師走の風物詩であり、日本一の漫才師を決める頂上決戦『M-1グランプリ』が12月20日に開催される。今年のM-1は、新型コロナ感染拡大を受けてのルールが変更。さ
今回は、ネタを月に150本以上見るという、お笑いマニアJKとして『アウト×デラックス』(フジテレビ系)にも出演を果たした、女優・奥森皐月さんにインタビューを敢行!その詳しすぎる知識を披露してもらうと同時に、M-1の優勝コンビをガチ予想してもらった!
(構成・撮影:丸山剛史/執筆:kitsune)
波乱の連続!M-1予選を振り返って
――まずは、今年の予選を見ていかがでしたでしょうか? 例年とは違う異例の事態の中での開催となりました。
奥森 そうなんですよね。今回のM-1は、一回戦が感染症対策で、全くお客さんを入れない無観客状態でのスタートでした。YouTubeなどでも配信されていましたが、もちろん笑い声がひとつもない状況で緊張感がありましたよね。昨年とはまるで違った環境にとまどったり、苦戦した芸人さんが多かったんじゃないかと思います。
――そんな中で、今回はテレビで活躍する第7世代の芸人さんが次々と落選してしまい、話題になっていましたね。
奥森 難しいお話だと思うのですが、コンビの知名度や人気、M-1自体でどれだけ良い結果を残してきたかは、この大会では選考の対象にならないことをつくづく感じますよね。しかし逆のことはある。例えば、何度も決勝に出ていると、どんどんハードルが高くなって、今までの面白かったネタと比較されてしまう。それでいうと、第7世代の方はネタ番組に頻繁に出演しているので、手の内が既に知られてしまっていると思うんです。ですから、それ自体が重荷というか。新ネタだったとしても、あのネタのほうが面白いのにと比べられることもある。そういった点では、すでにブレイクされている芸人さんたちは、大変な部分があると思います。
――なるほど、ネタを発表してきた頻度も関係すると。ちなみに、奥森さんは、近年の大会のネタや結果をデータでメモしているとお聞きしました。
奥森 そうですね。昨年の大会などは、ノートに分析結果をまとめていますよ! 過去の各審査員の方が付けた点数を表にしたり、どんなコンビに高得点を与えているかを分析して、今年の大会での得点を予想したりとか。傾向と対策ですね。受験勉強です!(笑)
――す、すごい……!熱量がハンパないです! それでは、さっそくですが、このデータを踏まえて今大会の優勝コンビを予想してもらいたいと思います!
決勝進出コンビ9組をガチ分析!
・1組目 オズワルド
――まずは、すでに決勝へと駒を進めた9組の芸人さんの特徴や今年の勢い、披露しそうなネタを語ってもらえればと思います。1組目、オズワルドからお願いします!
奥森 オズワルドさんは、昨年も決勝に進出されて2年連続。さすがだなと思いますね。M-1グランプリは、わかりやすく「上手い!」と思われるような「しゃべくり漫才」を得意とした関西系譜のコンビがどうしても活躍しやすい中で、独特のテンポと関東らしいボケの質感を持つお二人が、2年連続決勝というのは実力がある証拠だと思います。
――決勝でやりそうなネタはありますか?
奥森 予選でも披露していた「結婚式の余興」というネタがあるんですが、今までのオズワルドさんに加えて新しい面も見えるものでした。中島みゆきさんの「糸」を順に歌うという、ちょっと攻めたネタではあるんですけど、心つかまれるキャッチーさがあるんです。それを決勝で披露したら、昨年よりも良い結果が出るのではないかと期待しています。あと、単純に畠中さんの歌が上手いっていう(笑)。
――そうなんですね。ちなみに、ファイナル経験者のメリットはありますか?
