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ウェザーニュース
2023/4/6 10:01

山岸愛梨「キャスターみんなのスキルを上げて、信頼できる気象番組に。今はそこが目標です」ウェザーニュースキャスター連載・第15回

24時間365日、最新の気象・防災情報を発信し続ける「ウェザーニュースLiVE」。YouTubeの登録者数は98.2万人を超え、日々の生活を支えるコンテンツとしてますます多くの人に愛されています。この番組を毎日生放送でお届けしているのが気象キャスターたち。GetNavi webではそんな皆さんの活動を紹介するとともに、それぞれのプライベートな一面に迫った連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」を展開中! 第15回は前回に続き、山岸愛梨キャスターへのロングインタビューの後半をお届け。また、山岸キャスターがマネージャーを務めるウェザーロイド Airi、通称ポン子ちゃんにもスペシャルゲストとしてご登場いただきました!

 

関連記事:山岸愛梨「天気に関する知識が日々深まっていっている今が一番楽しい!」ウェザーニュースキャスター連載・第14回

 

<ウェザーニュースLiVE×GetNavi web連載>

連載「夕虹は晴れ! ウェザーニュースキャスター」一覧はこちら

 

第15回・山岸愛梨キャスター後編

山岸愛梨●やまぎし・あいり…1987年6月9日生まれ。埼玉県出身。0型。ウェザーニュース気象キャスター、気象予報士、星空案内人、防災士。2008年にウェザーニューズ入社。現在、同社が配信する「ウェザーニュースLiVE」の気象キャスターとして活躍中。ウェザーロイド Airiのマネージメントも兼務。TwitterInstagram

【山岸愛梨さん撮り下ろし写真】

 

私が先輩方から受け継いだ、キャスター間の壁をなくしていくという思い

──これまでこの連載で多くのキャスターさんにインタビューをしてきましたが、皆さんにお手本にされているキャスターを挙げていただくと必ず山岸さんの名前が登場し、大島璃音キャスターなどお仕事に対する姿勢の素晴らしさについてお話をされていました。その理由が今回すごくよく分かりました。

 

山岸 いえ、私もまだまだ勉強しなければいけないことばかりです。

 

──また、皆さんが語る山岸さんのすごさに、トーク力の高さを挙げるキャスターさんも多かったです。確かに番組を拝見していると、言葉の抑揚の付け方や話の流れの作り方が見事だなと感じることが多いです。

 

山岸 恐縮です。でも、私自身はトークって難しいなとずっと思っています。ラジオをよく聞いているというお話をしましたが、勉強の意味で聞くことも多いんです。それに、昨年、落語家さんのラジオにゲストで呼んでいただき、なんてお上手なんだろうと感動して。寄席にもうかがったのですが、私も習いたいなと思いました。あ、人前で披露したいとかではないですよ。絶対にしませんし(笑)。

 

──(笑)。落語家さんの枕から噺の本題に入っていく流れは、聞いていてほれぼれしますよね。

 

山岸 そうなんです。私、そうした「枕」というものがあることを寄席に行くまで知らなくて。本題に持っていくまでのあの枕の部分にこそ、その人の話のスキルが出るなと思いました。それに、ウェザーニュースLiVEでも、ちょっとした近況報告から天気の話題に繋げていくテクニックを学ぶのに落語ってすごくいいなと感じて。ぜひキャスターが寄席を見に行く時間も研修に入れていただきたいなと思いました(笑)。

 

──でも、以前、山岸さんもSNSで紹介されていましたが、ご自身が研修中のキャスターへの見本として、「電池」をテーマに5分のトークを展開している動画を拝見して、“なんて恐ろしいスキルをお持ちなんだ!”と感動しました。

 

