことがないのに(笑)。
――AKB48で仲が良かったメンバーに、教習所に通っていることを話したりしましたか?
平嶋 当時は教習所に通ってることを公にすると怒られちゃうので、特に言ってなかったです。でも今、バイクのお仕事をするようになって、メンバーからも「すごいね」って言われますし、当時のAKB48のマネージャーさんに会っても、「自分の得意なものを見つけて、活躍できているのはいいことだよね」って言われます。私が卒業した後からしばらくは『元AKB48』という肩書きの子がいっぱいいて、その中でみんなどうやって仕事をしてくのか模索していました。私にとっては、バイクはすごく強いアイテムだったと思います。
――AKB48卒業後の、平嶋さんのキャリアになってくれたのがバイクだったと。
平嶋 はい。バイクの仕事は1個入ってからとんとんと次が決まりました、私が持っているバイクのエピソードで、実際に乗ってる人だということがちゃんと伝わったのが良かったのかなって思います。免許だけ持っていて全く乗っていない人だとエピソードがないですけど、ちゃんと乗ってる人だったらそれぞれのエピソードが何かしらあるじゃないですか。そういうのがお仕事を通じて伝わるのかなって思います。

――無事に普通二輪免許を取られて、初めての公道デビューはどうでしたか。
平嶋 初めての公道は、父が私の前を車で走ってくれました。二輪の教習は公道教習がないから、本当に大丈夫なのか心配だったんだと思います。あと、安全運転講習会にも連れて行ってくれました。
――素晴らしい。すごく安全への意識が高いお父さんですね。そんな平嶋さんが最初に乗ったバイクはというと?
平嶋 ホンダ・VTRです。免許を取った後、「VTRが初心者にはぴったりで、スキルアップにも良い」というので父が中古で買ってくれました。免許を取った後の2~3年ぐらいは、年に一度か二度ほど父とツーリングに行くだけだったんです。そんな状況を見かねて父がVTRを売っちゃったんですけど、その直後に私が「やっぱりちゃんとバイク乗りたい」って言い出したんです。そうしたらもう1回、程度がいいVTRを見つけてくれました。それが、今も乗っている赤いVTRです。父には迷惑をかけてしまいました。
――買い直したのも、やっぱりVTRだったんですね。
平嶋 別に大したスキルアップもしてないから、やっぱりVTRがいいんじゃない、ということでした。あと、私がモトジムカーナをやりたいって言いだしたのもあったと思います。だから、2代目のVTRもモトジムカーナに向いているキャブ仕様のモデルです。
――モトジムカーナといえば、パイロンが並べられたコースでタイムアタックをするライディング技術系の競技です。なぜモトジムカーナをやりたいと思ったんですか?
平嶋 父がやっていたからです。父はもともとモトジムカーナをずっとやっていて、仕事とか子育てで10年ぐらいお休みしてたらしいんです。私がちゃんとバイクに乗って、本格的にモトジムカーナをやりたいってなった時に、父も一緒に復帰しました。
――モトジムカーナでライディング技術を磨きたかったと?
平嶋 23歳くらいのとき、単発でバイク雑誌の仕事があったんですけど、父がいろいろと面倒を見てくれたんです。撮影にバイクを持っていったり、撮影でバイクの場所を移動するのとかも、父が全部やってくれて。それで「なんだか恥ずかしいな。こんなことじゃ全然バイク乗りじゃないな」と思ったんです。そんな自分を見られるのも、バイクの仕事を受けているのも、なんだか嫌に感じてしまったんですね。
――だって、あまり乗ってなかったんですもんね。
平嶋 あまりバイクに乗らなかったのも、別にバイクが嫌いで乗らなかったわけじゃなくて、休みの日にお酒を飲んだり、友達と遊んだりしたかっただけだったので、一通り遊んだからもう1回バイクの楽しさを体験したいなと思いました。あと、当時はバイクに乗っている友達が全くいなかったというのも、あまり乗らなかった理由です。
――モトジムカーナを始められてスキル向上はされましたか?
平嶋 モトジムカーナは誰かとコースで競走するとかはなく、タイムアタックで自分との戦いなんです。コロナ禍で仕事もイベントが全部なくなっちゃっていたとき、モトジムカーナの練習会には頻度高く通っていました。その時はけっこう練習を頑張ったなって思います。一応なんとなく見られるようにはなったかなと思いますけど、自分では全然まだまだと思います。すごく楽しいので続けていきたいですね。

