ファッション
2020/11/2 18:00

釘で刺しても穴があかない、着るこたつ、氷の上で滑らない靴、ワークマンの過酷ファッションショーは驚きの連続だった

ちょうど一年前、過激な演出でマスコミの度肝を抜いたワークマンの「過酷ファションショー」が、さらにパワーアップして今年も開催されました。霧、雨、風、雪に加えて今年は「崖」と「氷」がステージ上に登場。昨年に続きワークマンらしさ全開のファッションショーでした。 2020年秋冬新製品の紹介とともに、「ワークマン過酷ファッションショーwithアンバサダー」をレポートします。

 

ワークマンとは思えないおしゃれなコレクションが続々登場

今秋コレクションの注目ポイントは、ショータイトルにもあるように、バイクやキャンプといったアウトドアの各ジャンルで活躍するライター・ブロガーなど7人をアンバサダーに迎え、その7人の提案を丸呑みして製作した各種ウェアです。過酷ファッションショーではこのうち、猟師“狩女子”のNozomiさん、ソロキャンパーのねこまるさん、キャンプブロガーのサリーさんの女性3名がプロデュースした製品をまとって登場しました。

 

アンバサダー3人の登場前に、まずは通常の新作から紹介しましょう。トップバッターはバイク乗りの男女。男女ともにアウターはライダー専用「透湿防水防寒ジャケットBIKERS」(4900円・税込、以下同)です。耐水圧1万5000mm、透湿度5000g/平方メートル/24h、ベンチレーション付きで蒸れを外に放出できます。男性のパンツは同じシリーズの「透湿防水防寒パンツBIKERS」(3900円)で、耐水圧・透湿度はジャケットと同等。女性のシューズは「安全靴黒床革チャック付き長編上靴」(7027円)で、柔らかい革を使ってフィット性が高いにもかかわらずチャック付きで着脱簡単、鋼先芯入り、靴底は耐油底と、ワーキングシューズながらその機能性・安全性でバイクにも使える一品です。

↑トップバッターは人気のライディングウエア。防寒防水で冬のライダーに欠かせないアイテムです

 

続いて登場した男女はアウトドアの装いです。アウターは男女ともに「DIAMAGIC DIRECT(ディアマジックダイレクト)綿リップ防風防寒2WAYジャケット」(3900円)。三菱商事ファッションが開発した高耐久撥水・防汚性能を持つDIAMAGIC DIRECT素材を採用し、キャンプにピッタリなジャケットです。着脱式ボアライナー付属で3シーズン対応。男性のパンツは同シリーズの「DIAMAGIC DIRECT 綿リップ防風防寒パンツ」(2900円)。女性のシューズは高撥水&吸湿ダブル発熱中綿を搭載した「DIA(ディア)高撥水タウンブーツ」(2900円)、太陽光と人体の湿気で発熱する暖かいシューズでタウンユースとしても使えます。

↑DIAMAGIC DIRECT綿リップ防風防寒2WAYジャケットは、大胆なカラーリングでアウトドアに映えます

 

3組目は、これ本当にワークマン? という装いのスポーティーな男女が登場。アウターは約120g中綿入りで保温性抜群の「STORM SHIELD(ストームシールド)ウォームジャケット」(2900円)、ともに限定生産カラーです。男性のボトムは前身頃に中綿が入った「CROSS SHIELD(クロスシールド)ミドルパンツ」(1500円)と、肌にピッタリフィットして筋肉の揺れを軽減しながら、裏ピーチ起毛で暖かい「ライジングトレイルタイツ」(980円)の組み合わせ。

↑カラフルでスポーティー。ランニングに最適

 

