24時間365日、最新の気象・防災情報を発信し続ける「ウェザーニュースLiVE」。YouTubeの登録者数は90万人目前、日々の生活を支えるコンテンツとしてますます多くの人に愛されています。この番組を毎日生放送でお届けしているのが気象キャスターたち。GetNavi webではそんな皆さんの活動を紹介するとともに、それぞれのプライベートな一面に迫った連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」を展開中! 第6回にご登場いただくのは今年9月にデビューしたばかりの小林李衣奈キャスターです。まだまだ謎のベールに包まれた小林さんに、気になるあれこれをたっぷりとうかがいました!!
<ウェザーニュースLiVE×GetNavi web連載>
第6回・小林李衣奈キャスター
【小林李衣奈さん撮り下ろし写真】
トークではオチをつけて話すことをいつも意識しています(笑)
──小林さんは9月にキャスターデビューしたばかりということもあり、読者からの注目度も高く、連載の登場を待ち望む声がたくさんありました。
小林 本当ですか!? それは嬉しいような、プレッシャーのような…(苦笑)。
──読者の要望に応えるためにもいろいろとお話をうかがっていきたいと思うのですが、その前にまずは前回ご登場いただいた高山奈々キャスターから小林さんへの紹介コメントをお伝えします。高山さんは小林さんのことを、「デビュー日から堂々としていて、それにとても聞きやすい声をしているので、視聴者に安心感を届けられるキャスターです」とおっしゃっていました。
小林 もったいないお言葉です! ありがとうございます!!
──また、「これから番組内で意外な一面が出てくることを期待しています」とも。
小林 ……おぉ、なるほどぉ、これはプレッシャーですね(苦笑)。ななさんに限らず、先輩方からは研修の時からとても優しくしていただきました。今回、新キャスターとして採用されたのが私一人で、同期がいなかったこともあり、ことあるごとに気にかけてくださって。本当に嬉しかったです。
──皆さんとはすぐに打ち解けられたんですか?
小林 はい、たくさんお話をさせていただきました。私から皆さんに相談したり、話しかけたりするというより、研修期間中、私が一人で黙々と勉強していることが多かったので、「あの子は今、何をしているんだろう?」「大丈夫かな?」と心配してくださっていたみたいなんです。それもあって、私の姿を見つけるといつも声をかけてくださり、皆さんお一人ずつとマンツーマンでお話する機会をたくさんいただきました。
──「研修は大変だった」という思い出話をよく先輩キャスターの皆さんが番組内でもされていますが、小林さんはいかがでしたか?
小林 たしかに大変でした(苦笑)。実践に沿った練習として、実際の放送を想定し、自分で25分間の番組構成を考えるというものがあったんです。初めてのことですし、最初は本当にうまくできなくて。ただ、デビューして分かったのですが、本来はスタッフさんが構成を組んでくださるんですね。それを知って、研修で苦労しただけに、「やっていただけるんだ!? なんてありがたい!」と感謝の気持ちでいっぱいになりました(笑)。また、特に難しかったのがフリートークの練習でした。テーマを1つ決めて、それについて10分間しゃべり続けるという訓練なんです。最初は1分から始めて、3分、5分と延ばしていくんです。自分についてのことであればどれだけでも話せるものの、テーマが《ペットボトル》とか《コーヒー》とかになると全く話が続かなくて。
── 一人で10分間しゃべり続けるって、想像以上に難しいですよね。
小林 びっくりするぐらい長く感じます。最初の頃はたった3分すらもたなくて、かなり落ち込みました。それも、1つのテーマに対して数珠つなぎのように自分が持っている知識を総動員させて、いろんな切り口で語っていったんです。にも関わらず、全く足りなくて。スタッフさんからは「切り口も1つにして、10分以上話せるようになるのが目標だね」と言われ、それが最初にぶつかった壁でしたね。
──テーマに対する知識量もそうですが、10分間の話の構成を頭の中で組み立てる作業も大変そうです。
小林 そうなんです。“たくさん話さなきゃ”と思って話を二転、三転させていると、次第に自分が何をしゃべっているのか分からなくなっちゃうんです(笑)。でもある時に「話の締めが一番大事だよ」と教わり、それからは、話を膨らませつつ、そこからいかにオチを見つけて着地させていくかを意識するようにしました。関西出身なのもあって、オチを見据えたうえで話していくほうが私としても内容を組み立てやすかったですし、聞いている側もオチがないと、“結局、なんの話だったんだろう……?”と思ってしまうので、たしかに締めって大事だなと痛感しました。
──関西人はやっぱり話にオチがないとダメなんですか?
