ゲーム&ホビー
2022/9/1 19:30

なぜソニーは「PS5」を米国以外で値上げするのか? 業界アナリストが分析

かつてソニーは、PS3の発売から1年後に5000円値下げし(PS2互換はなくなりましたが)、3年目でさらに価格を1万円下げたことがあります。PS4も発売から2年目に値下げしていました。

↑米国以外で値上げされるPlayStation 5

 

PlayStation 5は登場してからまもなく2年が経ちますが、9月15日から日本やその他の地域で5500円値上げされます。しかし、米国の価格は据え置きとされました。なぜ、こんなことになったのでしょうか? ゲーム業界のアナリストらが分析しています。

 

アジアのゲーム調査会社Niko Partnersのアナリストを務めるDaniel Ahmad氏は、米国は最大のコンソール(ゲーム専用機)市場であり、最も競争の激しい地域の1つのため、そこでの値上げはよりリスクが高いと指摘。

 

かたや大手証券会社・Wedbush SecuritiesのMichael Pachter氏は、「米国で値上げするチャンスがあれば、(ソニーは)おそらくそうするだろうが、値上げはとんでもない考えだ」と述べています。「ソニーが教訓を学び、(値上げを)他の市場だけにしておくことを期待している」とも。

 

なぜソニーは消費者が望まない値上げをするのか? これについて、Pachter氏はソニーがPS5ソフトの標準価格を70ドルに引き上げたことや、世界最大のゲームショウE3に不参加を続けていることも不評を買っているが、大したペナルティを受けないようだと指摘しています。

 

また、単純な事実として、PS5がソフト抱き合わせで高い価格で売られていても、二次市場から新品を手に入れたとしても、PS5の需要は非常に高いまま。つまり転売屋が利益を上乗せした価格でも売れているのだから、ソニー本家が値上げしても問題ないとも考えられています。

 

さらに「(PS5の)供給状況が改善されれば、ソニーは値上げしても需要が供給を上回っていることから、販売台数の目標を達成できると予想している」とのこと。米国以外での値上げは「ハードウェアの収益性を安定させ、(会計年度の)目標をクリアするため」に行われたのだろうという見方もあります。

 

上記のAhmad氏は、ソニーが1年前に投資家に対して、PS5のディスクドライブ搭載モデルは利益が出ていないこと。また、ディスクなしのデジタル版はまだ赤字が出ていると述べたことを振り返っています。Pachter氏もこのような見方に部分的に同意しており、「ソニーは(PS5で)黒字を出すことを計画していたし、すでに軌道に乗っているが、おそらく予想よりも利益が少なかったため、消費者に負担してもらうことにした」と語っています。

 

米国でもPS5の価格を50ドルほど値上げしても、需要にはそれほど影響しないはず。それでも、ソニーの値上げは「PS5を買う代わりに(マイクロソフトの定額ゲームサービス)Xboxゲームパスに申し込む理由が1つ増える」ことになるため、Pachter氏はこのタイミングでの値上げは妥当でないと述べています。

 

さまざまな見方がありますが、転売屋らがプレミアム価格を付けたPS5でさえも飛ぶように売れてしまったことは、ソニーにとって米国以外での値上げに踏み切る判断材料になったのかもしれません。

 

Source:Polygon

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