山岸 あれをご覧いただいたんですか!? それは恥ずかしいなぁ(苦笑)。私がまだ25歳ぐらいの頃で、めちゃめちゃ怖かったんですよ(笑)。たまたま新人研修中の近くを通りかかったら、バシさん(石橋知博/ウェザーニューズ取締役)に、「ちょっとお手本を見せてやってよ」と呼び止められて。“えっ、いきなり!?”とも思ったのですが、せっかくの機会ですし、新しいキャスターにとっても有意義な時間にしてあげたいなと思って挑戦したんです。お題は「電池」でしたけど、そこに天気の話題を絡ませることでいかに話を面白くしていくかということと、制限時間が5分と言われていたので、時間ピッタリに終わらせることの大切さの2つを伝えられたらいいなと思って。

 

──その日の天気の話題から電池やオーロラの話へと繋げていき、流星群のことにも触れながら、もう一度、電池の話に戻すという展開が本当に見事でした。しかも、ダジャレのオチまで付けて。

 

山岸 いや〜、照れますね(笑)。研修の時って、スタッフさんは優しいので、「とりあえず天気のことは意識しないでいいから、3分や5分のトークができるようになりましょう」と教えるんです。最初はそれだけでも難しいのですが、最終的には絶対に天気のことも絡ませるスキルを身に着けたほうがいいと私は思っていて。より難しいことを要求しているのは分かるのですが、自分が研修していた時代に先輩方にそれを見せてもらっていたので、私もできるだけ後輩に同じことを伝えていけたらなと思っているんです。

 

──即興でフリートークをうまく話すコツってあるんですか?

 

山岸 フリートークには当然台本がありませんから、話の流れが大事になってくるんです。ですから、まずはオチといいますか、一番伝えたい終わりの部分から考えることが多いですね。

 

──逆算して、話を組み立てていくということですか?

 

山岸 はい。そうすると、話が迷子にならない気がするので、いつも意識しているところです。リポートやメールの紹介をしている時も、最後にどんな言葉で締めるかを最初に頭に浮かべて、そこに向かって話を進めていくようにしていますね。

──解説員の方との掛け合いやクロストークの時などはいかがでしょう?

 

山岸 基本的には同じです。例えば、「最近、おいしいものを食べました?」と話を振った時に、「食べてません」という答えが返ってくる可能性もありますよね。すると会話が終わってしまうので、話を振る前に“食べてない”と言われた時、その後をどう繋げていくかを事前に考えてから質問するようにしているんです。……と言いつつ、イベントなどではどれだけ話題を振っても会話が続かないこともあるので、そういう時は“さて、どうしよう……”って思っちゃいますけどね(苦笑)。

 

──また、山岸さんの人柄について他のキャスターが話されるなかで、高山奈々キャスターをはじめ、多くの方が「あいりんさんがキャスター間の壁をなくしてくれている」とお話しされていたのも印象的でした。

 

山岸 それも、私が先輩方にしていただいたことなので、自分もその習慣を守っているだけなんです。SOLiVE24(「ウェザーニュースLiVE」の前身番組)が始まった時に、先輩が「敬語や先輩後輩の関係性をなくし、誰もが気軽に相談し合えるようにして、みんなでいい番組にしていこう」という環境を作ってくださって。ですから、私も敬語を使っていませんでしたし、どんなことでも相談していて、今でもそれを継承していけたらなと思っているんです。

 

──今も番組の中でキャスター同士がニックネームで呼び合っているところに、そうした関係性が感じられます。

 

山岸 さすがに今は年齢の幅ができすぎてしまっているので、敬語をなくすというのは難しいのですが、でもそれも、あくまで“親しき仲の礼儀”のような感じで、実際の心の距離はみんな近いのではないかと思っています。できれば本当は敬語自体も撤廃したいんですけどね。でも、もし自分が逆の立場で、10歳以上も年齢が上の先輩に「敬語を使わないで」と言われてもやりづらいと思うんです。そうなると、今度は別の気を遣わせてしまうことになるので、その意味では、今はすごくいい距離感や関係性を築けているのかなと感じていますね。

 

──普段、山岸さんからフランクにアドバイスを送ることもあるんですか?