小林 いえ、そんなことはないです(笑)。そうですよね、関西出身だからって、勝手に全部をひと括りにしてしまうと怒られちゃいますね。でも、少なくとも私は気になっちゃうタイプで、周りの友人たちも同じような人ばかりでした。といっても、必ず話にオチを要求されるというようなシビアな世界ではないんですけどね(笑)。ただ、そういう場合はまず先に言います。「ごめん、この話、オチないねんけど」って(笑)。
──やはり気になるものなんですね(笑)。会話の話題で思い出しましたが、研修ではクロストークの練習もあると、以前、白井ゆかりキャスターと番組中にお話しされていましたね。
小林 はい。研修中にゆかりんさんが偶然いらっしゃって、私の練習相手になってくださいました。その時は、“体調が悪く、とにかく無愛想で、不機嫌な白井ゆかりキャスター”を演じていただいて(笑)。私が何を聞いても、どんな話題を振っても「はい」か「いいえ」しか答えてくれなかったんです。
──本番中、そんな無愛想な態度を取るキャスターはいないと思うのですが、それはどういう意図の練習なんでしょう?
小林 例えば、イベントなどで司会進行をする際、お客様の中には緊張してうまく会話ができない方もいらっしゃるかもしれないので、どんな状況でも、いかに逃げずに話を広げられるかという練習でした。この研修は私の代から始まったそうで、ノリノリでやってくれたゆかりんさんの姿が面白かったですね。今でこそ笑って話せるものの、その時はゆかりんさんの演技が迫真すぎて心が折れそうでしたけど(笑)。
ほぼ毎日台風が訪れていたデビューの1か月間は多くの経験をさせていただきました
──小林さんのキャスターデビューは9月1日でしたが、その前日の8月31日にお披露目を兼ねて、1時間だけ番組を担当するプレデビューがありました。当日のことは覚えていますか?
小林 とにかく緊張していて、自分がどんな感じだったのかまでは、実はあんまり覚えていないんです。
──デビューする日はいつ頃聞かされたんでしょう?
小林 9月のどこかでという話は、漠然とですが、研修の時からうかがっていました。ですので、“最速だと9月1日の可能性もあるのか……”と心構えだけはしていたんです。ただ、具体的に日にちが決まったのが一週間前くらいで。しかも、「31日にプレデビューをして、1日に正式デビューだから」と言われ、急なことだったのでちょっと戸惑っていたんですが、「1日くらい早くなってもそんなに変わらないから大丈夫だよ」と、ドーンと放り込まれました(笑)。
──(笑)。放送を拝見していた感じでは先ほどの高山キャスターのコメントにもあったように、ものすごく堂々と番組を進行されているようでした。
小林 いえ、全然そんなことないです。本当に緊張しっぱなしでしたから。ただ、頑張ろうとすればするほど気負っちゃうと思ったので、とにかく笑顔で姿勢良くハキハキとしゃべることだけを意識していたんです。そうしたら、あっという間に1時間が過ぎていました。
──翌日の本デビューでは3時間の放送を担当されましたが、多少は緊張もほぐれていたのでしょうか?
小林 翌日のほうがもっと緊張してましたね。やはり、“今日からデビューなんだ!”という気持ちもありましたし。それに、その日は少し天候が荒れていたこともあり、デビュー日とはいえ、ほかの時間帯の先輩方と同じようにしっかりと情報をお伝えしなければいけないという使命感もありましたので、より緊張感と緊迫感を持って臨みました。
──デビューして2か月になりますが、今の心境はいかがですか?
小林 本当にあっという間だったなという気持ちが大きいです。特に最初の1か月はいろんなことを経験させていただきました。きっとまだ皆さんの記憶にも新しいと思うのですが、今年の9月は台風が多く、日本に台風が上陸していない日が3日しかなかったんです。ですから、お休みの日も常に気象情報をチェックして、日々勉強でした。また、放送後にはいつも反省点やアドバイスをスタッフさんからいただくのですが、ダメだったところは二度と言われないようにということをいつも意識していて。そうした課題をこなすことに集中していたら、気づけばもう2か月も経っていたという感じです。
──警報などが出ている天候の日の放送は、やはり気持ちも違いますか?
