今月17日(現地時間)米ロサンゼルスのユニバーサル・スタジオ・ハリウッド内に、任天堂のテーマパーク「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がオープンしました。それに伴う海外でのインタビューで、「マリオ」生みの親の宮本 茂氏がスティーブン・スピルバーグと比較されるのは好きではないが、任天堂がディズニーと比べられるのは「光栄だ」と述べています。
宮本氏は数十年にわたってゲーム業界で創作し貢献してきたことから、他の業界の偉大なクリエイターと比較されることがよくあります。「ゼルダの伝説」や「スーパーマリオ」、「ピクミン」など数々のシリーズおよび人気キャラクターを送り出してきたことから、映画界で同様の成功を収めたスティーブン・スピルバーグ監督を引き合いに出す人が多いようです。
米ゲームメディアGamespotは宮本氏と、任天堂の取締役・専務執行役員(Gamespotは「エンターテイメント企画室長」と紹介)の高橋伸也氏にインタビュー。「任天堂はビデオゲーム界のディズニーだ」「宮本氏はゲーム界のウォルト・ディズニーだ」という声をどう思うかにつき、宮本氏は次のように答えています。
「おっしゃるように、私もゲーム業界のスピルバーグと呼ばれることがありますが、実はそういうのは好きではありません。私は宮本です。宮本は宮本で、任天堂は任天堂です」「ただ、ディズニーと比較されるのは非常に光栄なことだと思っています」とのこと。特にスピルバーグとの比較は訊かれていないはずですが、そうした声を多く聞いてこられたとも推測されます。
とはいえ、任天堂とディズニーの比較に関しては「ディズニーはある程度、特に家族にとっては安心感を与えてくれる存在だと感じています。任天堂はテレビゲームでよく知られていますが、ふつうテレビゲームと安心感はあまり結びつかないように思います」と少し疑問の様子です。
が、「任天堂がディズニーと比べられるということは、我々が任天堂を安心という概念に導き、おそらく安心感を与えられるところまで来られたんだなあと確信を与えてくれます。そこには達成感がありますし、嬉しいことです」と最終的には喜びを表しています。
1983年にファミコンが発売されてから約40年、社会的にゲームに対する風当たりが強い時期もあり、任天堂や宮本氏も「家庭」に受け入れられるために苦労を重ねてきたはず。それがファミリー向けの代名詞ともいえるディズニーと比較されるようになったことに、計り知れない満足感を覚えているのかもしれません。
Source:Gamespot