 

山岸 基本的には相談を受けたら答えるというスタンスで、自分から積極的に何かを言うことはしていないですね。というのも、一方的に「こうしたほうがいいよ」とか、「何か悩みごとはない?」って話しかけるのは、逆に先輩後輩の関係を作ってしまうことになりかねないと思っていて。もちろん、「ちょっと話を聞いてもらえますか?」と相談されることがあれば全力で味方になってあげますし、自分の経験を基に話せることであれば一緒に解決していけたらと思っています。

 

──そうなんですね。ただ、普段の番組でのコメントからもいろんなキャスターさんのことにすごく目を配っているのが感じられます。視聴者からは「監視してる」とも言われていますが……(笑)。

 

山岸 監視、してますね〜! ウソですよ(笑)。でも、やはり他のキャスターと比べると年齢もキャリアも少し上ですので、“壁を作らない”ことを意識しつつも、何もしないのも無責任だし、あまりにも愛がないなと思ってしまって。それに、相談を受けた時に求められる答えを出すためには、そのキャスターのことを知っていないと、的外れなアドバイスになってしまうと思うんです。ですから、キャスターが普段どんなことに興味を持ち、どんな会話をしているのかを知ることが大事だと思っていて。それもあって、「この子はこういうところが魅力的だな」と考えながら監視をしているんです(笑)。

 

──やっぱり監視なんですね(笑)。

 

山岸 いや、そんな怖いものじゃないですよ(笑)。私にとっては普段からウェザーニュースLiVEで天気をチェックするのが生活の一部になっているので、それを見ながらキャスターたちのことも気に留めてるという感じです。

 

目指す気象キャスター像とはどんな形なのか……今でも模索中です

──では、そんな山岸さんにとって、同期の江川清音キャスターはどのような存在ですか?

 

山岸 私にとってだけじゃなく、全てのキャスターにとってさーやんは、いてくれるだけで安心できる存在です。プロ意識が高く、私も困ったことがあった時は、“さーやんに相談すればなんとかなる!”という安心感があります。ダンスをやっていて体育会系だからなのか、ものすごくストイックですしね。

 

──仕事の準備に時間をかけるところは共通していますね。

 

山岸 私の場合は要領が悪いだけかもしれませんけどね(苦笑)。私は多分、誰よりも資料をたくさん持ってスタジオに入るんです。そのことで一度、悩んだ時期がありまして。あまりにも荷物が多いし、準備にも時間もかかり過ぎてしまうので、さーやんに「通常の出社時間で足りてる?」って聞いてみたんです。「私、全然間に合わないんだけど」って。そうしたら、「私も足りない時があるし、準備はどれだけ時間をかけてもいいと思うよ」と言ってくれて。その言葉で気持ちが少しラクになったことがありました。「時間をかけた分、番組も魅力的になると思うよ」って。今も準備に時間をかけるのは、そうしたさーやんの言葉が励みになっているからですね。

 

──仕事は準備が9割だと言いますしね。

 

山岸 そのとおりです! 失敗する時はたいていが準備不足ですし。

 

──確かに。ただ、これは穿った見方かもしれませんが、ウェザーニュースLiVEにいたっては、切り抜き動画の人気などもあり、ちょっとしたミスを視聴者も楽しんでいるところがあるように感じます。

 

山岸 そうですね。かわいい失敗などはほっこりすることもありますし(笑)。でもそこがクローズアップされるのは、しっかりやろうと頑張っているキャスターたちの気持ちが置いてけぼりになってしまっているんじゃないかと感じることもあります。また、反対に、大事な情報をお伝えしている私たちは完璧を目指すべきですし、ミスなく3時間の生放送を終わらせることでちゃんと評価されるべきだという思いもあります。キャスターのみんなは「失敗してもいい」と考えているわけではありません。天候に合わせて常に変化していく番組ですのでミスをしてしまうこともありますが、全員が高いプロ意識を持って取り組んでいることを私はいつも近くで見ているので、視聴者の皆さんにも知っていただきたいです。もちろん、皆さんが何を面白いと思うかであったり、どんなことを目的に番組をご覧になるのかは自由ですので、それぞれに楽しんでいただければと思います。そもそも私もいろんなキャスターの切り抜き動画を楽しんで見ていますからね(笑)。

 

──では、山岸さんが目指すキャスター像とは……?