小林 気持ちもそうですが、表情の作り方も違います。私は普段から口角が上がり気味なので、普通にしているだけで笑顔っぽくなってしまうんです。ですから、誤解を与えないように緊張感のある表情を作らないといけないのですが、これまでそうした表情を意識したことがなかったので、最初は苦戦しました。また、言葉の使い方に関しても気をつけなければいけないことが多いです。例えば、「〜のおそれがある」と「〜の可能性がある」では似たようなニュアンスでも意味合いが異なる。状況に応じて使い分けをしなければならず、その都度、隣に座っていらっしゃる気象予報士さんがアドバイスをくださったりするのですが、もっと自分の口から瞬時に判断して伝えられるようにならないといけないなと思っています。
──学ぶこと、経験することの多かった2か月だったということは、見方を変えれば大変な時期にデビューしたことになりますね。
小林 皆さん、そう言って労ってくださいます(笑)。でも、9月は台風の時期ですし、荒れた天候が続くのは、ある意味で想定していたことなんですね。そのうえで、あえてこの時期をデビューに当ててくださったみたいです。というのも、出水期を経験しないまま来年になって初めて台風の時期の放送に臨むのと、最初にたとえ苦労しても、一度経験しておいて一年後に再びこの時期を迎えるのとでは、スキルの面で大きく違うだろうという判断だったようです。
──ということは、心構えもしていたんですね。
小林 そうなんですけど、やっぱり大変なことには変わりませんでしたね(苦笑)。番組担当のシフト表をもらって週間天気予報を見るたびに、「あ、今週も台風だ」「あれ? もしかして来週も!?」という感じで、心の休む暇がなかったです(笑)。
──では、これまでで特に印象的だった放送を挙げていただくと?
小林 デビューして2日目に、自分が担当する時間のラスト30分あたりで雨量の増加に伴う警報や緊急安全確保が発令されたことがあったんです。もちろん、気象速報への対応も研修で学んできましたが、スタッフさんたちも想定していた以上のレベルの雨量だったようで、いきなりバックヤードがバタバタし始めて。秒刻みでどんどんと新しい情報が入ってくるし、私も冷静に伝えていかないといけないと気持ちを引き締めていったのですが、そうした経験を最初の頃にできたことは大きかったなと思います。
──今はどんなことに意識して番組に臨んでいますか?
小林 当然ながら、私はどの先輩方よりも気象に関する知識が少ないので、番組中に気象予報士さんに質問する際も、素朴な疑問を聞くことが多いんです。そのことである時、あいりんさん(山岸愛梨キャスター)に、「それは視聴者さんに一番近い感覚でもあるんだから、いつまでも大事にしないといけないよ」と言っていただいて。それに、「素朴な疑問が生まれるのは今のうちだけだから、気になったことは全部メモしておいたほうがいいよ」ともアドバイスをいただいたんです。 “自分が知っていること=誰もが知っていること”では決してないですし、知識がつくとそうしたことを忘れがちになってしまうので、あいりんさんのその言葉を受けてからは、番組中でもちょっとした疑問や気になったことを書き留めて、あとで見返すようにしていますね。
キャスターオーディションへの挑戦は“最後の悪あがき”という感じでした(笑)
──話が前後しますが、小林さんがウェザーニュースのキャスターになろうと思われたきっかけは何だったのでしょう?
小林 小さい頃からミュージカルに出ていたこともあり、表に出る仕事に憧れていた時期があったんです。それで、高校生ぐらいの時から有料のオーディションサイトにも登録をしていて。ただ、少額だったこともあってそのことをすっかり忘れていて、社会人になってから課金し続けていたことに気づいて、退会しようとサイトをのぞいたんですね。そうしたら、そこにウェザーニュースキャスターの募集告知があったんです。
──すごいタイミングですね。
小林 とはいっても、大学を卒業して働き始めたばかりの頃でしたし、自分が今さら表に出る仕事に就けるとは思っていなくて。それで一瞬、諦めかけたのですが、その募集告知に登場していた駒木結衣キャスターがものすっっっっごく素敵だったので、“サイトを退会する前に最後の悪あがきだ!”と思い、挑戦してみることにしました。
──駒木キャスター、ナイスプレイですね(笑)。キャスターという仕事にも興味はお持ちだったんですか?
