本連載ではGetNavi web編集長・山田佑樹が日々の生活で愛用している品々を紹介していきます。
【#愛用品 92:コルドヌリ・アングレーズの「シューツリー」】
●起
シューキーパーは好きなアイテムのひとつだ。理由はこう。モノというのは、往々にして使っているときよりも使ってない時間のほうが長い。そんななか、シューツリーは単に保管するのではなく、着用しているのとかなり近い状態になる。そうした運用をするアイテムはそう多くはないと思っている。例えば、ハンガーも使っていない時間を過ごすアイテムだが、着用している状態からはやや遠い。
●承
ある意味、本人に代わって、使っている時間を過ごしてくれる存在。シューズ側から見ると主人はシューキーパーであり、自分はイレギュラーな存在かもしれない。そういう妄想というか、考えが広がっていく点で好きなのだ。同時に、自分の足の分身になるのだから、シューキーパー選びは大事。前置きが長くなったが、ずっと使っているのが、コルドヌリ・アングレーズのシューツリーである。
●転
ルドヌリ・アングレーズの魅力は「矛盾」にある気がしている。純正品ではないのに純正品のように、吸い付くようにするりと収まる。厳選されたブナ材を使って堅牢な作りなのに、靴に無駄なテンションがかからず革がリラックスしているように見える。誰の足でもないのに、誰の足にでもなるーーターミネーターで言えばT-1000みたいな感覚。または、狐に化かされているような気分。
●結
革靴とシューメンテナンスの世界は奥が深い。沼、沼、沼。相性の良いシューツリーを探究する人のブログを見ると、入り口にすら立っていないことを実感する。なお、同ブランドは「保管用シューツリー専業メーカー」を掲げていて、その肩書きの重厚さも好き(厳密にはシューホーンなども出している)。
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