ド定番スピーカーの最新モデル「JBL Flip 7」「JBL Charge 6」レビュー、選ぶ際のポイントは?

ink_pen 2025/8/13
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ド定番スピーカーの最新モデル「JBL Flip 7」「JBL Charge 6」レビュー、選ぶ際のポイントは?
毛利真大
もうりまさひろ
毛利真大

編集プロダクションでの広告制作、雑誌編集を経て独立、フリーライター/エディターに。家電、自動車、ファッション、ビジネス関連など幅広い分野で執筆。86年、秋田県出身。

数々のオーディオ製品を提供するJBLは、モバイルBluetoothスピーカーにおいてもパイオニアと言える存在。世代を重ねながら進化を続けてきました。今回は、そんなJBLの最新モバイルBluetoothスピーカー2モデル、「JBL Flip 7」(税込1万9800円)と「JBL Charge 6」(税込2万7500円)に注目。両機種に共通する魅力と、それぞれの個性をじっくりレビューします。

デザイン性、耐久性、AIによる高音質を実現

アウトドアシーンでも使える、全天候型のモバイルBluetoothスピーカー。その草分けと言えるのが、JBLの「JBL Flip」「JBL Charge」の両シリーズです。高い防水性、防塵性、堅牢性を確保しながら、気軽に持ち出せるコンパクトボディを実現し、それでいてダイナミックなサウンドを楽しめるのが魅力で、初代から最新のJBL Flip 7、JBL Charge 6に至るまで、順当に進化を続けてきました。

JBL Flip 7とJBL Charge 6に共通するのは、コンパクトかつスタイリッシュなデザインや、IP68準拠の高い防水・防塵性、そして、新技術「AI Sound Boost」が搭載されていることなどが挙げられます。AI Sound Boostは、音楽信号をリアルタイムで解析し、より高音質なサウンドを実現するというもの。

↑JBL独自の新技術 AI Sound Boostを搭載。音楽信号をリアルタイムで解析し、歪みを抑えて高音質なサウンドを聴かせてくれます。

コンパクトな筐体からは想像もできない、迫力のある低音や伸びやかな高音を聴かせてくれるとともに、今後のファームウェアアップデートにより、USB Type-Cポートを介したロスレスオーディオ再生にも対応予定で、原音に近い豊かなサウンドが楽しめます。

↑今後のファームウェアアップデートにより、USB Type-Cポート経由でのロスレスオーディオ再生が可能に。PCやそのほかの各種オーディオ再生デバイスに接続することで利用できます。
↑2モデルともに、IP68準拠の高い防水・防塵性能を備えています。1mの高さからコンクリートの床に落としても問題ないよう、耐衝撃性が強化されているのも見逃せません。
↑専用アプリ「JBL Portableアプリ」を使えば、その時々のシーンや気分に合ったサウンドを楽しめます。イコライザーには多彩なプリセットが用意されており、サウンドを自由にカスタマイズすることも可能。

サイズ感以上の低音を感じられるJBL Flip 7

↑今回試用したのはオンライン限定で販売されているパープルカラーのJBL Flip 7。

まずはJBL Flip 7の特徴をチェックしていきましょう。バックパックにするりと収まるモビリティの高さは最新モデルでも健在で、本体サイズは約幅182.5×奥行き71.5×高さ69.5mm、重さは約0.56kg。軽量・コンパクトなので、持ち運びが苦になりません。

↑500mlペットボトルサイズのコンパクトボディ。全9色の多彩なカラーバリエーションの中から、好みに合わせて選べるのも魅力。

本体上部にフックまたはカラビナを取り付けられるのがユニークで、バックパックにぶら下げたり、車や自転車のドリンクホルダーに設置したりと、スマートに持ち運ぶことが可能です。

↑本体上部にフックまたはカラビナを取り付けられます。バックパックなどに引っ掛けて持ち運べるのはもちろん、デザインのアクセントにも。

スピーカーユニットは、ウーファー1基、ツイーター1基、パッシブラジエーター2基の構成で、低域用のアンプを強化してスケール感を向上させるとともに、新開発のドーム型ツイーターを採用。ダリル・ホール&ジョン・オーツの「Private Eyes」を聴いてみましたが、低音の量感は想像以上でパーカッションの跳ねも豊か。このサウンドを聴いたら、もうひと回りかふた回り以上大きなスピーカーを想像するはずですが、鳴らしているのは500mlペットボトルサイズのJBL Flip 7。そのくらい低音に量感があり、コンパクトデザインにありがちな物足りなさはまったく感じませんでした。