小林 あるアーティストさんが行なっていたナレーションのレッスンを受けていたりもしたので、自分の声や体を使って表現することをやってみたいという思いはありました。それに、「ウェザーニュースLiVE」のことも前から知っていて、いろんなキャスターさんがそれぞれの個性を出しながら情報を届けている姿を見て、“もしかしたら自分の個性がうまくはまる可能性があるかもしれない”という思いもありました。まさか本当に受かるとは想像していませんでしたけど……(笑)。
──それまでオーディション自体の経験は?
小林 ありました。ただ、キャスターのオーディションは初めてでしたので、一体どんなことを求められるんだろうと、見当がつかなかったんです。書類審査を通って、いざオーディション会場に行っても、周りはみんなかわいい子ばかりで。「あ〜、あの子はキャスターっぽいなぁ」って、なぜか審査員目線で周りを見ていたりもして(笑)。本音を言うと自信はなかったのですが、でも、やるからにはしっかりと自分の力を発揮したいと思い、敵が何を求めているのかいろいろ分析してましたね。
──敵というのは審査員のことですか?
小林 あ〜、違います! 敵なんかじゃないです!(笑)
──オーディションとはいえ勝負ごとですし、ある意味、敵で間違いないかもしれませんが(笑)。
小林 いえ……本当にすみません、言葉を間違えました(笑)。つまりは、どういう人材が必要とされているのかを自分なりに考えてみたんです。でも、どれだけ考えても結局分からなくて。それで、やっぱり最後は人と人との巡り合わせに違いないと思い、必要最低限の準備だけをして、あとは小細工なしにありのままの自分を出すことにしました。
──具体的にはどのような対策を?
小林 事前にいただいたオーディション概要に《自己紹介・自己PR・原稿読み》をトータルで3分間行うと書かれていて、その時間配分は個人に委ねられていたんです。そこで、キャスターという仕事である以上、やはり時間に正確じゃないといけないと思い、家で何度もストップウォッチで計って3分きっちりで終わるように練習してオーディションに臨みました。でも、当日会場に行ったら、「時間をオーバーしても大丈夫ですよ」と言われて(笑)。“なんだぁ、そうなんだぁ”ってちょっと気が抜けちゃったんですけど、でも、そのことで逆に気持ちがラクになりましたね。
──プロフィールにはクラシックバレエとタップダンスが得意と書かれていますが、自己PRではダンスを披露されたんでしょうか?
小林 いえ、オーディション会場がどんな広さなのかが分からなかったので、思いっきり踊れないかもしれないリスクを避けて歌にしました。でも会場に行ったら、ほかの応募者はみんな大きな荷物も持ってきていたので、焦っちゃいましたね(笑)。しかも控室で順番を待っている間、隣の審査室から大きな笑い声が聞こえてくるんです。そこでも“うわ〜、めっちゃウケてる……”とまた焦って。“これ以上、みんなウケないで〜”って祈ってました(笑)。
──それはプレッシャーですね。オーディションに応募してからは家族や友人たちも応援してくれていたんですか?
小林 それが、就職して都内で働いていたということもあって、地元の友達には伝えていなかったんです。そもそも受かるとも思っていませんでしたから、家族に話したのも最終面接の直前でした。“ここまできてしまったからには、一応言っておこう”と思って(笑)。
──では、こうしてキャスターとしてデビューしたことに、ご家族も喜んでいるんじゃないですか?
小林 家族はすごく喜んでくれています。最初は驚いていましたけど。大学を卒業して上京して、一人暮らしを始めたばかりだったのに、まさか数か月後に職が変わるとも思っていなかったでしょうし。それに、受かった後も電話で連絡しただけだったので、ウェザーニュースのことをあまりよく分かっていなかったみたいなんです。ですから、両親や祖父母は「本当に大丈夫なのか」とすごく心配していたそうで。ただ、デビューする前に帰省する機会があり、そこで改めてしっかりと説明できたことと、母が一度会社に見学に来て仕事内容の説明を受けたことで安心してくれたようですね。
──今は番組をご覧になっているんですか?