最愛の一台・モト・グッツィ V7Ⅲレーサーとの出会い
――バイク遍歴の話に戻りますが、ホンダVRX400もお持ちだそうですね。
平嶋 大型二輪免許を取る前に乗っていました。もともと父が持っていたバイクで、ツーリングはVTRよりも安定感があるVRXで行っていたんです。今も持っていますけど、車検も切れてしまって、モト・グッツィもあるので復帰は未定ですね。
――大型二輪免許を取るきっかけは?
平嶋 チバテレの番組『週刊バイクTV』にアシスタントMCとして出させていただいていたときに、メインMCの方と2人で2台のバイクに乗るんですけど、私が普通二輪免許しか持っていないので、乗り換えができなかったんです。共演者の方やスタッフさんたちが「このバイクいいね」と話し合っているのに、私はそれに乗れない・わからないっていうのが、「目の前に新車があって乗れるっていう最高の環境があるのに、自分はなんてもったいないことしてるんだろう」って感じてしまったんです。それで大型二輪免許を取ろうと思いました。
――大型二輪免許取得を決めた時点で、乗りたかったバイクはありましたか?
平嶋 まだ知識がなさすぎて、どのバイクに乗りたいというのはなかったんです。とりあえず体格的にリッターバイクは規格外だなと思っていたので、400ccから900ccぐらいまでのミドルクラスを探しました。自分で扱いきれるバイクがいいなと。そんな中、仕事で乗ったバイクに「これいいな」と思ったんです。それが、モト・グッツィV7Ⅲレーサーでした。
――具体的にどんなシチュエーションで出会われたのでしょうか?
平嶋 そのときは、女の子複数人で一緒にツーリングする企画の撮影だったんですけど、女の子たちと3台のモト・グッツィを乗り換えながら走りました。同じモト・グッツィV7Ⅲのストーン、スペシャル、それからレーサーっていう3つのモデルだったんですけど、その女の子たちと「レーサーが一番いいよね」という同じ感想に至ったんです。V7Ⅲレーサーはセパハンで、見た目が個性的なのにすごく乗りやすいっていう、そのギャップが自分の中でピンと来ました。
――実際に走った感覚でそう思われたんですから間違いないですね。
平嶋 そうなんですよ。乗りやすいとか楽だけだとバーハンドルのストーンになるのかなって思うんですけど、「乗っていて楽しい」とか「爽快感がある」みたいな点で、レーサーが良かったのかなと思います。でも、買うまで9か月ぐらい悩みました。
――悩んだというのはどういう点ですか?
平嶋 私自身、バイクに対してお金を使ったことが全然なかったんですよ。初代のVTRもそうだし、ヘルメットもジャケットもグローブもブーツも父に買ってもらったもので、自分のお金で買ったことがなかったんですね。なので、新車で乗り出しが130万円くらいだったんですけど、それで躊躇してしまって。それまでの人生で一番高い買い物ですから。
――バイクは大きな買い物ですからね。悩んだ末に購入されてみてどうでしたか?
平嶋 納車後に実家に帰って、父とブレーキやギアのチェンジペダルの位置を調節したり、タイヤの空気圧を改めて測ったり、そういう”自分のものにしていく作業”みたいなのが、すごく楽しかったです。見た目には何にも変化がない調整なんですけど、乗ってる自分としては、より自分のものになった感が強くなる思いがしました。

