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2022/10/6 6:30

尾上松也「僕の一日はスニーカーエリアに入って、靴選びするところから始まるといっても過言ではない」

怪盗集団「バッドガイズ」の活躍を描く、ドリームワークス・アニメーションによる映画『バッドガイズ』が10月7日(金)に公開。劇中、おしゃれでクールなリーダー、ミスター・ウルフの日本語吹き替えを担当した尾上松也さん。これまでと違うテイストを狙った役作りや作品の見どころはもちろん、前回のインタビュー(https://getnavi.jp/entertainment/709190/)で伺ったエア ジョーダンのコレクションの“その後”についても語ってもらいました。

 

尾上松也●おのえ・まつや…1985年1月30日生まれ。東京都出身。1990年、父・松助の襲名披露にて、二代目尾上松也として初舞台を踏む。現在は舞台、ミュージカル、映画、ドラマと幅広く活躍。最近の主な出演作に、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合ほか)、ドラマ「半沢直樹」(TBS系)、「まったり!赤胴鈴之助」(テレビ大阪・BSテレ東)、「ミステリと言う勿れ」「やんごとなき一族」(ともにフジテレビ系)、映画『すくってごらん』など。公式HP

 

【尾上松也さんの撮り下ろし写真】

 

ふと立ち止まって考えてしまうようなセリフがあるのも、ドリームワークスのアニメっぽい

──今回、日本語版吹替えのオファーが来たときの感想は?

 

松也 ドリームワークスのアニメーションは、ほぼ拝見していましたので、その新作映画の主人公のキャラクターの吹き替えをさせていただけるということは、率直に嬉しかったです。ドリームワークスのアニメというと、ユーモアに加えて、深みのあるストーリーがあるという印象が強いのですが、今回の『バッドガイズ』でもそれがしっかり織り込まれている感じがしましたし。

 

──ディズニーアニメーション『モアナと伝説の海』以来、吹替のお仕事も多くされていますが、ミスター・ウルフを演じるうえで心掛けたことは?

 

松也 ウルフはスタイリッシュでかっこいいうえ、怪盗集団のリーダーというキャラクター設定。もちろんそう見えるようには心掛けましたが、こうやって宣伝している僕が言うのもちょっと変ですが、ウルフの後ろに僕の影が見えなくなることがベストだと思うんです。そういう意味でも、今までのアニメ作品とちょっとテイストの違う空気感みたいなものを出せればいいと思っていました。

(C)2021 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

──仲間との掛け合いやスピーディなアクションなど、作品のテンポの良さを表現することに関してはいかがでしたか?

 

松也 僕がアフレコしたときは、他の方の声がすでに入っていたので、セリフのテンポ感に関しては、ほかの方に乗っかっていくだけでしたので、やりやすかったです。ですが、アクションシーンに関しては、そのテンポに合わせるのが難しかったですね。いろいろな音が交ざり込んでいるなか、ウルフの声や吐息を細かく擦り合わせて、雰囲気も作っていかなくてはならないですので。

 

皆さん、ビックリするくらいうまくて、正直「ヤバいな、どうしよう……」と(笑)

──オリジナル英語版では、ウルフをオスカー俳優のサム・ロックウェルが吹き替えていますが、彼の声は意識されましたか?

 

松也 先にサムさんが吹き替えたウルフの声も聞きましたけれど、僕とはだいぶタイプも違いますし、とても大人な感じがしたんです。でも、彼の持つスマートさがそのままウルフに反映されている気がしたので、声云々というよりは彼の持つ雰囲気を少し意識しました。それから、本国からの演出として、もともと根っからのワルではなかったウルフが善の心に目覚め始めることでの変化というか、喜びのニュアンスを出してほしいという指示があったのですが、そこも難しかったですね。

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──バッドガイズの仲間として共演された安田顕さん、河合郁人(A.B.C-Z)さん、長田庄平(チョコレートプラネット)さん、ファーストサマーウイカさんの声はいかがでしたか?