奥森 現場の緊張感や景色を体験していることは、はっきりとアドバンテージになると思います。ネタの方向性が知られている訳ですが、オズワルドさんに関しては、メリットの方が強くて、昨年の決勝進出がいい方に作用すると思うんです。
・2組目 ニューヨーク
――次は、ニューヨークでお願いします。
奥森 オズワルドさんに続き、2年連続ファイナリストというのは、本当にすごいですよね。さらに昨年の結果を経て、1年間活躍されて。
――今年、バラエティ番組でもよく見かけるようになりました。
奥森 そうですよね。かなり「売れている」印象があります。ご本人たちはYouTubeなどで「ギリギリ売れている」というような言い方をされているんですけど(笑)。コンビの露出度や世間の認知度は去年よりも格段にアップしていて、かなり多くの現場を経験されてきたんじゃないでしょうか。その経験値も含めて「優勝候補」といわれているのは納得だと思います。
――そうですよね。ニューヨークさんのYouTubeなどもご覧になっているということですが、披露するネタの予想はありますか?
奥森 「コンプライアンス」が題材のネタがあって、決勝でぜひ披露してほしいんですよ! ニューヨークさんて、何年もネクストブレイクって言われ方をされていると思うんですけど(笑)。その触れ込みの中で〝ちょっと嫌味な見方〟とか〝斜めな視点〟が面白い、とされてきた。ただ、昨年のM-1で披露した「ラブソング」のネタは、まだまだマイルドというか、テレビ向きなネタだったと思うんです。でも「コンプライアンス」は〝これぞニューヨーク!〟という内容なんです。ニューヨークさんのいいところは、いい意味で悪ふざけしているところ。嫌味を言っているけど、ニューヨークさんが切るからこその面白さがあります。そこが魅力的なネタなんです。
――なるほど。たしかにニューヨークは毒っ気はあるけど、嫌な感じはしないですよね。
奥森 そうなんです。それはなぜか考えたんですけど、お二人とも意外と〝陽キャ〟というか、根は明るい方々なんですよね。〝斜めな視点〟と言われているわりには、陽の当たっている人を僻んでいるような卑屈なタイプじゃない。なんなら二人とも学生時代はテニスサークルだったらしいんですよ!
――陽キャじゃないですか!!(笑)
奥森 その過去があるからこそ言える〝嫌味〟なのかなと思うんですよね。もしかしたら自分も含めた「こういうのってダサいよね」とか「よくないよね」というのを、ただイジッているだけではなくて、エンタメとして昇華して面白く伝えてくれている感じがするんです。最近では、NSC時代に存在した幻のサークルを追った『ザ・エレクトリカルパレーズ』というドキュメンタリーを制作して話題になりました。
――それは新鮮な視点ですね。
奥森 今年はキングオブコントで準優勝もして波に乗っていますし、私の中では優勝候補のコンビだと思っています。
・3組目 おいでやすこが
――つづいては「おいでやすこが」です。
奥森 きましたね~(笑)。R-1グランプリの規定が「芸歴10年以内」という変更があったことによって出場資格がなくなってしまったピン芸人さん二人ですね。一応、昨年も二人で出場されていて、3回戦で敗退してしまったのですが、今年はいきなり決勝進出というコンビです。
――決勝が決まって他の芸人さんたちも湧いていましたね。
奥森 そうなんです。それぞれ実力がある方々なので、いわゆるダークホース枠として期待はありますね。ですが、今回はタイミング的な部分もあるんじゃないかと思います。R-1に出れなくなってしまったことで、ご本人たちの気概が大きく違ったんじゃないかと。
――勢いづいていたのはあるかもしれませんね。
奥森 今回、決勝進出コンビでおいでやすこがさん以外、全員ファイナルや敗者復活の経験者なんですよね。いきなりファイナルを決めたうえに、正式コンビでないというのは異例のことかと思います。
――おそらくユニットが決勝に進出するのは初なんじゃないでしょうか。
奥森 初めての決勝のステージがどうなるか、注目すべきですね。また、あるピン芸人さんが嘆いていたのですが、コンビの片方がR-1に出場するのは受け入れられているのに、ピン芸人が即席で作ったコンビがM-1に出るのは受け入れられにくい風潮があるんじゃないか、という。実際にはさほど大きな違いはないなのに、どこか許されていない。そういった雰囲気を覆して、勝ち上がっていくのは本当に夢があることだと感じました。その道を切り開いたという面でも、力があるコンビだと思います。
――ネタに関してはどうでしょう?
奥森 予選でも披露されていた歌ネタなどは、シンプルにテレビでウケやすいんじゃないでしょうか。分かりやすく、家族でも安心して見れますよね。ピンでやっているネタの延長でもありますが、二人の良さがより魅力的に出ているので、そのまま立ち向かって行ってくれれば、結果もついてくるんじゃないかと思います。ダークホース枠、第1位ですね!