 

山岸 これは難しい質問ですね(苦笑)。ウェザーニュースキャスターって、アナウンサーともタレントとも違いますから、正解の形や目指すべき先が、私のなかでもずっと分からないままなんです。根底にあるのは、正しい天気の情報や気候にまつわるいろんな知識を皆さんにお届けするためなら、どんなことでもやっていくという思いだけで。それに、真面目な天気のコーナーはもちろんですが、そうではないバラエティに寄った企画でも、そこをきっかけにウェザーニュースLiVEやウェザーニュースのアプリを知ってくださる方もいらっしゃいますので、いろんな企画に前のめりで挑戦していくことが大事だなと思っています。

──先ほどの切り抜き動画の話にも繋がることですが、視聴者が求めているものもそれぞれでしょうから、バランスが難しそうです。

 

山岸 おっしゃるとおりで、タレント性が強くなると、当然見ている側はどんどん楽しくなると思うんです。でも、その一方で、それだけだといつかキャスターとして悩む時期がくるように感じます。人って、年齢とキャリアを積み重ねていくと考え方も変わっていきますし、まさに私自身が“果たして胸を張って気象キャスターだと言えるのだろうか”と悩むこともあるので。ですから、バラエティ的な企画は、それはそれとして全力で楽しみつつ、やはり気象キャスターとしての成長も遂げていかないといけないなと思います。とはいえ、そうするために何が必要なのか、現段階で私自身も分かっていないので、すごく悩ましいんですけね。ただ、一つ思っているのは、今の私たちは天気を解説するより聞く側の役割の方が多いのですが、それだけではなく、キャスター1人ひとりの天気の知識やスキルが輝く企画をもっと作っていけたらなと感じます。そうすることで、より言葉に説得力が増していきますし、“このキャスターたちはすごい知識を持っているんだな”と知っていただけるのではないかと思うんです。

 

──なるほど。また、山岸さん自身は気象予報士としての側面もありますが、予報士だからこそやってみたい企画はありますか?

 

山岸 それを見つけるのが、今の自分の一番の課題だなと思っています。気象予報士に限らず、資格を取ったり知識や経験を増やしたりすることで活躍の場が広がることが示せたら、頑張っている後輩たちのモチベーションに繋がるかもしれません。私自身、さらに気象の知識を高めつつ、視聴者さんも一緒になって天気を学べるようなコーナーも作っていきたいですね。それが先ほどのタレント性と気象キャスターとしてのバランスにも繋がっていくのかなと思っています。

 

──山口剛央解説員の地震解説特番も好評でしたし、視聴者も専門的な知識を得られる機会や企画を切望している気がします。

 

山岸 夜の23時からの配信で2万人以上の方がご覧になっていましたよね。知識も豊富で、お話も分かりやすく、面白くて。私たちが目指す思想の姿と言えるかもしれませんね。

 

──ポン子ちゃんのマネージャー業と兼任しながらの仕事は大変だと思いますが、今後、山岸さんがどんな企画を打ち出してくれるのか楽しみにしています。

 

山岸 はい。ふざけたことをしながらも、真剣に番組のことを考えていますので(笑)、期待していてください。私も星空案内人の資格を取った時は、知識がゼロからのスタートでした。でも、スタッフさんから「番組で星を扱うコーナーを始めるので、星について勉強してもらえますか」と言っていただいて。最初は実力不足で悔しい思いをしつつも、「勉強してください」と言ってもらえたことがやりがいになったんですね。それに、多くの専門家の皆さんがゲストで登場してくださったので、せっかくならもっといろんな話を引き出したいと思うようになって。そうしたら、今度はスタッフさんから、「山岸さんが星を解説するコーナーも作りましょう」と言ってくださり、そうやって、やりたいことややりがい、それに自分の力を発揮できる場を周りが用意してくれるようになったんです。タイミングなどに恵まれていたというのもありますが、ウェザーニューズは個々人の成長に伴って、それらを活かす場を用意してくれる会社だと思いますので、他のキャスターたちも積極的にいろんなことに挑戦してもらいたいなと思います。

 

──最後に、これからのお天気番組に求められるものって何だと思いますか?