小林 はい! 祖母はおばあちゃん仲間にめっちゃ自慢しているみたいです(笑)。電話で「今日も自慢してきちゃった!」って楽しそうに話すんですが、それを聞くのが私も面白くて、嬉しくて。家族がこんなにも喜んでくれるお仕事に就けて本当に良かったなと思っています。
──番組とは別に、切り抜き動画とかを見て驚かれていませんか?
小林 あ〜、見てるのかなぁ。どうなんでしょう。でも、きっと見てますよね。そこに関しては感想を聞くのがちょっと怖いですね(笑)。友人たちからは「見たよ」という連絡がありました。というより、大学時代の友人たちには最後まで結局誰にも言わなかったので、みんな驚いていたみたいです。今でも、「YouTubeを見てたら、急に李衣奈が出てきてビックリした!」とか、「大学の頃の友達がみんなざわついてるよ」っていう報告がたくさん届きますね(笑)。
同期がいない分、すべての先輩方の優しさにいつも支えられています
──「ウェザーニュースLiVE」では朝5時から夜の11時までキャスターさんが3時間ごとに生放送を担当されています。小林さんはどの時間帯がお好きですか?
小林 デビューしてから「コーヒータイム」(午前11:00〜午後2:00)を担当することが多いので、この時間帯が一番体になじんでいるかもしれません。ほかの時間帯ももちろん大好きですが、「モーニング」(午前5:00〜8:00)と「ムーン」(午後8:00〜11:00)はまだ経験がないので、いつか担当できる日がくればいいなと思っています。
──「コーヒータイム」はちょうどお昼時ですし、視聴者さんからおいしそうなランチの写真がリポートで届くと、こちらもお腹が空いちゃいますよね。
小林 分かります。私、めっちゃお腹鳴ってますから(笑)。間違いなく、隣に座っている(気象予報士の)山口(剛央)さんには聞かれていると思います(笑)。そもそも、お腹がいっぱいになると集中力が保てなくなるので、研修の時からあまり食べすぎないようにしていたんです。でも、そうすると、どうしてもお腹が鳴っちゃって。それにスタッフさんから「しっかりと食べたほうが声の出方も違うよ」と教えていただいてからは、事前にある程度の食べ物を口に入れるようにしていていますね。
──ほかのキャスターさんたちは放送中のインターバルの間にちょっとしたお菓子などを食べて、糖分を取っているという話をされていますよね。
小林 そうなんですか!? 私は食べたことがなかったです。というよりも、食べる余裕がまだないです。番組は30分を1ブロックとした構成になっているのですが、インターバル中は次のブロックにどういうコーナーがあるのかを確認したり、原稿読みの練習をしたり、別の映像の収録をしたりと、やらないといけないことが多いので、今はまだ何かを口にするという気持ちの余裕がないですね。
──では、番組の中で好きなコーナーはありますか?
小林 お天気の情報をお伝えするのも大好きなのですが、視聴者さんから送られてくる写真を見るのが楽しいです。それこそランチのお写真や、ご自宅の庭から見える空の景色などは、それぞれのライフスタイルが垣間見えて、“あ〜、こういう方たちと一緒に番組を作れているんだなぁ”って嬉しくなります。
──そういえば、デビューして間もない頃に、視聴者さんから届いたウェザーリポートの写真を誤って画面上から全部消してしまっていましたね。その時も落ち着いて対応されていたのが印象的でした。
小林 ありましたね(笑)。言われてみれば、あの時ってあまり焦るようなことはなかったです。「あれ? パソコン、どうしちゃったんだろう?」と思ったぐらいで(笑)。それもきっと研修の成果だと思います。「どんなことがあっても冷静に」と教えられたので。それに、“私のせいじゃないよ”という顔をしていれば、視聴者の皆さんはパソコンの不具合と思ってくれるんじゃないかなと思ったりもしてました(笑)。いざとなったら、百戦錬磨の頼もしいスタッフさんが助け舟を出してくれるかもしれませんし。もちろんそれは本当に最後の手段ですし、可能な限り自分の力でなんとかしようと努力しますが、あの時も復旧作業をしてくださり、信頼と安心感のあるスタッフさんが常にいてくれることに改めて心強さを感じました。
──では、先輩キャスターからのアドバイスで印象に残っていることはありますか?