・4組目 マヂカルラブリー
――次は、マヂカルラブリーさんお願いします。
奥森 マヂラブさんは、17年の大会で決勝進出して、その後2年連続でギリギリ敗者復活戦で止まっていました。そこから今年、決勝戦にカムバックした形になります。野田さんがR-1グランプリで優勝されて、テレビの露出度も増えましたよね。
――波に乗っていると思うんですが、どうでしょうか?
奥森 基本的にはネタのフォーマットがあるじゃないですか。野田さんがすごい動いて、村上さんがツッコむ形式。自分たちのスタイルを貫かれていますよね。もちろん面白いのですが、それが劇的に変化することはない。でも、予選のネタを見て、今年は例年よりパワーアップしているのが伝わってきました。今までの野田さんの動きを超越した爆発的なものを感じたんですよ(笑)。
――スタイルは変わらないけど、馬力が違うということですね。
奥森 そうです! そもそも同じフォーマットで戦い続けるってすごくかっこいいことだと思うんですよね。賞レースでも、そこに合わせることをせず、スタイルを変えない。今年は、R-1のブーストもあってか、頭一つ突き抜けている感じはしますね。
――村上さんのツッコミも切れ味が増した感じがします。
奥森 野田さんだけでなく、村上さんのツッコミがあるからこそ、マヂカルラブリーが面白いんだよ、ということが伝わればいいなと思いますね。人によってパワーを出していい芸人さんと、そうでない芸人さんがいますが、マヂラブさんは鬼に金棒というか、力が増せばその分面白い。決勝でどうなるかはわかりませんが、そもそも味が濃いネタが、より煮詰められている感じは出ています(笑)
――進化が審査員にも伝わるといいですね。上沼さんの評価が気になるところです。
奥森 2017年に酷評されて以来になりますから(笑)。どんな絡みがあるのか楽しみですね。一昨年の敗者復活戦のカメラフリで「えみちゃん、待っててね~」と言っていたのが叶って、エモい気持ちにはなりました(笑)。
・5組目 東京ホテイソン
――つづいて、東京ホテイソンについては、いかがでしょう?
奥森 きましたね~、やっときました! 昨年まで3年連続、敗者復活戦で惜しくも敗退してしまっていたので。 2015年に結成して、17年には一気に躍進して敗者復活に駒を進めるようになって、満を持しての決勝進出ですね。しかも、お二人ともまだまだ若くて、ツッコミのたけるさんは25歳で、ボケのショーゴさんが26歳と今年の出場者の中では最年少です。
――お若いコンビなんですね。年齢以上に安定感がある感じがします。
奥森 そうなんですよね。ホテイソンさんは、たけるさんの伝統芸能・備中神楽から着想した特徴的なツッコミで、早くからフューチャーされていたと思います。しかし、スタイルだけでなくて、そもそものワードセンスが素晴らしいんですよね。「い~や、〇〇!」にはめ込まれる言葉が、想像していたものより上を行くから気持ちがいい。
――言葉のチョイスが絶妙ですよね。
奥森 でも、それを踏まえて、私の中でホテイソンさんの衝撃だったネタがあるんですよ。それは、去年の敗者復活で披露していた「英語」というネタで、たけるさんが英語を和訳していくもの。ニュアンスは残しているのに、持ち前のワードセンスを使わないツッコミスタイルだったんですよね。その裏切りと思いきりの良さに感服しました。さらに、今回の準決勝で披露していた「謎解き」のネタは、昨年の「英語」をさらに進化させたもので、目に見えてステップアップしているのが分かりました。私が言うのも何ですが、これが若い人のジャンプ力だなと!(笑)
――おお、なるほどです(笑)。短期間での伸びが凄いということですね。これは期待したいです。
奥森 決勝進出発表会見の時に、〝霜降り(明星)さんにツッコミが似てると叩かれて、一度辞めようと思った〟と語っていて、もうそれを見て泣いちゃいましたよ! 苦労してきたと思うので、頑張ってほしいです。
・6組目 アキナ