V7Ⅲレーサーのカスタムポイント、お気に入りのポイントはここ
――購入からどれくらい経ちましたか。またその間にされたカスタムなどは?
平嶋 購入後5年くらいです。カスタムはほぼしてなくて、純正のカスタムパーツがある程度ついている限定車(筆者注※V7Ⅲレーサーは世界限定750台のモデル)だったので、見た目のカスタムはしたくないっていうのは購入当初から思っていました。このモト・グッツィはこのままで、いつか次のバイクを買ったらそれはカスタムしたいと思ってます。
――では、購入当時のままの姿ですか?
平嶋 純正オプションパーツのエンジンガードとエキパイのガードをつけました。あとは、フォークブーツですね。フォークブーツは、カタログの写真を見て最初からついているものだと思っていたら、カタログに載っていた写真は本国仕様で、日本仕様はついてないということでした。だから納車後にフォークブーツを買って、自分で取りつけました。エンジンガードやフォークブーツは、見た目というより保護のためですね。
――YouTubeの動画でフロントアクスルシャフトをご自分で交換していらっしゃいましたね。
平嶋 父に教えてもらいながら、中空になっている軽量のものに交換しました。サスペンション関係でいうとリアサスも赤にしようかなと悩んでいたこともあります。バイクメディアの人とか仕事先の人に相談したら「うるさくなるから、赤いパーツはこれ以上はいらないんじゃないか」と教えてもらってやめました。
――フレームとスイングアームの赤で十分かもしれませんね。このV7Ⅲレーサーの気に入ってるところはどこでしょうか。
平嶋 クロームメッキのガソリンタンクです。パッと目を惹くのがいいなぁと思います。あとは、シングルシートカウルにゼッケンプレートが付いていて、そこに「7」って数字がついてるんですけど、それが「なっちゃんの7なの?」ってよく聞かれます。おそらく「V7Ⅲ」の「7」だと思うんですけど、自分の名前みたいで気に入っています(笑)。

平嶋さんのバイクの楽しみ方。ソロツーの気ままさ、気軽さに目覚める
――VTR、VRX400、モト・グッツィと3台のバイクをお持ちの平嶋さんですが……。
平嶋 あと、ホンダのハンターカブ(CT125)もあります。これは父のために購入しました。
――なんと4台も! どのように乗り分けを?
平嶋 モト・グッツィは遠出のツーリング用、VTRがモトジムカーナ用、ハンターカブが都内を走るとき用って感じですね。VRXはお話した通り、今はお休み中です。
――ツーリングはどのあたりに行かれていますか?
平嶋 ツーリングはけっこう行きますけど、目的地としては、私は北関東に行くことが多いですね。神奈川・静岡側に行くと帰り道がすごく混むので、北側に行っちゃいます。特にお気に入りコースは決まってはないんですけど、以前は秩父が好きでよく行ってました。近そうなのに、実際は距離があるので走った感があっていいんです。千葉県の外房は気持ちいいツーリングロードがあるので、信号のない道をただ走りたいという時に行きます。
――気軽に行けて快適に走れるエリアを中心に走られているんですね。
平嶋 はい。そもそも、私がソロツーリングに行き始めたのはYouTubeをやりだしてからなんです。以前は休みの日があったら父親とモトジムカーナの練習会に行っていましたし、ツーリングに一緒に行く友達もいないし、きっかけがなかったんです。でも、YouTubeを始めたことで、「ソロツーって楽しいんだ」と気付きました。帰りたくなったら帰っていいし、休みたくなったら休んでいい。気楽で、何にも縛られないのがいいですよね。でもソロツーをしていると今度は誰かとツーリングするのも楽しいなと思って、それを行ったり来たりしてます。
――ツーリング先の楽しみと言えば何でしょう。
平嶋 食べ物です。食べ物を目指して走ります。今は、茨城に300円でかに汁が飲めるお店があるんですよ。そこにめっちゃ行きたいです。あとは、仕事で走ったコースを「またあそこに行きたいな」とソロツーでなぞったりもします。

