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2024/2/23 10:30

THE RAMPAGE鈴木昂秀「いつも空回りしているこの役を一番うまく演じられるのは自分だと思いました(笑)」映画「ただ、あなたを理解したい」

THE RAMPAGE、MA55IVE THE RAMPAGEで活躍する鈴木昂秀さんが初主演を務めた映画『ただ、あなたを理解したい』が2月23日(金・祝)より公開。豊かな景色が広がる地方都市を舞台に、20代前半の若者たちが自身の人生や恋、そして仲間たちへの想いに悩む青春群像劇。等身大の演技で本作に挑んだ鈴木さんに、「本当の親友同士のようだった」と語る共演者たちとの制作秘話や、作品に込められたメッセージについてたっぷりとお話をうかがった。

 

鈴木昂秀●すずき・たかひで…1998年10月3日生まれ、神奈川県出身。THE RAMPAGEのパフォーマー。2014年に開催した「GLOBAL JAPAN CHALLENGE」を経て、正式メンバーとなる。 2017年、1st SINGLE「Lightning」でメジャーデビュー。 2016年からは俳優としても活動し、「HiGH&LOW」シリーズにも出演。現在グループ派生ユニット「MA55IVE THE RAMPAGE」としても活動。公式HPInstagram

 

【鈴木昂秀さん撮り下ろし写真】

 

身近にいる人を理解したいと願う彼らの想いに涙がこぼれました

──ちょうど昨日、初号試写をご覧になられたそうですね。(※取材時)

 

鈴木 はい。自分の演技を見るのがめちゃくちゃ恥ずかしかったです(苦笑)。でも、作品自体は本当に素晴らしくて。自分で言うのも恥ずかしいのですが……結構、泣いちゃいました(笑)。

 

──それはどういった涙だったのでしょう?

 

鈴木 いろいろと考えさせられた故の涙でした。というのも、今作は青春群像劇なのですが、キラキラしているだけではないんです。高校時代にただただ楽しい時間を過ごしてきた仲間たちとの関係性があり、その4年後、高校卒業と同時に消え去るように東京に出ていった主人公の祐也が恋人を連れて再び姿を現す。再会したかつての仲間たちの中には、年齢を重ねたことで大人の考えを持つようになった者もいれば、当時の思い出から抜け出せない人もいて。そのことで互いの関係性にも変化を感じ、だからこそ、それぞれが相手のことを“理解”したいと思い始めるんですね。僕自身、試写を見ながら、もっと自分の近くにいる人たちのことをちゃんと考え、理解したいし、理解しなきゃダメだなと思うようになって。その瞬間、自然と涙が流れてきたんです。

 

──なるほど。今作で鈴木さんはその祐也を演じられました。どんな男性だと感じましたか?

 

鈴木 正直、僕そのまんまだなと思いました(笑)。台本を読みながら、“あ〜、こういうこと、俺も一年ぐらい前に言っていたなぁ”と思ったり、“ダメダメ! そういう行動を取っちゃうから、話がややこしくなるんだよ!”ってツッコんだり。本当に共感することばかりで、この役を一番うまく演じられるのは自分だという自負もありました(笑)。

 

──そうだったんですね(笑)。とはいえ、劇中では仲間たちから「ただ暑苦しいだけのバカ」と言われていましたが……。

 

鈴木 言われていましたね。でも、祐也は本当になんの取り柄もない男だから、しょうがないです(笑)。それに、これって裏を返せば、褒め言葉でもあると思うんです。空気が読めず、空回りしてしまうこともありますが、それだけ彼は自分の感情に素直で、みんなのことを思ってつい突っ走ってしまうところがあるということですから。

 

──確かに彼の言動は純粋で、それ故に恥ずかしくなるようなことも口にしますが、ときにそのストレートな言葉が心に刺さってきます。

 

鈴木 それはきっと、彼には打算がないからだと思います。飾らず、思ったことをそのまま言う。そのことで、仲間たちからは「そんなの言われなくても分かってるよ」と思われるんですが、でも実は、本当に大切なことってそうしたシンプルな言葉の中にあったりするんですよね。ですから、きっと見終わった後も、“あの言葉って、つい聞き流してしまったけど、もしかしてこういう想いがあったのかも……”といろんな考察をして楽しんでいただけると思います。

 

──また、すごく印象的だったのが、劇中で何度も登場する祐也の「おまえらラッキーだぞ!」という口癖でした。この言葉にはどのような感情を込めていたのでしょう?