小林 それはもう、数え切れないほどあります。特にデビュー日はあいりんさんやさやねさん(江川清音キャスター)をはじめ、皆さんから「研修が一番大変で、デビューしたら後はやるだけだから自信を持ってね」と言っていただいて、気持ちがすごくラクになりました。檜山沙耶キャスターからは当日に、「緊張していると思うけど、たくさん研修を頑張ってきたはずだからリラックスしてやれば大丈夫だよ」というメールもいただいて。それに、大島璃音キャスターはお菓子を差し入れてくださったんです。そこに「デビュー、おめでとう。不安なことがあったらいつでも聞くよ」というお手紙も添えられていて、それは今も手帳に挟んで持ち歩いていますね。また、どのキャスターさんも今も会うたびに、「何か分からないことある?」と声をかけてくださるので、本当にいつも皆さんに助けられています。
──内田侑希キャスターはいつもクロストークの時に見守るような眼差しを送っていますよね。
小林 はい(笑)。ゆっきーさんは、私に同期がいないからか、研修の時から会うといつも声をかけてくださるんです。また、ゆいさん(駒木結衣キャスター)も研修の初日から優しくしてくださって。その日は天候が荒れ気味で、スタッフさんも慌ただしくされていて、私が一人でいる時間が多かったんですね。そんな私を見て、「モーニング」の番組終わりにわざわざ残って、原稿の作り方を教えてくださったんです。ななさんも、時間があると「勉強に付き合ってあげるよ」と言ってくれて、時には私が別の研修が終わるまでずっと待っていてくださったりして。皆さんの心遣いと優しさには感謝しかないです。
──また、同期がいないなか、同じ歳の戸北美月キャスターがいるというのはすごく大きいのではないかと思います。
小林 本当に大きいです。初めてお会いした時から、「先輩といっても半年ぐらいしかデビューが変わらないし、私のことを同期だと思ってね」と言ってくださって。お話をしている時も、「ほら、また私に敬語になってる!」ってよく注意されてました(笑)。今でも私にとって先輩であることは変わらないのですが、“みーちゃん”と呼べるようになりましたし、同年代ということですごく相談しやすい存在になっていますね。
──最後に、キャスターとしての今後の目標を教えてください。
小林 先輩方と比べて語彙力や表現の引き出しの数が少ない分、同じ情報を伝えるにも、私は内容が浅くなってしまうところがあって、そのことで落ち込むことがありました。でも、多くの経験を積まれている皆さんと新人の自分を比べること自体がおこがましいと思うようになり、それからは昨日の自分と比べて、一つでも多くのことをできるようにと気持ちを切り替えたんです。まずは、そうやって経験を増やしていこうって。その一方で、先輩方のすごいところはどんどんと盗んでいきたいなと思っています。特にあいりんさんやさやねさんの言葉は、一人の視聴者として番組を見ている時でもスッと心に入ってきますし、すごく信頼感を持てる。ほかのキャスターさんも、それぞれにご自身の言葉や話し方のリズムをお持ちで、情報ごとでの表情の切り替えも素敵なので、毎日、生放送やアーカイブを見ながら参考にさせていただいています。そうやって、いつか皆さんのいいところを組み合わせたハイブリッドなキャスターになっていければいいなと思っていますね。
──楽しみにしています。さて、次回の連載にご登場いただくのは、先ほど話題に出た戸北美月キャスターになります。改めて小林さんからどんなキャスターかご紹介いただけますか?
小林 みーちゃんは初対面の時からフランクに話しかけてきてくれましたし、いつも明るさと優しさを周りに与えてくれる本当に素敵な女性です。一度、私の母が会社の見学に来た時、たまたまみーちゃんがいたのですが、ちょっと挨拶をしただけだったのに、あとで母が「あの子は絶対にええ子やで」と言ってました(笑)。「あんまりしゃべってへんけど、間違いないわ」って。まさかそんなことを母が言っていたとはみーちゃんも知らないと思うのですが(笑)、母の言葉どおり、どれだけ粗を探そうとしても、悪いところが一つもないんです。それに、研修の時からずっと助けてもらっているので、これからもどんどん仲良くなって、いつか私のほうからパワーを与えられるようになれればなと思っています。
《小林キャスターに17の質問!》
Q01.ご自身ではどんな性格だと思いますか?
小林 明るく、ポジティブ! 嫌なことがあっても、寝れば忘れます(笑)。仮に翌日に残っていたとしても、前向きに変換しちゃうタイプですね。
Q02.“パブリックイメージとはここが違う”というところはありますか?
