ヘルスケア
2019/11/27 19:30

ディストピア飯じゃなかった!「All-in」に代表される「完全栄養食」ってどんな食べ物?

栄養摂取量の目標は、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」で示され、1日に野菜を350g摂るのが望ましいと言われています。しかしここ10年、どの年代においても野菜の摂取量は低く、特に20〜40代では慢性的な栄養不足が指摘されています。

 

そこでいま注目されているのが「完全食」「完全栄養食」。人が健康を維持するために必要な栄養をすべて含んだ食品を指します。というと、“食事”というよりタブレットなど“栄養を摂取する”だけの味気ないものを想像してしまいますが、最近登場したのは、あくまで“食を楽しむ”部分は損なわずに栄養をバランスよく含んでいるものが多く、忙しいながら食にもうるさい現代人の栄養不足を補う存在となっているのです。

 

今回は、「All-in」を発売し完全栄養食ブームの旗頭となっている日清食品を筆頭に、話題の 完全栄養食を全5点ピックアップします。

 

食事以外に栄養を摂らなければならない現代の環境

これだけ豊かな時代に、栄養が足りなくなってしまう現代の食生活には、“食べても栄養が摂れない”という問題が潜んでいると、日清食品のブランドマネージャー・佐藤真有美さんは指摘します。

 

「外食やレトルト食品などを食べる機会が増えた結果、糖質や脂質は多く、カロリーは足りているのにビタミンやミネラルが不足している“新型栄養失調”という言葉が、現代人の食生活を表すようにもなりました。また、普段は自炊を心がけ、野菜をしっかり摂っていると思っていても、実は理想的な栄養摂取基準に達していない方が多いのも事実です。季節野菜は年間を通して出回っていますが、いわゆる“旬”の時期以外は栄養価が低くなってしまうことも、原因のひとつでしょう。

 

つまり、どのような食生活を送っている方にも、今や栄養素を別の形で補給する必要があると言えるのです」(日清食品 マーケティング部 ブランドマネージャー・佐藤真有美さん、以下同)

 

現代人に特に必要な“微量ミネラル”が摂取できる完全栄養食

そんな生活の中に登場した完全栄養食は、またたく間に注目が集まり、現在ではさまざまな企業が開発を進めています。完全栄養食では、単に野菜不足や外食続きで栄養が足りなくなった場合の補給だけでなく、食事からはなかなか補えない“微量ミネラル”を摂取することができるのです。

 

「微量ミネラルとは、1日の摂取量が100mg以下のものを言うのですが、鉄分やマグネシウム、セレン、クロムなどが含まれています。特に鉄分は女性にとって欠かせない栄養素ですが、必要な量を食品から摂るのは難しいものです。鉄分不足になると、貧血や冷えに悩まされたり、注意力が散漫になったり疲れがとれなかったりします」

 

食べる楽しみも感じられる、日清食品の完全栄養食

日清食品は、「All-in」という完全栄養食シリーズを発売しました。「新型栄養失調について、日清食品としてできることはないだろうかと模索を続けていました。創業者の安藤百福は、戦後、人々が十分な栄養を摂れない時代に食の大切さを痛感し、病人用栄養食品の開発を手がけたこともある人物です。その安藤が、インスタントラーメンという“簡便食”を発明してから60年目にあたる年に、現代版にアップデートした“完全食”を作るという思いで、完全栄養食の開発をスタートしました」

完全栄養食というネーミングにケミカルなイメージがある中で、あえて日清食品では“宇宙食や流動食のようなものではなく、普段の食生活に近く、食べる楽しみを感じられるものを作る”ということを大切に開発したとか。

 

「All-inシリーズでは、麺1食の中に1日に必要な栄養素の1/3以上が入っています。しかし、栄養素をそのまま麺に練り込んだだけでは、製麺したときにボロボロと崩れて生地がまとまりません。何度も試作を繰り返し、納得のいく麺ができあがるまでに1年、完成までに2年を要しました。栄養素がきちんと摂れ、長期間保存しても栄養素が劣化したり抜け出たりせず、しかも作り方が簡単で食事として満足感がある、というすべての願いを叶えるものが生まれるまでは、本当に長い道のりでした」

All-inシリーズの開発にいい兆しが見えたきっかけは、“栄養ホールドプレス製法”(特許出願中)という製麺技術が生まれたことだったという
All-inシリーズの開発にいい兆しが見えたきっかけは、“栄養ホールドプレス製法”(特許出願中)という製麺技術が生まれたことだったという

「栄養素を麺の中心に閉じ込めて、まわりを小麦粉の層で包むこの製法で、湯戻ししたときに栄養素が流出しにくくなりました。また、栄養素独特の苦味やえぐみを感じることないので、小麦のもちもちした食感を楽しんでいただけると思います」

 

All-inシリーズはどうやって食べる?

それでは実際に、All-inシリーズを普段の食生活にどう取り入れたらよいか、おすすめの食べ方をご紹介します。

 

1. 週に1~2度の食事をAll-inシリーズに置き換える

完全栄養食といっても、すべての食事をAll-inシリーズに替えるべき、というわけではありません。

 

「普段の食事やご褒美としての甘いものなど、食を楽しむことはとても大切なことです。それを我慢するのではなく、週に1~2度の食事をAll-inにして不足しがちな栄養素を補おう、といったように無理なく取り入れていただきたいです。

 

また、『All-in PASTA』は一般的な乾燥パスタと比較して糖質は30%OFF、『All-in NOODLES』は一般的な中華麺と比較して糖質40%OFFです。塩分量も1食あたり2.0g~3.6gと少なめですし、小麦粉だけを使った麺ではないので、時間がたっても麺がくっつかず伸びにくいという特徴もあります」

 

2. 麺だけを購入して食べ方をアレンジする

All-inシリーズの大きな特徴のひとつは、麺とソースがセットになったカップタイプだけでなく、麺だけでも販売していることです。

 

「自然派の方や食べ方を工夫したいお料理好きな方にもご満足いただけるよう、麺だけでもお買い求めいただけます。おすすめレシピをAll-inシリーズの特設サイトでも公開していますが、納豆を加えたり鯖缶で和えたり、サラダチキンとレモンを入れたりと、さまざまな味で楽しんでいただけます」

 

日清食品「All-in PASTA(全5種類)」
600円+税(麺のみの場合は400円+税)
粗挽き牛肉のコクと旨みの濃厚ボロネーゼ/国産バジルを贅沢に使った香りとコクのジェノベーゼ/完熟トマトに唐辛子をきかせたスパイシーアラビアータ/バター香るコク旨和風たらこ

 

日清食品株式会社「All-in NOODLES(全3種類)」
600円+税(麺のみの場合は400円+税)
卵黄だれとラー油をきかせたコク旨油そば/パクチー香るトムヤムまぜそば/ごま香る濃厚担々まぜそば
https://www.allinseries.jp/

 

「All-in」のほかにも、注目したい完全栄養食があります。次のページではパンタイプや、小麦粉の代わりとして食事に取り込めるパウダータイプなどを紹介します。

 

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