いたずらに低音の量感を強調すると、ボーカルが奥に引っ込んでしまいがちですが、JBL Flip 7のサウンドはしっかりと分離していたのもポイントです。

↑横置き設置に加え、縦置き設置も可能。本体両サイドに配されたパッシブラジエーターがふさがり、音がこもってしまわないよう、両サイドの先端に切り欠きが設けられているのもよく考えられています。

よりクリアなサウンドが好印象なJBL Charge 6

↑JBL Charge 6は定番のブラックを試用。ロゴ周りの配色がデザインのアクセントとなっています。

続いて、JBL Charge 6をチェックしていきましょう。本体サイズは約幅228.8×奥行き94.0×高さ98.5mmと、JBL Flip 7よりもひと回り大きいです。その分、連続再生時間が最大24時間(Playtime BOOSTで最大4時間延長可能)もあり、長く楽します。

↑JBL Flip 7よりもひと回り大きなJBL Charge 6ですが、片手に収まるサイズ感なので、軽快に持ち運べます。カラーバリエーションは、全9色。

また、スマホやタブレット端末などの充電が可能なモバイルバッテリーとしての顔も持ち、音楽再生に使用しているスマホがバッテリー切れ、なんていう心配はありません。モバイル性能が落ちないよう、着脱式のハンドルストラップが用意されているのも見逃せないポイントで、自宅内から車での移動まで、さまざまなシーンで重宝します。

↑スマホやタブレット端末などの充電が可能なので、音楽再生中、オーディオデバイスのバッテリー切れを心配する必要はありません。
↑着脱式のハンドルストラップも、モバイル性能を高めてくれるポイント。音楽プレイ中は取り外せば、すっきりとしたたたずまいに。

さて、音質はどうでしょう? スピーカーユニットの構成自体は、ウーファー1基、ツイーター1基、パッシブラジエーター2基と、JBL Flip 7と同様ですが、当然ながらウーファー、ツイーターのサイズと出力はJBL Charge 6のほうが上。ジャーニーの「Separate Ways (2023 Remaster)」を再生してみたところ、そうした「サイズ」の大きさによるものなのでしょう、JBL Flip 7よりもさらにサウンドがクリアな印象で、低音にスピード感があります。

モバイルBluetoothスピーカーにありがちな「もっさり感」はまるでなく、リマスターならではの現代的なサウンドを心地よく聴かせてくれるあたりは、「お見事」のひと言でした。

↑音がきっちりと分離しているのが印象的。音色のひとつひとつをしっかり聴き分けられるのは、モバイルBluetoothスピーカーとしては稀といえるでしょう。

弱点らしい弱点が見当たらない完成度の高いモバイルBluetoothスピーカー

屋外や浴室でも使用でき、自由に置けて、どの方向からでも音楽を楽しめる。そんな全天候型のモバイルBluetoothスピーカーの“スタイル”を確立したのは、ほかでもなくJBL FlipとJBL Chargeの両シリーズです。

それはともかく、実際にどちらの製品を購入するべきかは悩ましい問題でしょう。2025年8月時点での実売価格は、JBL Flip 7が1万7800前後、JBL Charge 6が2万4700円前後と、約7000円の価格差があります。

もちろん、音質の面ではスピーカーユニットも出力も大きいJBL Charge 6に優位性があるので、アウトドアシーンで少しでもリッチなサウンドを楽しみたい人にはこちらがおすすめ。一方で、JBL Flip 7には500mlペットボトルサイズのコンパクトさという利点があります。コスパを重視する、あるいは移動に車を使わずキャンプやピクニックに行くような場合、荷物をコンパクトにまとめたいならこちらに軍配が上がりそうです。

今回のレビューを通して強く感じたのは、代を重ねたことで、JBL Flip 7とJBL Charge 6は、もはや完成の域に達しているということ。サウンド、デザイン、モバイル性能、使い勝手。あらゆるポイントにおいて、弱点らしい弱点が見当たらないのです。JBLが辿り着いた1つの“解”として、ぜひJBL Flip 7、JBL Charge 6を手に取ってみてください。

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