小林 う〜ん……そもそも、皆さんは私に対してどのようなイメージをお持ちなんでしょうね(笑)。あ、意外と思われるかもしれませんが、緊張すると話し方がゆっくりになります。普段はもっとチャキチャキ、ランランでしゃべりますし、関西弁も頻繁に出ます。いつかみーちゃんと番組で関西弁トークもしてみたいですね。でも、みーちゃんは話し方がおっとりしているから、つられちゃうかも(笑)。
Q03.学生時代はどんな性格でしたか?
小林 小学生の頃はめっちゃ活発でした。中学生になると目立ちたくてクラス委員になったり、生徒会に入ったりしていましたね。高校は公立で、勉強のレベルもみんな同じぐらいだったこともあって友達がたくさんいましたし、一緒に遊びに行くことも多かったです。ただ、大学に入ってからはコロナ禍で学校に半分ぐらいしか行けなくて。それでも友達はいましたし、会うとおしゃべりもするんですが、基本的にはチャイムが鳴るギリギリに教室に入って、一番前の席で授業を受け、終わったらすぐに帰るという感じでした。そういえば、友人と同じゼミに入ったんですが、特にしゃべることもなく別々の場所に座っていたら、先生から授業後に「何かあったの?」心配されたことがありました(笑)。女の子はいつもみんな一緒にいるのが当たり前というイメージがあったのかもしれないですね。決して人付き合いが嫌になったわけじゃなく、なんとなく群れなくなっただけなんですけど。
Q04.今も行動する時は一人が多い?
小林 人並みに友達と遊びに行きます。大学時代は“勉強しに行く場所だから”と割り切っていたのが大きかったです。学生生活もきっとこれで最後だろうし、高い学費を払ってもらっていたので、もっと勉強したいという気持ちが強くなっていったんです。
Q05.学生時代のあだなは?
小林 あまりなかったですね。男女関係なく、下の名前の「りえな」で呼ばれることが多かったです。珍しい名前なので、あだ名にするのが難しかったのかもしれないですね。あ、でもなぜか男の子からは“さんづけ”で呼ばれることが多かったです(笑)。
Q06.番組内では“会長”があだ名として定着しそうな気配がありますが……。
小林 それについては、ちょっと困惑しています(苦笑)。デビューをして2週間ぐらい経った頃に番組内で中学時代の話題となり、和太鼓同好会で会長を務めていたというお話をしたんですね。そうしたら翌日ぐらいから番組のチャットで“会長”と書かれることが増えていって。一番新人なのに“会長”はさすがになぁ……という思いと、せめて“部長”ならあだ名っぽくてよかったなぁという思いがあり、今も恐縮な気持ちでいっぱいです。
Q07.犬や猫にさわれないこと以外で弱点はあるんですか?(千葉市美浜区・高山奈々さんからの質問)
小林 まさかのななさん!(笑) え、こんなパターン、あるんですか? 弱点ですか……多分、絶対にあるはずなんですけど、何があったかなぁ。高いところも得意ですし、虫も大丈夫ですし。クロストークでも言いましたが、多分、虫を食べるのも平気です。あと、怖いものも大丈夫ですね。お化け屋敷に入ると、「みんなついてこい!」みたいな感じで、先頭に立って引っ張っていくタイプです(笑)。辛いものも好きですし……苦手なもの、苦手なもの……。あ、今は標準語が弱点です。放送中でも、“あれ? 今のはもしかして関西弁!?”って分からなくなることがありますし。以前、みーちゃんが「方言天気予報」をしていましたけど、私も関西弁であればいつでもいけます!
Q08.では、好きな虫は?
小林 特別これという決まった虫はいないのですが、夏の昆虫はかっこいいなって思います。クワガタやカブトムシがいたら、つい捕まえたくなります。実家がマンションで、上のほうの階にあるんですが、ある夏の日に廊下にコクワガタがいて。「君はどっからきたんだ!?」とテンションが上がりました(笑)。その時も捕まえて、家族に見せに行きましたね。
Q09.普段の休日の過ごし方は?