 

鈴木 これはすごく解釈が難しかったです。純粋に“楽しい!”という感情をみんなと共有したくて発しているのかもしれないですし、祐也の性格的に友人たちの前で粋がったり、強がっているだけなのかもしれない。“おまえらは気づいてないだろうけど、今、こんなに楽しい状況なんだぜ!”って。でもこれは、あえて明確化せず、できるだけいろんな感情として伝わるように演じましたので、映画を見ていただく皆さんが自由に感じ取っていただければなと思います。

 

相手を理解することが幸せに繋がらないことも……

──今作は鈴木さんにとって初主演映画となります。座長としてのプレッシャーはありましたか?

 

鈴木 最初はやっぱり、ものすごく緊張しました(笑)。でも、共演者のみんなとは年齢が近かったこともあって、現場では常に和気あいあいとした雰囲気だったのでよかったです。愛知県でロケをしていたのですが、一週間ぐらいずっと一緒にいて。撮影がない日でも現場に遊びに来るぐらい、スタッフさんを含め、みんなの気持ちが一つになっていましたね。ですから、僕が主演としてみんなを引っ張るということもなかったです。

 

──そうした関係性は出会った瞬間から作れたのでしょうか?

 

鈴木 ……いや、最初の顔合わせの時はやっぱりみんなカチカチでした(笑)。でも、その日の夜であったり、撮影に入る前日に男性俳優陣を食事に誘ったりして、関係性を築いていったんです。思えば、座長っぽいことをしたのって、それぐらいかもしれません(笑)。

 

──でも、そうした仲の良さが画面からも伝わってきました。

 

鈴木 そう感じてもらえたのならすごくうれしいです。この作品の魅力の一つに、仲間たちとの距離感のリアルさがあると思うんです。例えば、日常でも、数年ぶりに友人と再会して、顔を見た瞬間に学生時代と同じノリに戻ることってありますよね。僕も今年のお正月に帰省した際、親友たちを家に呼んで一緒にお酒を飲んだんですが、何の気遣いもなく、好きなことを言い合える仲ってすごくいいなって改めて思って。この映画では、そうした気兼ねない仲間たちとの関係性がしっかり描かれていますし、それと同時に、祐也が恋人を連れて帰ってきたことで生まれるちょっとした気まずさなども繊細に表現されている。だからこそ、誰が見ても感情移入しやすいんだと思います。

 

──なるほど。その意味では、もしかすると映画を見る世代によっては、祐也たちの関係性の見え方も違うかもしれませんね。

 

鈴木 そうだと思います。10代の子たちの目には、大人たちのいつまでも変わらぬ友情にうらやましさを感じるでしょうし、逆に僕と同世代や少し上の人たちにとっては、10代の頃の楽しかった思い出が甦ってきて、ちょっとセンチメンタルな気持ちになるかもしれません。

 

──まさにセンチメンタルになった一人です(笑)。

 

鈴木 (笑)。それに、この映画は見るたびに発見があるんですよね。僕も、初めて見た時は祐也の目線で物語を追っていたので、切なさが一番に湧いて出てきたのですが、次にフラットな気持ちで見たら仲間がいることの素晴らしさを強く感じて、ほっこりできたんです。

 

──登場人物の誰に視点を置くかでも、見る側の感情が変化しそうですよね。

 