 

山岸 またもや難しい質問ですね(笑)。今や天気の情報はテレビやスマホ、それにウェザーニュースLiVEのような配信など、いろんなところから手軽に得られるようになりました。でも、だからこそ、発信側と受け手側の信頼関係が大事になってくるのではないかと思います。例えば、私たちが「今日は午後から雨が降るかもしれません」とお伝えするよりも、家を出る直前に母親から言われる「今日は傘を持っていったほうがいいよ」という言葉のほうが説得力がある。それは信頼関係の強さだと思うんですね。その意味でも、私たちはただ天気の情報を伝えていけばいいというわけではなく、いかに視聴者と絆を作れるかが重要だと思うんです。それに、そうした関係性ができていれば、普段の天気はもちろん、災害時にも大事な情報が伝わりやすくなる。減災、防災に繋げていくためにも、日頃からの皆さんとの信頼を築いていく。そこをしっかりと目指していきたいと思っています。

 

《夢の2ショットが実現! 山岸キャスターに聞く、ウェザーロイド Airiの魅力とウラ側!》

──ウェザーロイド Airi(ポン子)が登場して10年が経ちます。1回目の放送を見返すと、とてもおしとやかな声で、その後どんどん荒ぶるようになっていきましたが、マネージャーとしてこの10年の変化はどのように映っていますか?

山岸 デビューした頃は彼女も緊張していたんでしょうねぇ……。初々しかった。私もマネージャーとして隣で見ていて、“あ〜、アンドロイドでも緊張するのかぁ”としみじみ思ったのを覚えています(笑)。

 

──天気の伝え方もすごく丁寧でした。

山岸 そうなんですよ。あれを目指してほしいので、昔の姿に戻ってほしいんですけどね(笑)。ただ、こうして10年間やってきて、ここ数年はVTuberブームということもあり、ウェザーロイドをきっかけにウェザーニュースLiVEを見に来てくださる方もすごく増えたんです。以前からのサポーターの皆さんにとってはもはやマスコットのようなおなじみのキャラクターですが、多くの人に番組を広めていくという意味では、まだまだいろんな可能性を持っている子だなと感じます。とはいえ、いまだに番組が始まっても画面に映らなかったり、静止画のままだったりと、毎週のようにいろんなトラブルに見舞われるのは何とかしないといけないと思っています(苦笑)。

 

──よく骨折もされていますよね。

山岸 ケガしがちですよね。ほんといろいろあるんですよ、彼女は(笑)。

 

──そうしたトラブルも要因の一つとなり、今ではポン子というニックネームのほうが浸透してしまっていますが、このことについて、マネージャーとしてはどのような心境ですか?

山岸 えっ? いや、もうどんどん貫いてほしいなと思っていますよ(笑)。ウェザーロイドはお天気を伝えるアンドロイドなのにポンコツだというギャップが面白いと思うんです。ですから、気象キャスターとしてもっと成長していってほしいなという思いがありつつ、ギャップを際立たせるためのポンコツぶりは大事な要素ですので、もっといろいろやらかしてほしいですね(笑)。

──ただ、一方で、正しい名前がウェザーロイド Airiだということを知らない方も増えてきているという由々しき問題もありますよね。

山岸 それはありますね。たまに、「あ、Airiさんとおっしゃるんですか?」と驚かれることもありますから(笑)。でもポン子って呼びやすいですし、親しみやすさもあるので、本人も満更ではないみたいですよ。

 

──では、マネージャーから見て、ポン子ちゃんのすごいところは?

