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2023/3/24 6:30

待望の続編公開!髙石あかり&伊澤彩織「日本のアクション映画として、もっと世界にも認知してもらいたい」映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』

社会に適応できない元女子高生の殺し屋コンビの日常を、コミカルさとバトル満載で描いた青春アクション映画『ベイビーわるきゅーれ』。公開から1年以上にわたり、全国各地でロングラン上映されるなど、国内外で話題をさらった。彼女たちのその後を描いた続編『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』が3月24日(金)より公開される。前作に引き続き、ちさと役とまひろ役を演じた髙石あかりさんと伊澤彩織さんに、続編に対する熱い思いや撮影エピソードを伺いました。

 

【髙石あかりさん、伊澤彩織さんの撮り下ろし写真】

 

阪元監督の「『ベイビーわるきゅーれ』が名刺代わりになる」が本当に

──前作が公開されたことでの周囲の反応はいかがでしたか?

 

髙石 前作から繋がったお仕事も多いですし、お仕事に行く先々で「『ベイビーわるきゅーれ』観たよ!」と言っていただけることが本当に嬉しくて! 私たちにとって、まさにベイビー(子ども)のような存在の作品だったので、どんどん成長していることを実感しています。

 

伊澤 成長しましたねぇ。前作を撮り終えたときに、阪元(裕吾)監督と「『ベイビーわるきゅーれ』が自分たちにとって名刺代わりになるだろう」という話をしていたんですが、本当にその通りになりました。しっかり“『ベイビーわるきゅーれ』の人”として認識されたり、“金髪の方”と言われ、金髪じゃないときは気づいてもらえないぐらいだったり(笑)、いい経験をさせてもらいました。

髙石あかり●たかいし・あかり…2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。19年より俳優活動を本格化。『ベイビーわるきゅーれ』(21)で映画初主演を果たす。主な出演作に『終末の探偵』(22)、ドラマ『生き残った6人によると』(22)など。映画『わたしの幸せな結婚』(3月17日(金))、『Single8』(3月18日(土))が公開待機中のほか、ドラマ『東京の雪男』 (NHK Eテレ)にレギュラー出演。TwitterInstagram

 

──作品は異例のロングランヒットを記録したほか、伊澤さんは「日本映画批評家大賞」で新人女優賞(小森和子賞)も受賞されました。

 

伊澤 賞までいただけるとは戸惑いました。『ベイビーわるきゅーれ』に出て一番変わったと思うのは、すごい量のお手紙をいただいたこと。「映画を観て励まされました」という内容のものが多いんですが、私は逆にそのお手紙に書かれた言葉に励まされていました。劇場公開が終わった後もU-NEXTやAmazonPrimeの配信で観てくれた方からの反響がありました。

 

髙石 Twitter上で『ベイビーわるきゅーれ』について描いてくださったイラスト“ベビ絵”がどんどんアップされたときには、ちょっと驚きましたね。あまり他の作品ではなかなか見たことのない現象でしたから。

 

──そして、続編製作の話を聞いたときの感想は?

 

伊澤 前作を撮り終わって、2か月後ぐらいのタイミングにはもう企画が動いていて、「えっ、できるんですか?」という感じでした。それから「早く言いたい!」みたいな時期があって、TOHOシネマズ日比谷での上映(21年12月)のときに、やっと発表できて嬉しかったですね。

 

髙石 そのとき、なぜかマイクが不調で(笑)。だから、劇場で叫びました! 私、続編の撮影に入る前にも、改めて『ベイビーわるきゅーれ』で検索をかけることがあったんですが、公開から1年以上経っても、数秒単位で話題に挙っていて、「まだまだ続いているんだなぁ」と、熱量の高さを実感しました。

 

お互いを助け合うことで、より2人の距離が近くなった

──撮影前のアクション訓練はいかがでしたか?