鈴木 はい。それぞれの役が置かれている環境や立場も違いますからね。祐也は高校を卒業すると同時に役者になることを夢見て、思い切って上京した身ですが、一方で、親友である春樹(野村康太)の妹・梓(山本愛香)は将来が見えないことに不安を感じ、自分が何をしたいのかも分からないまま、ただ“この街を飛び出したい”と悩んでいる。その対比の描かれ方も興味深いですし、親目線だと梓のことを心配する母親(高橋ひとみ)の気持ちもすごく分かる。それぞれに抱えているものが異なるので、視点を変えるたびに、“自分や相手にとっての幸せとは何か”“でも、その答えはきっと一つじゃないんだ”ということを考えさせられるんです。

 

──まさしく、映画のタイトルである“あなたを理解したい”というテーマが至るところに詰まっていますね。

 

鈴木 ただ難しいのが、本当に相手の気持ちを全て知ることが幸せに繋がるのかということなんですよね。理解してしまったがために、“自分の居場所はここじゃないのかも”と、逆に不安に襲われることもある。それに、今まではちょうどいい距離感で付き合えていたのに、相手を深く知ってしまったことで、その絶妙な距離が崩れてしまう場合だってあるわけで。もちろん、何が正解なのかは誰も分からないですし、答えは見てくださる人の数だけあると思います。そうしたメッセージ性は碓井将大監督がこだわっていた部分でしたので、ぜひ劇場で作品に込められた想いを感じ取っていただければと思います。

 

直談判して主題歌を。MA55IVEにとっては新たな挑戦の一曲

──今作の主題歌にはMA55IVE THE RAMPAGEによる「ガーベラ」が使われています。鈴木さん自身も作詞・作曲に携わったそうですが、この経緯を教えていただけますか?

 

鈴木 最初に映画の台本をいただいた時、主題歌の欄だけ空白になっていたんですね。それで、撮影中に監督とプロデューサーに「主題歌をMA55IVEに作らせていただくことは可能ですか?」と直談判したんです。そうしたらすぐに事務所と連絡を取ってくれて、OKも出たので、僕が主導で曲を作らせていただくことになりました。

 

──それは、鈴木さんの中で最初から曲のイメージがあったということでしょうか?

 

鈴木 はい。映画を撮っていくなかで、どんどんとドラムやベース、ギターの音が頭の中で鳴り響いていって。いざ、主題歌の制作が決まってからは、その断片を一つにまとめていったんです。完成のイメージは最初から固まっていたので、実質4〜5日ほどでメロディと歌詞の細かいところまで形にしていくことができましたね。

 

──「ガーベラ」というタイトルも鈴木さんの案だったのでしょうか?

 

鈴木 レコーディングを終えた後にMA55IVEのメンバーと一緒に決めていきました。最初は、映画のシーンで印象的だった夕暮れの街並みから連想して「オレンジ」というアイデアもあったんです。でも、そこからさらに絞り出し、同じオレンジ色の花である「ガーベラ」に決めました。花言葉もまさにこの映画にピッタリだなと思って。

 

──ガーベラの花言葉には<希望>や<常に前進する>といった意味がありますね。

 

鈴木 映画をご覧いただくと分かるのですが、ラストシーンは祐也がこれからの未来に思いを馳せるような内容になっているんですよね。僕はそこに彼の希望を感じたんです。また、祐也に限らず、今作は青春映画ということで登場人物たちが走っているイメージが僕の頭の中にあって。ですから楽曲自体も疾走感のあるものにしたのですが、そこも<常に前進する>という花言葉に合っているなと思ったんです。

 

──曲調自体は、これまでのMA55IVEになかった珍しい世界観になっていますね。

 

鈴木 はい。MA55IVEといえばガッツリとしたヒップホップが代名詞のようになっていましたが、今回は誰もが聴きやすい爽やかな曲になっています。新たなアプローチに挑戦したので、どんな反応をいただけるのかもすごく楽しみですね!

