2017年の時計選びのカギとしてWATCHNAVIが提案したいのは、文字盤・素材・価格の3つのポイント。その中でも、独自性が認知されじわじわとファンを増やしているブレイク必至のブランドがあります。トレンドキーワードにも対応した、期待のニューモデルから流行の理由を検証していきましょう。
現代アートな腕時計・RJが人気上昇中
WNが行った「腕時計最強ランキング」の“これから注目したいブランド”調査において、メジャーブランドの間に分け入ったのが、ロマン・ジェローム(4位)とユリス・ナルダン(5位)でした。前者は“現代アート”を纏う価値観が認知されて以降、昨年から人気も急上昇。後者は独立系からグループ企業への移行に際してコレクションを大胆に再編し、それが成功してさらに注目度がアップしています。極めて強い独自性を発揮している両ブランドは、「文字盤」「素材」のワードにもぴったり符合するニューモデルを発表しています。
もうひとつのキーワード「価格」には、SIHHでも衝撃価格で新作を発表したボーム&メルシエをおすすめ。コストパフォーマンスの勝負で同社を超えるブランドは、なかなか見当たるものではないでしょう。
【ロマン・ジェローム】
高級機械式時計の製造技術を駆使した、現代アートのような腕時計
アポロ11号やタイタニック号のパーツなど、独創的な素材とコンセプト、ストーリー、エッジの効いたファッション性が相まって、現代アートのような存在感を示す高級時計ブランド、それがロマン・ジェローム。近代文明の出発点となった蒸気機関(スチームパンク)の世界観を表現したこちらの新作も、錨やスクリュー、気機関のプレッシャーゲージ等をイメージしたダイアルのディテールが、凄まじいインパクトを放っています。ⅥとⅫのインデックスにはカモフラ柄はハンドポイントで描かれたもの。
【ユリス・ナルダン】
自社ムーブにシリシウム、外装にラバーを採用する素材使いの匠ブランド
1846年に創業し、マリンクロノメーターで世界にその名を轟かせた名門。世界的なブランドが名を連ねるケリング グループに入って3年、コレクションの充実とクオリティアップが凄まじい勢いで進行中で進行中です。エナメル文字盤などの伝統的な技法に秀でるほか、シリシウム脱進機の先駆者としても知られ、外装への実践的なラバー使用にも定評があります。
新作のマリーン レガッタは、最長10分前からカウントダウンできる逆進式のクロノグラフカウンターを搭載。始動させると、分と秒のクロノグラフ針が反時計回りに運針します。重厚なステンレススチールケースは、ラバー製インサート付きのタフなベゼルとねじ込み式リューズ、成型ラバーを備えた2 つのプッシュボタンで構成されています。
【ボーム&メルシエ】
名門ながら経営努力で適正価格を実現。新作もスマッシュヒットの予感
創業時から一度も中断することなく、時代の先端を行く傑作を作り続けて187年。その伝統とモダンな感性を融合した洗練のデザイン性と良心価格は、時計ファンに広く知られています。機械式黄金期の1950年代スタイルに着想を得たクリフトンから派生した新作クリフトン クラブは、20万円台前半から手に入るリアルプライス。“ジェントルマンのためのスポーツウオッチ”をテーマに、スタイリッシュなデザイン性と価格面の魅力が追求されています。
素材や仕上げなど、あらゆる面で時計の“新時代“へと突入した2017年。選択肢が広がり自分好みのドンピシャな1本に出会える今が、「時計の買い」ではないでしょうか。