バイクに乗っている好きな瞬間は
――平嶋さんがバイク乗っていて気持ちいい瞬間はどんなときですか?
平嶋 ツーリングだったら、まだ昼間はちょっと暑いんだけど、夕方になるとぐっと気温が下がる今ごろの時期に、走っていて涼しい風をフワっと浴びた時とか、やっぱりバイクはこれが醍醐味だよなって思います。涼しくなってくる今もいいんですけど、6月ごろの夕方に温かい風が吹き始める頃とかは、「夏が始まったな」ってテンションが上がります。
――五感で楽しむバイクならではの瞬間ですね!
平嶋 ジムカーナだと、朝から夕方まで丸1日走るんですけど、1回1回ギリギリを攻めてタイムが0.1秒でも短くなった時にはすごく達成感を感じます。うまくできた時の感覚でもう1回走るんですけど、なかなか再現が難しくて、同じようにいかないのもまた楽しかったり。1日走って汗をかいた夕方、みんなでノンアルコールビールで乾杯するんです。ツーリングもモトジムカーナも、どっちも楽しいです。
――バイクのいろんな楽しみ方をご存知なんですね。
平嶋 バイクって、デジタルデトックスできるじゃないですか。運転はぼーっとしてちゃダメなんですけど、バイクを走らせること以外、何も考えずにいられます。だから、考えごとをしたいときも、何も考えないたくないときも、ただ前を見て走っていればいいので気が楽です。

これからの夢は「バイクイベントのメインMC」
――これからバイクでやってみたいことはありますか?
平嶋 ファンの人に「なっちゃんはバイクで日本一周しないの」とか「北海道に行かないの」って言われるんですけど、行ける時間があるなら行きたいですね。YouTuberの子は日本1周しながら編集して動画上げたりできますけど、私は他のお仕事もあるし、なかなかそれも難しくて。
――そうですね。でもお仕事を通じていろんなバイク体験ができるのはいいですよね。
平嶋 そうですね。やっぱりお仕事で乗らせてもらってるのは大きいと思います。耐久レースにも出場させていただきましたし、父には「もう俺よりバイクを知ってるんじゃないか」って言われます。本当に今の仕事に感謝ですね。レースの取材とかもするんですけど、選手のことやチームのこと、チームの成り立ちとかも勉強して行ったりするんです。好きだからこそ予習も苦じゃありません。
――バイクのお仕事での目標はありますか?
平嶋 バイクのイベントのMCをしたいです。今はゲストとしてトークショーに呼ばれることが多いんですけど、MCとして、イベントや番組の顔になれたらいいなと思います。
――インフルエンサーとして、女性ライダーを増やしたいといったお気持ちは?
平嶋 女性ライダーだけじゃなく、バイク乗りの総数が増えたらいいなと思います。あと、最近は私が今着てるようなフード付きのジャケットも増えたから、カジュアルウェアだけど安全性が高いものもちゃんとあるよっていうのを皆さんに知ってほしいと思います。自分がメディアに出ることで、バイク乗りってこんなにいるんだよっていうのを知ってもらって、バイクの駐輪場が増えたり、バイク文化の地位向上をしたり、私の父のような、子育てを経験して40代でリターンライダーになる人を増やしていきたいですね。
――次に狙うバイクではカスタムもしたいんですもんね。
平嶋 体力があるうちに大型に乗っておきたいんです。大型バイクに乗るのが大変になって、小さいバイクしか乗れなくなっちゃう未来が必ず来ますからね。カスタムでは、定番であるマフラーを換えてみたい。実はやったことないんですよ。モトジムカーナ用のVTRは、フロントフォークのダンパーとかナイトロンのリヤショックといった走りメインのカスタムなので、見た目がよくなるドレスアップをぜひやってみたいです。
――夢が広がりますね! では最後の質問になります。平嶋さんにとってバイクとは何でしょうか?
平嶋 親子の絆、ですかね。バイクは都内にある実家に置いてあるんですけど、バイクに乗るイコール実家に帰る理由なんです。バイクに乗らない時期は全然帰らないですけど、よく乗る時期は週に一度くらいのペースで帰ります。バイクが家族と私をつないでくれるパイプになっていると思います。
――バイクは家族の絆、なんて素敵なご回答ありがとうございました。これからも安全に、バイクライフを楽しんでくださいね。
平嶋 ありがとうございます!

【平嶋夏海さんの愛車「モト・グッツィ V7Ⅲレーサー」】
構成・撮影/丸山剛史 取材・文/牛島フミロウ