ゲーム&ホビー
2020/11/19 13:00

31歳独身の筆者が対象年齢6歳からのボードゲームをプレイしたら、結婚願望がかきたてられた話

偶然が織り成すドラマ! 練られたゲームバランスで、子どもも大人も楽しめそう

今回は筆者を含む、メディア関係者3人で「大魔王の美術館と怪盗団」の対戦を行った。その模様はSIEさんが動画にしてくれたので、ぜひこちらを見ていただきたい。

 

対戦の結果から書いてしまうと、筆者は3位に終わる惨敗だった。敗因は明らかだ。低ポイントのお宝をキープし確実に得点を稼いでいこうとしたことが裏目に出たのである。実際、低ポイントのお宝の回収と脱出には最速で成功した。しかし一度美術館から脱出して再侵入を図る間に勝利の鍵を握る王冠を他プレイヤー2人が悉く回収してしまい、しかもそのまま美術館脱出を許してしまったのだ。「やばい」と思ったころには全10ラウンドのうち半分以上が経過しており、結局逆転できなかった。

↑マジメに考えていたせいか、思考中の筆者の顔は怖かったらしい。司会を務めた芸人バンビーノさんからは「ボードを麻雀牌だと思っていないか?」「集中しすぎて顔の色がパーカーと同じになっている」などといじられまくったが、決してそういうわけではなく、普通に勝ちたかっただけである

 

ここでひとつ言い訳をさせてほしい。今回の敗因は、上に書いた通り筆者の戦略ミスでもあるのだが、「番人が筆者の(希望的)観測通りに動いてくれなかった」ことが非常に大きい。言い換えれば、筆者には運がなく、他プレイヤーの運が良かったともいえる。

 

その運を象徴するのが、「影」の存在だ。本作に登場する美術館のマップには影のマスが点在している。そのマスは2種類あり、番人が通ってもプレイヤーを見つけられない「影のマス」、50%の確率でプレイヤーを発見できる「半分の影のマス」だ。確実に番人から逃れられる影のマスは数が限られており、本作をプレイしていると半分の影のマスに頼る必要が必ずといっていいレベルで生じる。今回の対抗戦で1位になったプレイヤーはここで番人からスルーされる幸運な判定を受けたが、筆者はこのマスで番人に捕らえられた。ここで逃れていれば2位まではいけていたのに、理不尽である。そういえば、不運で番人に捕捉されてしまった他メディアのプレイヤーは、このうえなく悲しい顔をしていた。時の運と分かっていても、やはり勝負には本気になってしまうようだ。そういえば「ここで番人が動きさえすれば他プレイヤーを捕らえられる!」と思ったときに限って、彼らが仕事をサボることもあった。このゲームで勝ちたいなら番人は信用しないほうがいいだろう。

↑手前右にあるのが、半分の影のマスだ。ちなみに、木箱のタイルにはアイテムが眠っており、木箱を取るまでその正体は分からない。なお、木箱の下には影のマスがあるので、木箱を取って陰に隠れる、なんてこともできる

 

さて、ここで少し考え方を変えてみたい。どんなに優れた戦略の持ち主でも、この抽選から逃れることはできない。もし大人と子どもでプレイすれば、大人の方が頭脳で上回っているだろう。しかし、どんなに強い大人であっても、50%の機械抽選の前には無力だ。戦略は確実に必要だが、運がなければ普通に負ける。逆をいえば、ミスがあっても運があれば勝てるのが、本作の「知育玩具」としての特徴だと筆者は思う。本作は子どもに対して勝負の楽しみを教えつつ、戦略による成功や失敗の体験をもたらし、さらなる善後策を考えさせる契機になる。もし本作に運の要素がなく負けてばかりでは、子どもはつまらなくなってしまうだろうし、継続してプレイしなければ「次の戦略を考えよう」とはならないはずだ。

 

また、いくら運勝ちであったとしても、それは子どもにとって明確な成功体験になり、自分に自信を持てるきっかけとなる。勝負を繰り返すうち「戦略で大人を出し抜いてやろう!」という思考も芽生えるかもしれない。そして、運の要素が大いに存在するゲームであるからこそ、大人の側も子どもに対しての手加減はほぼ不要に思える。だからこそ、親子で楽しめるのだ。「大魔王の美術館と怪盗団」のゲームバランスは、親子で楽しめるという点で、本当にいい塩梅になっているように思う。

 

我が子との“初の真剣勝負”におすすめしたい

toio本体、そして本作の対象年齢は6歳以上である。「大魔王の美術館と怪盗団」は、その年代の我が子と真剣勝負ができるゲームだ。小学校に上がるくらいの子どもと大人が真剣に争えるボードゲームというのはあまりないし、機械仕掛けで動くそのゲームの仕組みは、子どもの心を掴んでくれるはずだ。

 

本作には、対戦以外に「ひとりであそぶ」モードも搭載されている。子どもの一人遊びの需要も満たしてくれるというわけだ。そして、toioにはほかにも音楽遊びソフト「おんがくであそぼう ピコトンズ」や、プログラミングを学べる「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」など、多彩なソフトがラインナップされている。楽しさはより広がることだろう。

もし僕が6歳のころに出会っていたら、両親との付き合い方が変わり、ひいては人生にも好影響が出ていたかもしれない。願わくば、本作とはそのころに出会っていたかった。

 

そう思えたからこそ、筆者が人の親になったら、ぜひ我が子と本作を通して勝負したい。そんな日が自分に来ることを祈るわけだが、まずは結婚相手を探す必要がある。

まさかゲームの対抗戦で結婚願望を掻き立てられるとは夢にも思わなかった。本作は筆者の今後の人生を左右する……のかもしれない。

 

【製品情報】

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

toio専用ソフト 大魔王の美術館と怪盗団

希望小売価格:5980円+税

 

toio本体セット

希望小売価格:1万6980円+税

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