 

伊澤 アクション監督の園村(健介)さんとあかりちゃんと3人で集まって自主練習したりしましたね。立ち回りを入れる前のベース作りが要になったと思いました。2人で銀行強盗をボッコボコにするシーン、楽しかったよね。

 

髙石 でも、カメラを意識したアクションをするのは難しかったです。今回は園村さんから、身体の仕組みというか、「この筋肉を動かすと、この動きに繋がる」といったことを教えていただいたので、少しはレベルアップしていたらいいなとは思います。

伊澤彩織●いざわ・さおり…1994年2月16日生まれ、埼玉県出身。スタントパフォーマーとして、映画『キングダム』(19)、『るろうに剣心 最終章』(20)、『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』(21)、『ジョン・ウィック』新作(23)などで、メインキャストのスタントダブルを担当。役者としての主な出演作に映画『ある用務員』(20)、『ベイビーわるきゅーれ』(21)、『オカムロさん』(22)などがある。Twitter

 

──今回、阪元監督や園村アクション監督から与えられた課題のようなものは?

 

髙石 本読みのときに、阪元監督が恥ずかしそうに「前作は2人のお話でしたが、今回のテーマは2人が一つの個になることです」と言われたのですが、それを意識しながら演じました。「右手が使えないなら左手で戦う」というように、お互いを助け合うことで、より2人の距離が近くなったと思います。

 

伊澤 阪元監督に「続編は男の2人組が私たちに挑戦してくる話」だと聞いていたので、挑戦を受ける側の私が強者に見えるようにどうしたらいいかというのが課題でした。前作から園村さんに教えてもらっていた身体の連動をもっと深く染み込ませる必要がありました。

 

ただの共演者ではなく阪元監督含めて家族みたいな近さがある関係

──撮影中の印象的なエピソードを教えてください。

 

伊澤 3日間かけた自動車工場でのアクションシーンですね。初日は屋外で、ゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)との2対2の銃撃戦を撮影して、2日目から工場内で丞威さんと1対1のバトルを撮っていたのですが、真夏だったので、出る汗の量がすごかったんです。丞威さんと「どっちが多く汗が出たか勝負しよう!」と、着ていた衣装を絞ったんですが、お互いに滝のように出て、引き分け。人生で一番汗をかいた日でした(笑)。

 

髙石 あと、着ぐるみを着た、ちさととまひろのシーン。『アイアンマン』みたいな顔だけアップのショットは室内で撮ったんですが、身体を動かせない状態で顔だけ動かすのが、なかなか難しいんですよ。ちなみに、あれがクランクアップでした(笑)。

 

伊澤 着ぐるみを着た「キラキラ橘商店街」のシーンも楽しかったですね。撮影の合間に、みんなでコロッケ食べたり、揚げパン食べたり、商店街巡りもしました。下町の和やかな雰囲気が好きだったので、また遊びに行きたいです。

──劇中では仲良しコンビですが、実年齢では髙石さんが伊澤さんの8歳年下です。

 

伊澤 それに関しては早い段階で感じなくなったというか、私ができないことをいろいろやってくれるんです。うまく話せないときもすごくフォローしてくれるし、お芝居に関しても引っ張ってくれる。とても尊敬していて、「私の方が子供なんじゃないか?」と思うことも多いんです。年齢差感じる?

 

髙石 伊澤さんは珍しいタイプというか、ただの共演者というよりは、阪元監督含めて家族みたいな近さもあるというか。実際、伊澤さんのお家に遊びに行かせていただいたりもしているんですけど、それも友だちとも違っていて。多分、ちさととまひろの距離だと思うんです。

 

伊澤 自然に補い合っている感じがします。前作が公開されてから続編の撮影が始まるまでは、会ったり遊んだりする時間もなく、おのおの違う作品の現場で頑張っていたので、またこうして隣にいさせてもらえることが嬉しいです。

 

──前作に比べ、ちさととまひろのより親密な関係性が色濃く出ています。特に伊澤さんが丞威さんとバトる直前の2人の掛け合いは見どころです。

 