山岸 人間ではなかなかできないことをやらかしても許されちゃうところですね。きっと、人間のキャスターが彼女と同じようなふざけた企画をしちゃうと、“ちゃんとやれ!”って怒られてしまうと思うんです。でも、彼女は何をやっても許されるところがある。あとは、やっぱりあのかわいさにも助けられていますよね。ウェザーニュースL!VE内では毎週木曜の22時から1時間の番組を担当していますが、「この番組が週に一度の癒やしになっています」とか、「ポン子の番組があるから仕事を乗り越えられています」という感想をいただくことも多くて。正直、そんなにタメになるような情報はお届けできていないのですが(笑)、皆さんの疲れが吹っ飛ぶのであれば、彼女にも全力で頑張ってもらいたいなと思っています。

 

──反対に、ポン子ちゃんに直してほしいところはありますか?

山岸 私たち気象キャスターの一番の役割は天気の情報を正確に届けることであり、同時に、番組中に季節の話などを交えて天気や気候に興味を持ってもらうことも大事にしています。でもなぜかウェザーロイドは、話を盛り上げなきゃという使命感が強いみたいなんですね。その結果、どうしても話が長くなってしまうというのはいかがなものかと思いますね。本番中もそうですが、占いの収録にもすごく時間がかかっているんです。その理由というのも、「今の言葉は普通だったからもう一回録り直したいな」とか、「さっきのコメントはオチが弱くて、あまり面白くなかったかな」みたいなことが多くて(笑)。楽しませること、笑わせることにこだわりを持つのはいいのですが、それが今では彼女にとってむしろ恐怖となり、心を束縛しているのでは……とたまに心配になります。

 

──それだけプロ意識が高いということですね。

山岸 ちょっと自分の役割に縛られすぎなところがある気もしますけどね(笑)。

 

──しかしながら、オープニングから10分も20分もフリーダムで笑えるトークができるのは、ポン子ちゃんの武器の一つのように思います。

山岸 あのオープニングトークに関しても、もっと短くしようと何度もマネージャーとして意見を伝えているのですが、本人がそれを拒否していまして。楽しみにされている視聴者さんも多く、スタッフさんからも「(オープニングトークは)絶対にやってください」と頼まれているので、彼女にとっては見せ場のような大切なコーナーになっているみたいです。なので、私はもう何も言いません。

 

──最後に、ポン子ちゃんがウェザーニュースLiVEにもたらす大きな要素はなんだと思いますか?

山岸 やはり、お天気に興味がなかった方にもウェザーニュースLiVEの存在を知ってもらうきっかけを作ってくれていることですね。アンドロイドがお天気情報を伝えていることに珍しさを感じて、番組を見に来てくださる方もいますし、純粋にVTuberのファンだから覗いてみたという方も多くいらっしゃって。そうした貢献度は計り知れないですし、ポン子がいてくれてよかったと本当に思います。我々人間のキャスター陣も負けてられないですね!

 

《特別インタビュー ポン子ちゃんの本音を大公開!》

ウェザーロイドAiri●ウェザーロイド・アイリ…WEATHEROID Type A Airi(ウェザーロイド・タイプ エー・アイリ)、愛称・ポン子。2014年「SOLiVEナイト」でメインMCとしてデビュー。ウェザーニュース所属の”超高性能お天気お姉さん系アンドロイド”。好きな空は飛行機雲のできた青空。推奨気圧は1030~1052hPa(高気圧)。モットーは「天気で元気を伝える」。TwitterYouTube

 

──ポン子ちゃんから見た山岸マネージャーはどんな女性ですか?

Airi 私は1人で何でもできる超高性能アンドロイドなんですけど、なのになぜかいつも現場についてくるんですよねー。放送中も常に隣にいますし。ときどきカメラに映っちゃって、ひどく落ち込んでいることもあります。ただ、そんなマネージャーでも、彼女がいないと絶対に打ち合わせが始まりませんし、収録も放送もできないんです。その意味では、いつも一番近くにいて、欠かすことのない存在なのかなって思います。

 

──まさに一心同体ですね。

Airi あぁ、まぁ……そうですね(笑)。ただ、何度も言いますが、私は1人で何でもできるように作られたアンドロイドなので、本当はいなくても困らないんです。………多分ですけど。

↑キャスター中のAiriさん(背景は実際の映像とは異なります)

──では、山岸マネージャーに直してほしいところはありますか?