――次は、アキナさんです。
奥森 アキナさんは、これまで決勝や敗者復活戦を経験されている実力派ですが、今年はどのネタをやるかは予想が難しいですね。ただ、アキナさんのネタはキャラクターとかではなく、純粋な漫才。今回、決勝のメンツが例年以上に〝濃い〟感じがするので、順番的にキャラクター性が強いコンビが続いたあとに、正統派のアキナさんが来ると審査員には新鮮に見えるんじゃないかと思うんです。
――出順が大きく影響するんじゃないか、ということですね。
奥森 はい、それによっては評価が高くなると思います。今回はキャラクターだけでなく、色が強いネタが多い中で、アキナさんの洗練された漫才は映えるんじゃないかと。これまで積み上げてきた経験値もありますし、かといってコンビ結成も2012年なので、ラストイヤーといった緊張感があるわけでもない。普段通りの漫才が発揮されればかなり良い点が期待できると思います。
――M-1はネタ順によって大きく左右されますから、本当に分からないですよね。運以外の部分では、場慣れが重要ですよね。
奥森 そう思います。その点でアキナさんは数々の賞レースに出られているので、だからこその強みはあると思いますよね。
・7組目 錦鯉
――さて、次は今回の大注目コンビ、錦鯉さんです。
奥森 来ました~!! 私はM-1に関して贔屓はなくて、どの芸人さんも応援したいと思っているんですけど、錦鯉さんが決勝進出したと聞いたときは、飛び跳ねて喜びましたね! ちなみに、家族全員お笑い好きなんですけど、我が家でも一番盛り上がったのは錦鯉さんでしたね。
――おお、家族みなさんでファンなんですね。
奥森 そうなんです~。錦鯉さんは、いわゆる賞レースでいう〝苦労組〟だと思うんですね。今回、雅紀さんは49歳でM-1ファイナリストの中で歴代最年長記録を更新しました。しかし、コンビ結成は2012年なので50代になっても出場できるという! かなり特殊なコンビだと思います。
――まさに前代未聞のファイナリストです。
奥森 昨年、敗者復活戦まで勝ち進んで、今年はちょくちょくテレビにも出演された1年だったと思います。それでもまだ2人ともアルバイトをされているらしいですが(笑)。お笑いファンの間では着実に知名度を上げてきた年でした。でも、テレビの前でM-1を見ている方、お茶の間にとっては、なんだか〝得体のしれないおじさん〟が出てきた!となると思うんです(笑)
――突然出てきたら、きっと日本中がざわつきます(笑)
奥森 錦鯉さんを初めて見た時の衝撃っていうのは、凄いじゃないですか! 何だこの人たちは! という。その衝撃は、M-1という舞台に立った時にかなり強いと思うんですよね。過去の決勝コンビでその最たる方々だと、オードリーさんやメイプル超合金さんとか。キャラクターやビジュアルのインパクトは大きな武器ですよね。
――印象には絶対残りますし、M-1が終わってもテレビで活躍できる可能性が高いですもんね。
奥森 さらにネタの精度も上がっているんですよ。準決勝で披露されていた「パチンコ」のネタはどのコンビよりもウケていたと思います。勢いが今までで最上級になっているので、ファイナル3組に残るんじゃないかと思いますね。
――おお、かなり期待されているということなんですね!
奥森 はい。芸人さんからの支持も熱いですし、いま全方向で一番すごいコンビだと思います。あと、くじ運とかも持ってそうですよね!
――たしかに。しかも、予選では歯が折れて飛んだらしいですよ(笑)
奥森 あははは!それは運も持ってますね!(笑)
――奇跡です! それでは運も含めて期待ということですね。
・8組目 ウエストランド
――ウエストランドさんはいかがでしょうか。
奥森 ウエストランドさん、決勝は初出場ですが、コンビ歴は長くて、私もずっと好きな二人です。今回、予選の動画を見ていて、やはり今年決勝に行った意味があるんだな、と思いました。
――どういった部分でそう感じたんでしょうか?