髙石 私は試写でスクリーンを通して観たときに、それはすごく感じました。私たち役者側の仲の良さがしっかり出たんじゃないかなと思います。

 

伊澤 「ちさとが死んじゃったら本当に嫌だな」と思って、撮影前に泣きそうになってました。顔の右側を撮っていたカメラには写っていないんですが、左目だけ泣いていて。あかりちゃんにだけバレてました(笑)。

 

今後のちさととまひろの関係性がどうなるか、気になります

──シリーズ3作目や“阪元監督作ユニバース”における期待を教えてください。

 

髙石 今後のちさととまひろの関係性がどうなるか、気になりますね(笑)。

 

伊澤 気になるね。私は(『最強殺し屋伝説国岡[完全版]』)の国岡さんとも戦いたいですね。でも、そのときは、まひろじゃない役で出演して、瞬殺されたいな(笑)。阪元さんが作る世界観を、もっと世界中の人に見てほしいです。

 

髙石 『Baby Assassins』の英語タイトルで海外でも人気なので、ちさととまひろも海外に飛び出したいですし、レッドカーペットも歩いてみたいですね。とにかく、またお互いに別の場所で鍛え上げて、阪元監督のもとに戻ってきたいです。

──現場に常に持っていくモノ・アイテムを教えてください。

 

髙石 いつも、このトートバッグに、ペンやリップクリーム、目薬を入れて持ち歩いています。ファッションブランド「Akihide Nakachi」の展示会で、私がひと目惚れした生地があったんですが、デザイナーのAkihide Nakachiさんが二十歳の誕生日に、その生地で作ってくださったトートバッグをプレゼントしてくださったんです。世界に1つだけなので、大切に使っています。あと、伊澤さんのお母さんが作ってくださった「ベイビー」仕様のキーホルダーと伊澤さんが作ってくださったステッカーも! これ、着ぐるみで着たパンダと虎のデザインになっているんです。

 

伊澤 インスタントカメラやデジカメを持っていきます。それで、今回は『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』の撮影の合間に撮った写真たちを持ってきました。阪元監督と3人で組体操したり、特別出演してくださった新しい学校のリーダーズさんを撮ったり、アルバム込みで宝物ですね。

 

 

(C)2023「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」製作委員会

ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー

3月24日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開

 

(STAFF&CAST)
監督・脚本:阪元裕吾
アクション監督:園村健介
出演:髙石あかり、伊澤彩織
水石亜飛夢、中井友望、飛永 翼(ラバーガール)
橋野純平、安倍 乙 / 新しい学校のリーダーズ / 渡辺 哲
丞威、濱田龍臣

(STORY)
ちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、また途方に暮れていた……。
ジムの会費、保険のプラン変更、教習所代など、この世は金、金、金。金がなくなる……。
時を同じくして殺し屋協会アルバイトのゆうり(丞威)とまこと(濱田龍臣)兄弟も、途方に暮れていた。
上からの指令ミスでバイト代はもらえず、どんなに働いたって正社員じゃないから生活は満足いかない。この世は金、金、金。金が欲しい。
そんなとき「ちさととまひろのポストを奪えば正規のクルーに昇格できる」という噂を聞きつけ、作戦実行を決意。
ちさと・まひろは銀行強盗に巻き込まれたり、着ぐるみバイトをしたりとさぁ大変。そんな2人にゆうり・まこと兄弟が迫りくる…!
育ってきた環境や男女の違いはあれど、「もし出会い方が違えば仲良くなれたかなぁ」なんて思ったり思わなかったり、ちょっと寂しくなったりならなかったりする物語である。

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【映画「ベイビーわるきゅーれ 2 ベイビー」よりシーン写真】

(C)2023「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」製作委員会

 

撮影/映美 取材・文/くれい響 ヘアメイク/西田美香(atelier ism(R)) スタイリスト/入山浩章