授賞式典前の豪華なレッドカーペットには、トニー・レオン&カリーナ・ラウ夫妻をはじめ、特別功労賞を受賞したチャン・イーモウ監督、華麗なる復活を遂げたファン・ビンビンなど、アジアを代表するスターたちが次々に登場。ドラマ「2gether」で一躍ブレイクし、今回AFA Rising Star Awardを受賞したウィン(メータウィン・オーパッイアムカジョーン)など、日本同様にタイ人俳優の人気も高まるなか、来年放送予定の新ドラマ「医女チャングム」が期待されるイ・ヨンエや、少女時代のメンバーで女優としても活躍するクォン・ユリといった韓国俳優の人気は、もはや鉄板。会場の外で待つファンたちが、彼女たちの声を揃えて名前を呼ぶ瞬間が何度もあった。
このほか『Last Shadow at First Light(英題)』(東京フィルメックスにて上映)で、新人俳優賞にノミネートされた白田迪巴耶さん、最多6部門ノミネートとなった濱口竜介監督作『悪は存在しない』の石橋英子さんら、監督賞・脚本賞・美術賞にノミネートされた『怪物』の是枝裕和監督、坂元裕二さんらも姿を見せた。
そんななか、海外の取材陣の中でいちばん注目を浴びていたのは、イ・ヨンエとともにアジア映画界・アジア文化における映画人の業績と貢献を称えるExcellence in Asian Cinema Awardを受賞した鈴木亮平さん。タイのマスコミから、来月Netflixにて公開される新作『シティーハンター』について、かなり細かく取材されるなか、流暢な英語で答える光景はとても頼もしくみえた。
その後、「Together We Tell Story」をテーマに、アジア24の国と地域から計35作品がノミネートされた今年の授賞式が開催。YOASOBIの「アイドル」のアレンジ版も披露された二胡演奏から始まり、最優秀作品賞を受賞した『悪は存在しない』のほか、『怪物』や『PERFECT DAYS』、『ゴジラ-1.0』といった作品が大健闘。翌日に開催された本場ハリウッドのアカデミー賞に負けず劣らずの好成績を残したと言っても過言ではないだろう。
≪レッドカーペットを彩ったスターたち≫
≪第17回アジア・フィルム・アワード 受賞結果一覧≫
最優秀作品賞:『悪は存在しない』(濱口竜介監督)(日本) 最優秀監督賞:是枝裕和 『怪物』(日本) 最優秀新人監督賞:ニック・チェク 『年少日記』(香港) 最優秀主演男優賞:役所広司 『PERFECT DAYS』 (日本) 最優秀主演女優賞:ジャン・チンチン 『西湖畔に生きる』(中国) 最優秀助演男優賞:パク・フン 『12.12: The Day(英題)』(韓国) 最優秀助演女優賞:レイチェル・リョン 『白日の下』(香港) 最優秀新人俳優賞:Tergel Bold-Erdene 『City of Wind』(フランス、モンゴル、ポルトガル、オランダ、カタール、ドイツ) 最優秀脚本賞:ペマ・ツェテン 『雪豹』(中国) 最優秀編集賞:キム・サンボム 『12.12: The Day(英題)』(韓国) 最優秀撮影賞:マティアス・デルボー 『雪豹』(中国) 最優秀音楽賞:石橋英子 『悪は存在しない』(日本) 最優秀衣装デザイン賞:マン・リムチョン 『The Goldfinger』(香港、中国) 最優秀美術賞:Eric LAM 『The Goldfinger』(香港、中国) 最優秀視覚効果賞:山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司 『ゴジラ-1.0』(日本) 最優秀音響賞:井上奈津子 『ゴジラ-1.0』(日本) Excellence in Asian Cinema Award:鈴木亮平、イ・ヨンエ 特別功労賞(Lifetime Achievement Award):チャン・イーモウ監督 AFA Next Generation Award:チャオ・リーイン AFA Rising Star Award:メータウィン・オーパッイアムカジョーン 2023 Highest-Grossing Asian Film Award:『満江紅(マンジャンホン)』(監督:チャン・イーモウ、中国)