Nothingのサブブランド「CMF」から、同ブランド初のワイヤレスヘッドホン「CMF Headphone Pro」が登場しました。価格は15,800円(税込)で、Nothing公式および一部パートナーにて発売しています。
CMFブランドの特徴のひとつは、安さです。多数展開しているワイヤレスイヤホンシリーズは、もっとも高い「CMF Buds Pro 2」で11,000円(税込)、もっとも安い「CMF Buds 2a」なら6,000円(税込)と、競合に比べても非常にお安い。
もうひとつの特徴は、個性が強く打ち出されたデザイン性。値段を抑えつつも他メーカーとは一線を画す独自デザインを楽しめるのが、CMFブランドの持ち味といえますね。現在ではスマホやスマートウォッチなど、Nothingブランドに負けない幅広い展開を見せています。
そんなCMFにとって初のヘッドホン製品となるのが、今回のCMF Headphone Pro。CMFブランドらしいポップなデザインで、近い時期にリリースされた「Nothing Headphone (1)」とは異なる魅力があります。
ポップなデザインにリッチな装着感

ハウジングやイヤークッション、ヘッドバンドなど、ヘッドホンを構成する主要パーツは全体的に丸みを帯びています。

特にヘッドバンドが円筒状なのはヘッドホンとしては珍しい。手触りは柔らかく、圧迫を感じにくい設計です。

イヤークッションの質感もふかふかで、社長が座るソファのように沈み込みます。値段から考えてもリアルレザーではなく合皮でしょうか? ひっかき傷には弱そうです。

装着してみると、このふかふかさがいいフィット感をもたらしてくれます。側圧もほどよく、頭頂部の押さえつけ感はほとんどなし。実際に1時間ほど付けっぱなしにしてみましたが、快適そのものでした。実測値での重量は約280gで、ヘッドホンとしては平均的な重さです。
快適に操作できる独自の操作系

ハウジング右側には、写真のようなダイヤル式の操作系が搭載されています。コロコロ回転させると音量を操作でき、これがとても使いやすい。段階的に止まるので、音量をひとつだけ上げるといった細かな操作も直感的です。

そして左のハウジングには、これまた変わった形のスライダーを搭載。こちらは高音や低音の強さをコントロールするもので、スライダーを上げると高音だけもしくは低音だけボリュームがアップします。いわゆるイコライザー的な操作といえますが、ヘッドホン側で操作できるのはおもしろいアイデアですね。
また、Nothingのデバイスを管理できる専用アプリ「Nothing X」を使えば、スライダーで調整するのを高音にするか低音にするかを選択可能。低音と高音の両方を調整したい人はアサインしておくのがよさそうです。

3.5mm端子搭載で、有線接続にも対応。ワイヤレスのコーデックもハイレゾ品質のLDACに対応しており、音質を重視する人にもアプローチしてきています。
いい意味でポップな聴き応え
サウンドについてはヘッドホンらしい豊かなステレオ感があり、低音もパワフルに鳴っています。特にロックやアニソンなどの音圧推し系を聞くと元気が出てくる音ですね。こういうヘッドホンは個人的に好きです。

また、このイヤークッションは取り外すこともできます。別売りで用意されている、異なるカラーの専用イヤークッションに交換することで、ファッションとしての幅も出てきます。モジュラー式のアイデアはDysonのヘッドホン「Dyson OnTrac」に近いです。

ANC(アクティブノイズキャンセリング)もしっかり消音できていますし、15,000円台のヘッドホンに期待するレベルはしっかり超えてきています。さらに前述のふかふかイヤークッションは遮音性も良いため、ノイキャンなしでもかなり音がカットされていました。
身も心もポップになるヘッドホン

ワイヤレスヘッドホンにおいて、10,000円〜20,000円台は比較的手頃な価格帯でそれゆえ各メーカーは、音質はもちろんのこと、デザインにも力を入れています。このCMF Headphone Proもデザインが楽しめるヘッドホンで、なおかつ音質でも競合に引けを取らないノリの良さがありました。
「ワイヤレスヘッドホンがほしい、でもそこまで高価格なものは……」といった際の新たな選択肢として、CMF Headphone Proはかなりアリでしょう。本気じゃないヘッドホンとして購入したけど、なんだかんだ一番好きな音になってる、みたいなオチになることも充分にありえると思いますよ。
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