奥森 井口さんがずっと文句を言っている人、そして河本さんが何を言ってるのか分からない人。それが以前より強調されてきたんです(笑)。でも、それが素に近い状態というか。ウエストランドさんのラジオをよく聞くんですが、河本さんは何を考えているのか分からないし、ボケ自体もよく分からなくて全然掴めない人(笑)。でも今年の予選のネタでは、それを逆手に取って井口さんが「お前のボケはつまらない!」とはっきり言っていた。観客が心の中でモヤモヤしていたことの代弁をするという新たな面白味が出ていると感じました。
――それはたしかに真骨頂かもしれないですね。
奥森 一度は井口さんがまともな人に見えるんですけど、自分の思想を語りだすと暴走してヤバさが際立ってくるんですよ! その切り替わりが面白いですし、結局二人とも信用しきれないキャラクターという(笑)。
――井口さんの語る悪口や偏見は、エグいことを言っているんですが妙に納得してしまう部分もありますよね。
奥森 そうなんですよ~。どこか自分の悪い心の部分が共感してしまうことがあって(笑)。そういった部分を突いてくるんですよね。予選のウエストランドさんのネタは、声を出して笑いました。今年が絶好のチャンスのコンビだと思います。
・9組目 見取り図
――9組目は、昨年も決勝進出した見取り図です。
奥森 見取り図さんは、昨年の「第一印象」というネタが、本当に革命的だったんですよ。漫才では、内面の見えない部分を掘り下げてネタにすることが多いと思うんですけど、この「第一印象」では見た目を利用しているので、初見の人でも分かりやすいネタに仕上がっていて、すごい発明だと感じたんです。センスの良いパワーワードのラリーが続くのも、かなり面白かったですね。
――誰にでも理解しやすいネタですよね。
奥森 今年は、おそらく準決勝で披露した「マネージャー」のネタを決勝でもやるのではないかと思います。変なマネージャーに振り回されるという内容で、ボケとツッコミが分かりやすくて面白い。ですが、今年の味の濃い決勝メンバーの中で、見取り図さんならではの良さが響き切らない可能性があるな、と思っています。
――他の決勝進出コンビとの兼ね合いが結果に影響してくるということでしょうか?
奥森 そうですね。昨年も、ミルクボーイさんが最終的に全部持っていったのは、順番に発表していって他のコンビが〝フリ〟になっていた部分があると思うんです。そう考えると今年のメンツでは見取り図さんは戦いづらいのではないでしょうか。キャラクターや特徴のあるネタを持っている芸人さんが多く、面白さに加算される〝衝撃〟の部分が少ないので、どう戦うのかは気になるところですね。
敗者復活戦、勝ち上がるコンビは?
――ありがとうございます。ここまでで、決勝進出を決めている9組の分析をして頂きました。さて、続いては、お待ちかねの「予想タイム」です! まずは、敗者復活で決勝に上がってきそうなコンビを選んでいただいて、あわせて理由も教えてもらえればと思います。
奥森 今年は本当に難しいですね~!まず、敗者復活戦は、テレビを見ている全国の人が投票するうえに、外ステージで行われるので環境も全く違いますから、その点も考慮しないといけないと思うんです。それを踏まえて、私が選んだのは……
★本命 コウテイ
★次点 滝音
――おお、意外な二組です!
奥森 まず、去年と比べられてしまうという点で、ぺこぱさんやインディアンスさんなどの決勝を経験しているコンビは除きました。
――なるほど。今回、投票するのは視聴者の方だと思うのですが、人気投票っぽくはならないのでしょうか?
奥森 もちろん人気投票の要素も大きいと思います。でも、毎年敗者復活戦の順位を見ていると、必ずしもテレビに出ていてファンが多いイメージのコンビが票を集めているとは限らず、ちゃんとネタがハネていたコンビが上位に食い込んでいるんですよね。
――現場でのウケ具合にも寄るところが大きいと。
奥森 そう考えると、コウテイが強いんじゃないかな、と思ったんです。敗者復活戦は外ステージなので、静かな落ち着いたネタってなかなか厳しい部分があるんですよ。テンションが高くて、なおかつインパクトがあるコウテイは、響くかと思います。
――次点は、滝音ですね。
奥森 滝音のネタめちゃくちゃ面白いんですよね~。大好きです。ワード選びのセンスはピカイチのコンビですし、声がよく通るので現場で強いと思うんですよね。
ーーテンションはどちらも高くて、寒い外ステージも温めてくれそうで期待です。
優勝は誰の手に!トップ3大予想
――ついにここまでやってきました! トップ3、そして優勝コンビ予想です。
奥森 はい! 今回は本当に迷いましたね……。出順によって変わってくる可能性もありますし、誰が上がってきてもおかしくはない決勝大会だと思います。データで見ても、過去の大会の霜降り明星さんや和牛さんになりそうな分かりやすい漫才コンビがいなかったので迷いましたが、3組を決定しました。ではさっそく、第3位はこのコンビです!