釘・針の穴を自動修復してダウンの飛び出しを抑える

今秋冬新作の目玉商品が登場しました。男女が着ているアウターの「WASHABLE FUSION DOWN(ウォッシャブルフュージョンダウン)REPAIR-TECH(リペアテック)ダウンフーディー」(3900円)がそれ。低価格ながら4つの機能を持つ高機能ダウンです。1つめは、天然ダウン45%+フェザー5%+吸湿発熱綿50%のフュージョンダウンの採用により、ポリエステル100%中綿に比べて約2℃暖かいこと。2つめは自宅で水洗いできること、3つめが裏地にブラックアルミを採用したことで通常のシルバープリントの1.5倍の保温性があること。そして4つめが、新開発のREPAIR-TECH搭載。釘を突き刺した穴をすぐに自己修復するので、ダウンの飛び出し、熱の逃げ出しを防げるのです。ワークマンのアンバサダーに就任したファッションアナリストの山田耕史さんとの共同開発により完成したコラボアイテムです。

↑ウォッシャブルフュージョンダウンにはダウンフーディーのほかに、「ライトジャケット」(2500円)、「ライトベスト」(1900円)、「ライトパンツ」(1900円)、「ショートパンツ」(1500円)がラインナップしています

 

↑ダウンフーディーのみに採用しているREPAIR-TECH機能。こんな太い釘を刺しても、指でこすれば穴がふさがっています

 

アウトドアをオシャレに着こなす提案もあります。男性のアウター「AERO STRETCH ULTIMATE(エアロストレッチアルティメット)フーデッドパーカー」(3900円)はシームレスな溶着加工で冷気の侵入を防ぎ、裏地は保温性の高いアルミプリントで体温を反射して内部を暖かく保ちます。ワークマンが同製品を“着る寝袋”と称しているほどの暖かさです。暖かすぎて蒸れることもあるため、2020年モデルはベンチレーションポケットを搭載し、蒸れを軽減できるようにしました。ボトムスは同シリーズの「AERO STRETCH ULTIMATEパンツ」(3500円)。足元の「スマートミドルカットセーフティシューズ」(3300円)は鋼の先芯入り。

↑カッコよくて温かい。動きやすくて蒸れないストリートファッションアイテム

 

女性アンバサダー3人が開発に協力したアイテムの紹介

↑アンバサダー3名が登壇。写真左2番目から、Nozomiさん、サリーさん、ねこまるさん

 

まずは、ヨガスタジオ運営のかたわら、狩猟免許を保有して農作物を荒らす害獣駆除も行っている“狩女子”Nozomiさん。「狩猟の際に猟師は、仲間のハンターに間違って撃たれないように目立つ色の服を着ます。そこで今回、自然界にないオレンジ色を提案しました。また、防水性と防寒性を両立させるため、レインパーカーとブルゾンがドッキングできるようにしました」とのこと。アウターの「MIXING(ミキシング)レインパーカー」(3900円)とミドルの「AERO STRETCHブルゾン」(2900円)はNozomiカラーとして新色のオレンジを追加し、レインパーカーの内側ファスナーでブルゾンと連結できるようになっています。さらに、ブルゾンの背中側には大きなポケットを取り付けて収納性も高めています。

↑カラフルな色使いがアウトドアに映えます。レインパーカーとブルゾンがドッキングすることで防水性と防寒性を両立

 

昨年から2年連続でアンバサダーを務めているキャンパーのサリーさんは、大ヒットとなったコットンキャンパーの新作「コットンキャンパーPlus(プラス)」(3900円)をまとって登場。焚き火の火の粉が飛んできても穴が開かない綿100%の厚手の素材、テントのペグも入れられる大型ポケット、ペグハンマーを挿すループなどの機能性はそのままに、着脱可能なライナー付属でロングシーズンを楽しめるようになりました。

↑大型ポケットはキャンプで超便利。ライナーがついて3シーズン対応になりました

 

ソロキャンプユーチューバーのねこまるさんは、「裏ボア LIGHT(ライト)スリッポン」(1900円)を共同開発したとのこと。「男性も女性も年齢関係なく履くことができるオリーブカラーを提案しました。アウトドア、タウンどちらでも色々なコーディネートに合わせやすいと思います。また、アウトドアでは靴の中敷きが汚れてしまうので、汚れが目立たないよう中敷きを黒色にしました」。耐久撥水加工を施しており、アウトドアで水や汚れを気にせずに活動できるだけでなく、雨の日の街歩きにも活躍します。収納袋を付属しているのも嬉しいところ。