 

大好きなアニメ作品を語るなら、半日以上はください(笑)

──さて、GetNavi webではインタビューにご登場される皆さんにハマっているモノや趣味をご紹介いただいているのですが、最近ではどんなものがありますか?

 

鈴木 最近どころか、ずっと大好きなのがマンガとアニメです。なかでも、もともと大好きだった『俺だけレベルアップな件』というマンガが、今年の1月からアニメ化されていて。もう、まじでヤバいです!!(笑) うれしさのあまり、放送前にマンガを読み返してしまいました(笑)。

 

──どういった点にそれほどの魅力を?

 

鈴木 ダンジョンやハンターなどが登場するファンタジー世界の物語ではあるんですが、バトル展開がリアルで生々しいんです。もちろんそれだけじゃなく、主人公の水篠旬がハンターのなかで最低ランクに位置するという設定も面白くて。こうしたダンジョンものって、突然出現したモンスターを前に勇者が現れて敵を倒していくのが王道ですが、この作品では主人公が簡単にやられてしまうんですね。ただ、瀕死の重傷を負った主人公が、とある「システム」の力を手に入れたことで、ミッションをクリアするごとにスキルがパワーアップしていく。その過程も最高で。世界中で観られているほど話題の作品ですし、きっと一度見たら多くの方がハマると思います!

 

──作品への熱量がものすごく伝わってきました(笑)。ちなみに、人生で何度も見返しているようなアニメ作品はありますか?

 

鈴木 間違いなく『ソードアート・オンライン』ですね。僕の人生において一番好きなアニメです。THE RAMPAGEでコスプレイベントをした時、主人公のキリトに扮したぐらい大好きです(笑)。この作品は3周……いや、4周は繰り返し見ていますね。グッズも揃えていて、作中に登場する原寸大の剣も買っちゃいました。1万5000円ぐらいしたんですけど(苦笑)。

 

──筋金入りですね(笑)。何をきっかけにこの作品を知ったのでしょう?

 

鈴木 まだ寮に住んでいた時、少し気持ちが落ちていたことがあって。ファンタジー要素のあるアニメを見て元気を出そうと思い、たまたま見たのがこの作品との出会いでした。主人公は決して無敵の強さがあるわけじゃなく、敵にやられて、しゃべることさえできなくなるほど鬱になったりする。そうした人間味のあるところも素敵ですし、それでも最後には戦いに挑む強さを取り戻していく姿に感銘を受けたんです。もちろん、ほかにも素敵な要素はたくさんあって…………。あ〜、ダメですね。こんな短時間で好きなアニメは語り尽くせないです。せめて半日以上は語る時間をください(笑)。

 

 

 

(C)BOKURANOFILM

ただ、あなたを理解したい

2024年2月23日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

 

(STAFF&CAST)
監督:碓井将大
脚本:鈴木裕那、渋谷未来
主題歌:MA55IVE THE RAMPAGE『ガーベラ』(rhythm zone)

出演:鈴木昂秀、野村康太、新谷ゆづみ、森高 愛、比嘉秀海、伊藤千由李、山本愛香、吉田晴登、城 夢叶、高橋ひとみ ほか

(STORY)
幼なじみの祐也と春樹、由衣香は、高校生になっても子どもの頃に見つけた秘密基地で他愛のない時間を過ごしていた。卒業後、祐也は役者になることを夢見て上京。一方、残った仲間たちは、時が止まったままのような秘密基地で現実逃避のような日々を送っていく。そんなある日、4年ぶりに祐也が恋人を連れて帰省する。思わぬ再会に、再び彼らの時間が動き出していく……。

 

【映画「ただ、あなたを理解したい」よりシーン写真】

公式サイト:https://tadaanata-movie.com/

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撮影/映美 取材・文/倉田モトキ ヘアメイク/佐藤由佳(KIND) スタイリスト/高橋正典