綾瀬はるかさんと大泉 洋さんの異色バディが活躍する話題の月9ドラマ『元彼の遺言状』(フジテレビ系)。4月25日に放送される第3話からは新章とも言える展開がスタート! その気になる最新話でキーパーソン役として登場するのが、現在多くの出演作を抱える望月 歩さん。初のホスト役に挑戦したという今回の役どころやドラマ制作の裏側、さらにはオフの過ごし方など、多岐にわたってお話をうかがいました。
【望月 歩さんの撮りおろし写真】
人気のドラマでまさかのホスト役。そんな歳になったのかと感慨深いです(笑)
──第3話に新たな登場人物・黒丑益也として出演されますが、最初にオファーがあった時はどんなお気持ちでしたか?
望月 もともと放送が始まる前からこのドラマのことは存じ上げていて、内容も知っていました。それに、主演が綾瀬はるかさんと大泉 洋さんですから、“これが面白くないわけがない!”と、放送を楽しみにしていたんです。そうしたらマネージャーさんから、「第3話の出演依頼が来たよ」と知らされて。あまりにも想定外のことで、最初は嬉しさより驚きのほうが強かったです。「えっ、俺、この作品に出られるの!?」って(笑)。でも、だからこそ頑張らなきゃなという思いも強く芽生えましたね。
──話題となっている作品に途中で参加するのは、確かにプレッシャーがすごそうですね。
望月 そうなんです。やはり現場の雰囲気や作品の世界観を壊さないようにっていう緊張がありますし。特に、第3話となると麗子さん(綾瀬)と篠田さん(大泉)のバディ感が増して、視聴者にも2人のコンビが浸透し始めていると思うんです。それもあって、2人の関係性を邪魔しないようにという思いがありました。ただ、だからといって、何もしないのもちょっと違いますし、僕なりに存在感を出せる部分はしっかりと残していけたらなと考えています。
──綾瀬さん、大泉さんとは初共演ですか?
望月 はい。(取材時は)まだご挨拶をさせてもらったぐらいで共演シーンを撮影していないのですが、僕がメイクをしていただいている時に、たまたま隣の控室にお2人がいらっしゃって。そこから笑い声や会話が漏れ聞こえてきて、「あっ、これ、いつもテレビで見てる感じのやつだ!」とテンションが上がりました(笑)。僕は結構な人見知りなんですが、これから撮影が続いていくなかで、僕もお2人の輪に入れるように頑張っていきたいと思っています。
──また、今回演じる黒丑益也はホストの役。これまでの望月さんのイメージを変えるキャラクターになりそうですね。
望月 この黒丑は、先日発売された原作小説のシリーズ最新作(『剣持麗子のワンナイト推理』)にも登場するキャラで。僕は原作を読む前に台本を頂いたので、こんなにも大切な役だと知って、びっくりしました。それに、まさか自分がホストの役を自分が演じる日がくるとは想像もしていなかったので、二度驚いて(笑)。正直、今でもなんだか不思議な感じです。ホストというお仕事自体は知っていても、触れたことのない世界なのでイメージできないことも多いですし。でも、同時に、“そうか、自分もホストの役を演じられる歳になったのか……”と感慨深くもなりましたね(笑)。
──(笑)。今取材している時点ではまだ撮影が始まったばかりだそうですが、どのように演じていこうと考えていますか?
望月 台本を読んで感じたのが、彼には気持ちが大きくなっている時のホストとしての姿だけでなく、たまに黒丑になってしまう時があるんですね。“なる”んじゃなく、“なって”しまう。その瞬間というのは、彼の感情が少し動いて素になっている時間でもあるので、そうした素直さは大事にしようと思っています。
──ご自身に近いと感じるところはありますか?
望月 さすがに僕にはホストの素養がないと思いますが(笑)、でも黒丑として共感するところはあります。そもそも、どんな役であろうと、必ず“心理的に分かる”という部分はあると僕は思っているんです。例えば、猟奇的な連続殺人犯の役を演じたことはないんですが、人を殺すことに一切共感ができなくても、自分の欲望に忠実で、それを抑えられないという感覚はなんとなく分かるかもしれない。僕だって本当は寝なきゃいけないのに、ついゲームをやってしまうということがよくありますから(笑)。そうした “似た”感覚を見つけて、そこから膨らましながら役を作っていくことが多いので、今回の黒丑に関しても同じような感情を探していければと思っています。
──台本を拝読すると、黒丑君はさらりとウソをつくのが上手な男の子のようですが……。
望月 それこそ、まさに同じところですね(笑)。僕も結構ウソをついちゃうほうで、ホント自慢にもならないことなんですが、自信はありますから(笑)。
──それはどういうウソなんですか?
望月 ウソというか言い訳ですね。その場その場で口からでまかせみたいなことがどんどん出てくるんです。ただ、自分が言ったことを覚えていないので、あとあと大変なんですが(苦笑)。
──普段から、そんなにも言い訳をしなくてはいけないシチュエーションがたくさんあるんですか?(笑)
望月 あ、たいていが学生の頃の話ですよ(笑)。遅刻して怒られている時の言い訳が得意だったんです。もう、スラスラスラスラと(笑)。
──なるほど。その特技が仕事に活かされていることもあるんでしょうか?
