Appleが「iPhone向けVRヘッドセット」の開発計画を諦めていたことが発覚。米メディアが報道

ink_pen 2022/5/19
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Appleが「iPhone向けVRヘッドセット」の開発計画を諦めていたことが発覚。米メディアが報道
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

ここ数年、AppleはAR/VRヘッドセット開発に取り組んでおり、年内または2023年初めに発売すると予想されています。その過程でGoogle Cardboard (厚紙にレンズをはめ込んだものにスマートフォンを入れるもの)やサムスンのGear VRに対抗するiPhone用の安価なVRヘッドセットを作ろうとしたものの、最終的にこのプロジェクトを諦めたと報じられています。

↑えー、Appleも諦めたことがあったの!? (画像はサムスンのGear VR)

 

有料メディアThe Informationは、Apple社内のヘッドセット開発チームが重ねてきた試行錯誤の道のりをレポート。それによれば、本製品はiPhoneを立体視ディスプレイとして使うことでVRを体験できる「安価なヘッドセット」であり、「基本的なARやVR体験ができる」はずだったそうです。

 

当時の予定としては、この廉価ヘッドセットは2019年、iPhone 11の直後に発表される予定だったとのこと。

 

なぜ発売できなかったのかといえば、「デジタル環境に心地よく没入していると感じる」ために欠かせない「頭の動きの追跡を含む、技術的な問題」に苦戦したからだそうです。最終的にプロジェクトは破棄されたものの、それに関係するコードが2019年にいくつかリークされたとのこと。確かに2019年初めに有名アナリストMing-Chi Kuo氏が、Apple純正ARヘッドセットに言及したことがありました。

 

また、The Informationのレポートでは、初期のプロトタイプ試作機ではWindowsが動いており、そのうちの1つは重過ぎて、小さなクレーンで支えながら付ける必要があった。さらに本来は2019年に発売される予定だったが、「数回」延期を重ねて2022年末か2023年に発表されるかもしれないなど、興味深い情報を伝えています。

 

ほかヘッドセット開発プロジェクトは社内で優先順位が低く、内蔵カメラの動作を改善するファームウェア機能を追加するようカメラハードウェア技術チームに頼んだところ、iPhone XSの出荷後まで待つように言われたなど、涙ぐましい話もあった模様。それだけ苦労を重ねたのなら、ぜひとも成功を祈りたいところです。

 

Source:The Information
via:iMore

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