アメリカ西海岸でのスケートボード人気とともに、ヴァンズのスニーカーが本格的に日本に紹介されたのは70年代末。雑誌『ポパイ』の特集が端緒だったと言われています。以降スケーターカルチャーは日本のストリートにも確実に大きな影響を与え続けてきました。90年代に入ると「スケーターシューズ」はスニーカーの1ジャンルとして定着。当時日本で巻き起こった嵐のようなハイテクスニーカーブームの中にあっても、ナイキ、アディダス、プーマといった王道スポーツブランドとはひと味異なる、独自のポジションと根強い支持を得てきました。
スケーターシューズの魅力は、必ずしも機能一辺倒のデザインではないところ。スケーターカルチャーには、もともとファッション、スポーツ、音楽、アートなど、ストリートのあらゆる要素が織り込まれており、シューズのデザインにも古くからそうしたエッセンスが取り入れられてきました。一方で、その奥深すぎるバックグラウンドから“スケーターシューズ”に若干のとっつきにくさを感じていた人も少なくないのでは……。
今回は、スケーターでなくても思わず“スケーターシューズデビュー”してみたくなるファッションブランドとのコラボモデルをご紹介。コラボする相手の幅が広いのも、スケーターシューズのフトコロの広さなんです!
【01】
80年代の名作を独自視点でアップデート
AIR WALK(エアウォーク)×ファセッタズム
実売価格2万5300円
エアウォークは、スケーターとして活躍していたリー・スミスが1986年にカリフォルニアで創設したシューズブランド。1988年にはスノーボード界にも進出し、90年代には日本でも一気にメジャー化、ボーディングカルチャーを象徴するブランドの一つとなりました。2019年秋冬にはファセッタズムが、80年代の名作「エニグマ」「ディザスター」を独自の視点でアップデート。オリジナルモデルの機能性、実用性を残しつつ、モダンな雰囲気をプラスした両社のコラボは高い評価を得ています。
【02】
90年代感あふれる珠玉のコラボ
DC SHOES×メゾン ミハラヤスヒロ
実売価格2万900円
90年代後半のスケーターシューズブームにおいて中心的役割を果たしたブランドの一つが、DC SHOESです。ちなみに「DC」の由来はプロスケーター、ダニー・ウェイ、コリン・マッケイの二人の頭文字……というのはガセネタ。DCの創業者はダニー・ウェイの兄、デイモン・ウェイと、現在はラリードライバーとしても活躍するケン・ブロックの二人です。本当の由来は、彼らが最初に立ち上げたDroors ClothingというTシャツブランドの頭文字でした。2018年からはメゾン ミハラヤスヒロとのコラボも展開。定番モデル「コートグラフィック」のアッパーをキルティング風にアレンジし、ロゴやシュータンをボリュームアップ。90年代感あふれるテイストが注目を集めました。
【03】
時代と国境を越え、その魅力は加速する
VANS(ヴァンズ)×ヴィヴィアン・ウエストウッド
実売価格1万8700円
スケーターシューズとしては老舗のヴァンズが2018年に繰り出したのは、ヴィヴィアン・ウエストウッドとのコラボ。アメリカ西海岸とロンドンという2つのストリートのカルチャーの融合は大いに話題となり、この秋冬もコラボ継続に。最新カプセルコレクションでは「SK8-HI」や「SPLIP-ON」といったヴァンズの代表モデルに、ヴィヴィアン・ウエストウッドの90年代のコレクションで用いられたグラフィックをサンプリングし、時代や国境を超えた新しい魅力を生み出しています。
【04】
再びシーンの主役に踊りだした「ダンクSB」がベース
NIKE(ナイキ) ダンクSB×40% AGAINST RIGHTS
実売価格3万4100円
それまでも何度かアクションスポーツ用シューズを手掛けてきたナイキのアプローチが大きく変わったのは2002年。80年代ノンエアバッシュの名作、「ダンク」をスケートボード用にリメイクした「ダンクSB」は、数々のコアなスケートショップやブランドとのコラボを連発し、一躍ストリートシーンの主役に躍り出ました。誕生から17年。今年に入って再び「ダンクSB」の動きが活発化しています。この秋冬には西山徹氏の手掛ける40% AGAINST RIGHTSとのコラボモデルが登場。「ダンク」をベースにしつつ、ディティールに「エアジョーダン5」「エアジョーダン6」のパーツを取り入れるなど、進化を続けています。