★3位 東京ホテイソン
奥森 ホテイソンさんのフレッシュさと飛躍度に期待して3位予想です! 初めての決勝ということで新鮮さがあり、ネタが審査員の方に好まれるのではないか、と考えました。とくに、志らく師匠は新しいお笑いを好む傾向があるんです。2年前にジャルジャルさんの「国名わけっこ」という斬新な言葉遊びのネタで特に高得点をつけていたのが印象的で、他の審査員の方も概ね高評価でした。
――ホテイソンのネタ自体が審査員にフィットする可能性が高いということですね。
奥森 はい。ただ、昨年のミルクボーイさんのようにファーストと最終で2回とも完全に同じフォーマットになっている訳ではないので、ファーストで上手くいっても最終でハマるかどうかは分からないな、と思いました。
――とても冷静な見解だと思います。
奥森 他コンビに比べて芸歴も短くまだまだ来年にも期待できる点を踏まえて、第3位です。
――ありがとうございます。つづいて、準優勝となるのはどのコンビでしょうか?
奥森 はい、惜しくも第2位になりそうなのは……。
★2位 ニューヨーク
奥森 ニューヨークさんに決めました! おそらく必ず3位以内に食い込んでくるコンビではあると思っています。外せないですね。去年出順がトップバッターと悪かったので、運が回ってくれば最終に残れると思います。
――昨年よりも進化しているとおっしゃっていましたね。
奥森 そうなんです! この一年で着実に面白くなっているので、ニューヨークらしさを出し切って審査員にハマれば、優勝する可能性も大いにあると思います。
――本番に期待です! さて、次がついに優勝コンビの発表です。
奥森 私が、今回のグランプリと予想したのはこのコンビ!
★1位 錦鯉
奥森 栄えある第1位は、錦鯉さんに決定です!!!! まず、これは予測も予測なのですが、運がありそうなので出順が良いと思うんです(笑)。しかもどちらにせよ、前後がどうであれ、錦鯉の世界に持って行けちゃうところが強いと思います。決勝のファーストで錦鯉の世界に審査員や観客を引き込むことが出来て、受け入れ態勢ができて応援ムードになってしまうと、そこに打ち勝てる対抗馬がなかなかいないんですよね。
――昨年のミルクボーイがそうでしたもんね!
奥森 はい、そうなんです。しかも、ツカミの台詞にバリエーションがあったり、仮に緊張でネタが飛んだとしても「飛んでんじゃねえか!」で笑いに持って行けてしまう可能性があるのも強すぎますね(笑)。その点から、願望も含めて今年の「M-1グランプリ2020」の優勝は、錦鯉さんに懸けてみたいと思います!!
――おお~~それは奥森ファミリーの総意でもありそうですね(笑)。今回は、自信のほどはいかがですか?
奥森 正直言うと、2割くらいですかね!(笑)。私は感情よりもデータで予想を立てているのですが、それでも本番には何が起こるか分からない〝M-1マジック〟が存在すると思うんです。それこそ、芸人さんたちにとって1年の集大成を発表する特別な日ですから、どんな日になるかは予測ができないです。それをお笑いファンの一人として心の底から楽しみにしています! ただ、錦鯉さんはどんな形でも爪痕を残しそうです(笑)。
――ありがとうございました! これは大胆な予想となりましたね。はたして、見事上位コンビを当てることができるのか乞うご期待です!
※M-1終了後には、奥森皐月さんの「M-1復習インタビュー」も公開予定!
奥森皐月(オクモリサツキ)/女優
2004年生まれ。東京都出身。
3歳から芸能活動を始める。テレビ東京「おはスタ」
フジテレビ「痛快TV スカッとジャパン」や映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」(
月150本以上ものネタを鑑賞して、ライブにも通う16歳。
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オフィシャルブログ
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