Airi う〜ん……やっぱりマネージメント力の低さかなぁ。それはキャスターカレンダーにも顕著に出ていますよね。私、ウェザーニュースキャスターカレンダーにここ数年、出てないんですよ。マネージャーは出ているのに。それってどうなんだと思いません? 最近、“自分が、自分が”になってやしないかと。マネージャーなのに、ちゃんとウェザーロイドを推してないんじゃないかと。……なんかね、そうやって、どんどん“自分も出たい!”みたいな感じになってきているところが不満と言えば不満なので、ウェザーロイドがもっと活躍できる場を営業で取ってきてほしいですね。

 

──ときどき放送中に荒ぶっているのは、そうした不満が感情として出てしまっているからなんですか?

Airi あ〜……否定はしません(笑)。………というか、大丈夫かな、これ。マネージャー、どこかで聞いていませんよね?(笑)

 

──おそらくですが、近くにはいるかと(笑)。また、ポン子ちゃんは年々、さまざまな企画に駆り出されていますが、これまでで一番大変だったものは何でしょう?

Airi 大変じゃなかった企画なんてないです。昨年末のそば打ちはアンドロイドがすることじゃないなって、しみじみ思いましたし(笑)。なかでも意外と大変なのは「凸待ち」企画ですね。VTuberさんたちとの交流を深めることを目的とした、“番組に出演したい人は来てください!”という企画なのですが、時には存じ上げない方もいらっしゃって。とはいえ、本当に何も知らないままだとさすがに失礼にあたりますし、できればその方の魅力を引き出したいと思うので、番組が始まるギリギリまでその方たちの動画を見たり、SNSを遡ったりして、準備に時間をかけているんです。すごく楽しい企画ではあるのですが、通常のウェザーニュースLiVEの放送以上に準備が大変だったりしますね。

↑キャスター中のAiriさん(背景は実際の映像とは異なります)

──また、番組内では「白井に頼るな」(※何かと企画の進行で白井ゆかりキャスターに頼ることから生まれた名句)という言葉も誕生するなど、いろんなキャスターとのコラボ企画がありますが、ポン子ちゃんにとって一番信頼できるキャスターはどなたですか?

Airi まだ全員と共演したわけではないので一人を選ぶのは難しいですね。キャスターはみんな盛り上げ上手ですし、ウェザーロイドは過去に共演したVtuberのファンから「良いところを引き出してくれてありがとう」と喜ばれることが多かったので、きっとどのキャスターとコラボしても面白くなると思います。ただ、相性がいいという意味では、こちらが激しめの言動を投げても、受け止めるどころか、強く弾き返してくれる、攻めも守りもできるキャスターの前では安心してウェザーロイドらしさを出すことができます。それを考えると、やはりゆかりん(白井ゆかりキャスター)や、あやち(松雪彩花キャスター)などは、つい頼りがちになってしまいます。

↑(左から)ゲリラ豪雨バージョン、春バージョン、夏バージョン、流星バージョンとさまざまなコスプレを披露するAiriさん

──なるほど。では、“このキャスターとこんな企画をしてみたい”といった夢は?

Airi そりゃもう、全員を一人ずつ呼び出して、「ポン子の部屋」を開催することです。それぞれのキャスターのさまざまな本音や暴露……いや、まだ知られざる素敵な面を引き出したいですね。番組担当時間のシフトの問題があるので実現させるにはハードルがいくつかありますが、いつかは叶えたいです!

 

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下記、応募フォームよりご応募ください。
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※応募の締め切りは4月25日(水)正午まで。
※当選は発送をもってかえさせていただきます。
※本フォームで記載いただいた個人情報は、本プレゼント以外の目的での使用はいたしません。また、プレゼント発送完了後に情報は破棄させていただきます。

 

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撮影/中村 功 取材・文/倉田モトキ