↑中敷きを黒色にするのは目からウロコ。裏ボアで温かい

 

プロ鳶職人向けがハードスポーツにもマッチする

さて、いよいよ過酷ファッションショーの始まりです。男性ダンサー3人が激しいダンスでワークマンウェアのストレッチ性能をアピールした後に、クライミングウォールをスルスルと登る美男美女。男性が着込む「TRICO TECH(トリコテック)FIELD(フィールド)ジャケット」(2900円)と「TRICO TECH FIELD パンツ」(1900円)は最大140%の4WAYストレッチと3Dカッティングで最大限の動きやすさを確保する一方、ジャケットの胸ポケットにエアダクト機能を搭載して蒸れを回避。さらにジャケット、パンツともに大容量ポケット付きで、ワークシーン、アウトドア両面でも大活躍します。

↑激しいダンスを踊っても破れないつっぱらないワークマンのストレッチウェア

 

↑アウトドアテイストのデザインですが、動きやすさとポケットの多さでワークシーンでも人気

 

最後に、過酷ファッションショー最大の見せ場である氷のステージが登場しました。ベストは秋冬新作の目玉商品の一つ、“着るこたつ”こと「WindCore(ウィンドコア)ヒーターベスト」(3900円)。背中の上下2か所、肩甲骨の間と腰骨あたりに電熱シートを内蔵し、別売りの「WindCoreハーフバッテリー8Vセット」(4900円)で発熱させることができます。温度は約50℃/45℃/40℃の3段階に調節でき、高温の50℃なら約4.3時間、低音の40℃なら約16時間の連続稼働ができます。夏用に冷却ファン付きウエアを発売して大ヒットとなりましたが、その冬版と言えるでしょう。ちなみに、バッテリーは夏の冷却ファンと共用です。

 

ボトムも同じく「Wind Coreヒーターミドルパンツ」(3900円)で、両大腿前部にヒーターが搭載されています。そして、足元に「防寒ブーツ 氷雪耐滑ケベックNEO(ネオ)」(2900円)、靴底はグラスファイバー配合で雪の上でも滑りにくいワークマンオリジナルの“WMアイスソール”を装着、2020年モデルは踵のホールド感がアップしてより滑りにくくなっています。実際、ステージ上のモデルさんは、氷の上を難なく歩いていました。なお、無縫製アッパーでレインブーツ並の防水性も保持しています。

↑着るこたつと氷雪耐滑ケベックNEOで、氷の上でも温かく滑らない

 

↑着るこたつ内部をサーモカメラで見ると赤く発熱していることが分かります

 

メリノウールが驚きの安さ

会場の外には秋冬コレクションすべてが展示されていましたが、その中で筆者が最も気になったアイテムを紹介しましょう。それは、メリノウールシリーズ。メリノウールは高い吸湿性で汗冷えを防ぎつつ、保温性にも優れ、抗菌防臭効果を持ち、柔らかいのでチクチクしないため、秋冬春の登山には必須のアイテムです。しかし機能性が高いゆえに価格も高く、大手スポーツブランド製品ならばインナー長袖シャツでも5000円以上します。

 

それが、ワークマンならメリノウール100%でも「メリノウール 長袖丸首シャツ」で1900円、「メリノウール ロングタイツ」も1900円。この他、メリノウールアイテムのラインアップが充実しています。筆者は山登りが趣味ですが、メリノウール製品が欲しいものの、その価格の高さで躊躇していましたが、ワークマンなら洗い替えを含めて上下で2着ずつ買えます。さすがワークマン。

↑メリノウール100%の長袖丸首シャツが1900円! これは迷うことなく買いです

 

↑メリノウールMIX製品も数多くラインアップ

 

ワークマンはこのほど、横浜に「#ワークマン女子」という女性中心の店舗を初めて出店しましたが、同店はレディースだけでなくメンズ4割、男女兼用2割と、男性用も多く扱っています。もちろん、レギュラー店舗にも冬のアウトドア、スポーツは無論のこと、タウン着として着こなせる商品が多数展示してあるので、近くのワークマンに足を運んでみてはいかがでしょうか。ホント、リーズナブルですよ。

 

 

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