望月 どうなんでしょう……あるのかなぁ(笑)。でも、人を欺くという意味では、まさに今回のドラマのようなミステリー作品だと大事な要素だと思いますし、ウソがうまいと、逆にウソをつかれた時の悔しさなども理解できるので、そう考えるとどこかしらで役立っているのかもしれませんね。
一番のリラックスタイムはゲームをしてる時。友人たちに煽られて寝不足になるまでやっちゃいます
──最近は、この『元彼の遺言状』以外にも、5月から放送されるNHKの『17才の帝国』や6月公開の映画『妖怪シェアハウス -白馬の王子様じゃないん怪-』など、話題作への出演が続きますね。
望月 今はどんな役でも頂けることがすごく嬉しいです。『妖怪シェアハウス』は本当に現場が楽しくて。あの作品のおかげで人見知りが少しだけ取れ始めたところもあるんです(笑)。というのも、主演の小芝(風花)さんや監督がとにかく和やかな雰囲気を作ってくださり、普通だと撮影終了後にみんな「お疲れ様でした!」と挨拶して帰るんですが、この現場ではなぜかみんな「うま!」って言うんですね(笑)。そうやって、出演者もキャストも一つになれる空気をたくさん作ってくれたので、本当に居心地が良くって。そうかと思えば、まわりを見渡すといろんなところにたくさんの妖怪もいるし(笑)。最高の現場でした。
──対して、『17才の帝国』はまた違ったタイプの作品ですね。
望月 真逆といえるかもしれません(笑)。10代の子どもたちが政権を握っていくというお話なので難しい部分もありましたが、大人たちがそんな彼らとどう向き合っていくのかという部分も見どころですので、幅広い世代に楽しんでもらえるドラマになっていると思います。また、個人的になんですが、脚本を書かれた吉田玲子さんの大ファンなので、そこもすごく嬉しかったですね。
──吉田さんのどの作品がお好きなんですか?
望月 TVアニメの『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は世間で話題になる前から大好きでした。むしろ、有名になりすぎてちょっと悔しいくらいです(笑)。
──そうなんですね。アニメはよくご覧になるほうですか?
望月 大好きです。子どもの頃からよく見てましたが、“アニメってこんなにも面白いんだ!?”と意識して思うようになった作品が『Re:ゼロから始める異世界生活』でした。それからも、周りにアニメやマンガ、ゲームが好きな知人がたくさんいたので、そこで情報を交換し合ったりして、ジャンルを問わず見てました。
──では、好きなマンガは?
望月 たくさんあるんですが、あえてまだあまり話題になっていない作品を挙げるなら、『雪女と蟹を食う』という作品がすごく面白かったです。自死や不倫を扱った作品なのですが、展開が全く予想できなくて、のめり込んでしまいましたね。また、昔の作品だと『烈火の炎』も好きでした。今でも読み返すんですが、年齢を重ねてから読むと、新たに感動する部分や理解がより深まるところがたくさんあって。時間があれば、いつもいろんなマンガを読んでます。
──先ほど、「つい、ゲームをしてしまう」ともおっしゃってましたね。
望月 ゲームは一番ヤバいかも(苦笑)。少し歳の離れた兄がいて、子どもの頃から一緒にゲームをしていたので、歴代のゲーム機はほぼコレクションのように揃ってます(笑)。しかも、最近はパソコンゲームにもはまり出しまして。そうすると、今度は打感のいいキーボードとか、音のいいスピーカーとか、周辺機器にもこだわり出してしまって、本当に大変なことになっています(笑)。正直、パソコンゲームをしている時が、今一番のリラックスタイムになっているので、ほぼ毎日のように“これは息抜きだから”と言い訳をして、30分から1時間くらいプレーしちゃってますね。
──でも、そこでやめられるのが立派です!
望月 ……いや、実際は止まらない時のほうがほとんどなんですけどね(笑)。友達とよく一緒にプレーをするので、「え、おまえ、それで終わりでいいの?」って煽られると、「わかったよ! じゃあ、もう一回やってやるよ!」となり、結局、次の日に寝不足になる……みたいな感じです(笑)。
──(笑)。特に今はまっているゲームはあるんですか?
望月 「ヴァロラント」というFPSの作戦バトルゲームです。すごく流行っていて。大会の配信があると約20万人が見ていたりするんです。このゲームをしている時は本当に眠れなくなりますね(笑)。
『元彼の遺言状』
フジテレビ系にて毎週月曜 夜9・00〜 にて放送中
(STAFF&CAST)
原作:『元彼の遺言状』『剣持麗子のワンナイト推理』 新川帆立(宝島社)
演出:鈴木雅之、澤田鎌作、西岡和宏
脚本:杉原憲明、小谷暢亮、中園勇也
出演:綾瀬はるか、大泉 洋、関水 渚、望月 歩/生田斗真/浅野和之 ほか
(STORY)
ある日、麗子の元へ“武田信玄”を名乗る男から弁護依頼の電話が入った。約束の場所に向かった麗子がそこで見たものは、殺人事件の現場に座り込んだまま周囲を睨みつけているホスト・黒丑だった。この男こそ、麗子に依頼を頼んだ“武田信玄”本人。やがて麗子は予期せぬ事件解決へと翻弄させられることに……。
撮影/映美 取材・文/倉田モトキ ヘアメイク/服部さおり スタイリスト/有本祐輔(7回の裏) 衣装協力/ラッピンノット、アー・ペー・セー、マネブ