小林 友人と出かけるか、お部屋の掃除をした後に食事を作る。今はまだ上京して一年も経っていませんし、一人で遊びに行くにもどこに何があるのかがよく分からなくって。せっかく千葉にある会社で働くことになったわけですし、千葉出身のスタッフさんも多いでの、お仕事終わりに遊びに行ける観光スポットを今、いろいろと教えてもらっているところです。学生時代からクルマを運転するのが好きなので、いつかクルマを買って千葉のいろんなところをドライブしたいですね。
Q10.毎日欠かさずにすることは?
小林 柔軟体操とストレッチ。寝る前もそうですが、家の中では日常的に大股歩きのランジスクワットをしています。例えば、顔を洗うために洗面台に移動する時でも片方の膝が地面に着くぐらいまで大股で歩いているんです。足とお尻を鍛えるトレーニングなのですが、ちょっと誰にも見せられない姿ですね(笑)。あとは出勤の時、階段を二段飛ばしで上る。そうやって、ちょっとした時でも体を動かすようにしています。
Q11.眠れない時にすることは?
小林 ものすごく寝付きがよくて、眠れないということがないんです。たまに“寝れないなぁ”と思うことがありますが、それでも数分後には熟睡しています(笑)。ただ、先輩方からよく、「昨日は眠れなかった」という話を聞くので、この先、私にもそんな日がくるのかもしれないですね。その時は先輩方に相談します。
Q12.好きなミュージカル作品は?
小林 印象深く残っているのは、ブロードウェイで観た『キンキー・ブーツ』と『アラジン』。ものすっごく楽しかったです。どちらもストーリーは頭に入っていたので、英語でも全然平気でした。最近だとボブ・フォッシーの『ピピン』の日本語版が良かったです。
Q13.では、好きなミュージカルナンバーは?
小林 タップダンスを習っていたこともあって、タップシーンのあるミュージカルが好きなんです。『アラジン』にもありますが、“どのナンバーも全部好き!”と思うのは『ニュージーズ』と『ムーラン・ルージュ』。ちなみにオーディションの時は『リトル・マーメイド』の「パート・オブ・ユア・ワールド」を英語歌詞で歌いました。
Q14.好きな関西弁は?
小林 口癖のようについポロッと出ちゃうのは「おもろい」。いつも“おもろいって言わんようにせな”って気をつけているんですが、その頭の中の言葉がすでに関西弁になってます(笑)。それと、「めっちゃ」も使いがちですね。どちらも誰が聞いても意味が通じるだけに、つい口にしてしまっています。
Q15.最近大笑いしたことは?
小林 地元の友達と会ってめっちゃふざけあってた時に大笑いした記憶があります。内容は全く覚えていません(笑)。何がそんなにおかしかったんだろう……。
Q16. GetNavi webということで、ご自身を家電に例えると?
小林 ラジオ。歌が大好きですし、普段はすっごくおしゃべりなので。それに、“ラジオのようにいろんな話題が次々と出てきますよ!”という願いも込めています(笑)。
Q17.最後に、普段愛用しているアイテムをご紹介いただけますか?
小林 いつも持ち歩いてるのは無印良品の「磁器ツボ押しボール」です。全身に使えるんです。出勤してパソコン作業をしたあとに、隠れてこっそりと首や耳のうしろや鎖骨回りをほぐしたりしています(笑)。足の甲に当てても気持ちいいですし、脇に挟んで血行を良くしたり、膝裏に使ったり。お家でもヨガマットの上に置いて足の裏で動かしたりしていますね。それと、このボールを入れているポーチもお気に入りなんです。私の地元である神戸で創業した「familiar」という子供服のブランドで、大人でも使えるバッグや小物入れがあるんです。このポーチも地元ではすぐに売り切れたので、都内にあるショップで購入しました。
小林李衣奈さんのサイン入り生写真を3名様にプレゼント!
<応募方法>
下記、応募フォームよりご応募ください。
https://forms.gle/uUBWKnhLnevrTKD27
※応募の締め切りは11月22日(火)正午まで。
※当選は発送をもってかえさせていただきます
※本フォームで記載いただいた個人情報は、本プレゼント以外の目的での使用はいたしません。また、プレゼント発送完了後に情報は破棄させていただきます。
ウェザーリポーター17周年特別企画開催中
『たまったポイントが寄付になる「チャリティー ウェザーリポート」』 特設サイト
「ウェザーニュース」HP https://weathernews.jp/
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撮影/中村 功 取材・文/倉田モトキ