 

松也 皆さん、ビックリするくらいうまくて、正直「ヤバいな、どうしよう……」と思ったぐらい(笑)。タランチュラのウイカさんは声優さんのようなメリハリや器用さを感じましたし、シャークの長田さんは終始すごすぎて、もはや長田さん感ゼロ。河合くんは声じゃなくて、本国の声優さんとは違う空気とキャラクターで、しっかりピラニアという役を自分のものにしていましたね。そして、安田さんのスネークは、顔も似て見えるぐらいハマっていました。

 

映像でのお芝居の感覚より、歌舞伎や舞台と同じような感覚の表現を意識しています

──個人的にお好きなシーンは?

 

松也 ド派手なアクションも見どころだと思うのですが、「俺たちバッドガイズだぜ」と言っていたウルフが、仲間のスネークに「嫌われ者じゃない俺たちを想像したことある?」と問うシーンが、切なくて印象的ですね。どこかで「好かれたい」「愛されたい」という、本来の気持ちが見え隠れしていて。そんなふと立ち止まって考えてしまうようなセリフがあるのも、ドリームワークスのアニメっぽいと思うんですよ。

 

──声の仕事をされることで、歌舞伎に還元されるようなことありますか?

 

松也 海外の作品ですと、キャラクターの口の動きがその国の言語になっているとか、いろいろと制約が多いこともあり、感情だけで追いつかない部分もありますよ。そういうところで養ったテクニックは、歌舞伎にも生かされているかもしれません。ですが、それとは逆に、吹き替えのお仕事は、映像でのお芝居の感覚より、歌舞伎や舞台と同じような感覚の表現を意識していますね。舞台で培ってきた、どこか大きめな表現というべきでしょうか。全身を使って動いているキャラクターに対して、普通のしゃべり方ではまったくテンションが合いませんからね(笑)。

 

宮下草薙の宮下くんに紹介していただいたボードゲームにはまっています

──今年3月に松也さんに取材させていただいたときにスニーカー、特にエア ジョーダンをコレクションされているお話をされましたが、その後は?

 

松也 どんどん増え続けて、今では200足は超えています。自分が生まれた年、1985年のエア ジョーダンもゲットしました。部屋のスニーカーエリアにエア ジョーダン1のコーナーがあるのですが、その中でもど真ん中、“トップ・オブ・ザ・トップ”のところに置いてあります(笑)。僕の性格上、常に見える状態にしておきたいですし、どれも履きたいので、全部箱から取り出して、半透明のスニーカーボックスに一足ずつ入れています。僕の一日はスニーカーエリアに入って、靴選びするところから始まるといっても過言ではないですね。

 

──さらに、最近ハマっているモノがあれば教えてください。

 

松也 ボードゲームですね。もともと薄っすら興味があったのですが、宮下草薙の宮下(兼史鷹)くんがとても詳しいので、おススメをいろいろ紹介していただきながら、頻繁に秋葉原に買いに行きますし、家でボードゲーム会もするようになりました。もう30種類ぐらいあるのですが、一番のお気に入りは「ネメシス」。ボードを広げて、コマとカードを配ってセッティングするのに30分かかり、宮下くんにルール説明を受けて1時間。そして、ゲームを始めて終わるまで6時間かかったぐらい大変ですけど、アッという間で面白いんですよ!

 

 

バッドガイズ

10月7日(金)より全国公開

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(STAFF&CAST)
監督:ピエール・ペリフェル
出演:サム・ロックウェル/尾上松也、マーク・マロン/安田 顕、アンソニー・ラモス/河合郁人(A.B.C-Z)、クレイグ・ロビンソン/長田庄平(チョコレートプラネット)、オークワフィナ/ファーストサマーウイカ、ザジー・ビーツ/甲斐田裕子、リチャード・アイオアディ/山口勝平、アレックス・ボースタイン/斉藤貴美子、リリー・シン/高橋真麻

【映画「バッドガイズ」よりシーン写真】

 

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撮影/干川 修 取材・文/くれい響