任天堂「Wii」がトランプのサイズに縮小! どうやって改造したの?

ink_pen 2024/4/23
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任天堂「Wii」がトランプのサイズに縮小! どうやって改造したの?
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

初代ファミコンをゲームボーイサイズの携帯ゲーム機にしたり、アップルのMac miniをさらにミニにしたり、改造マニアが小型化にかける情熱は並々ならぬものがあります。

↑左上にあるのが「Short Stack」(画像提供/James Smith)

 

その最新版として、任天堂の据え置きゲーム機Wiiをトランプの箱サイズに詰め込んだ改造ハード「Short Stack」が公開されています。

 

本プロジェクトの仕掛け人であるJames Smith(別名Loopj)は、「オリジナルのWiiの中にShort Stackは13.5個入ります」と述べています。詳しい設計や、自作の基板、その他この改造を再現するため必要な情報は全てGitHubで公開中。

↑「Short Stack」はトランプぐらいのサイズ(画像提供/James Smith)

 

このShort Stackは、オリジナルWiiのPCB(プリント基板)を切り詰め、CPUやグラフィックチップ、メモリや内蔵ストレージに至るまで、元の部品をそのまま使っています。

 

電源やUSB、Wi-FiやBluetoothチップ、ゲームキューブコントローラーポートは、全て別の自作PCBに移されたうえ、新たにHDMI出力とmicroSDカードスロットを追加。元のWiiはフルサイズのSDカードを使い、HDMI出力に対応していなかったため、現代風に合わせたわけです。

 

もっとも小型化により、犠牲になったものもあります。光学ディスクドライブはなくなり、代わりにmicroSDカードからゲームを読み込む方式に変更。また、四つのゲームキューブコントローラーポートはヘッドホン端子に改造され、「GC Nano」というアダプタを介してコントローラーと接続する方式となっています。

 

さらに、電源ボタンやDVDスロット(見かけだけで機能しない)周りを青く光らせるため、前面と背面向けに自作PCBを設計。本体を冷やすための自作ヒートシンクや小さなファンも内蔵しています。

 

任天堂は2012年、Wiiの末期に海外で「Wii mini」を発売しました。

 

それはオンライン接続ができない、ゲームキューブコントローラーのポートやゲームの互換性がない、SDカードスロットがないなど、さまざまな機能を削ったもの。今回のShort Stackは、光学ドライブを削除したほかは、初代Wiiの機能を全部引き継いでいます。

 

Smith氏は機能を削ることなく、さらに20〜30%も小型化できると予想。しかし、Short Stackプロジェクトの目的の一つは、初代Wiiの小型モデルを作ることであり、これ以上小さくすると「組み立てが厄介」になるとのこと。

 

任天堂の有料オンラインサービスNintendo Switch Onlineにおいて、遊べるレトロゲーム機はNINTENDO64止まりとなっています。ファミコンミニ(ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ)のようなWiiミニを、いつの日か出してくれることを祈りたいところです。

 

Source: Github
via: Ars Technica

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