日焼けの度合い別! “うっかり日焼け”の応急処置
気をつけていても日に焼けてしまったときは、すぐにケアをはじめましょう。日焼けの度合いや状態によって方法が違いますから、それぞれの対策をしてみてください。
1. やけどの手前! 真っ赤で肌を触ると熱を感じるくらいに焼けてしまった場合
日焼けは“日光皮膚炎”と言われ、火傷(やけど)をしている状態です。水ぶくれになるなどやけどに近い場合は、皮膚科の受診を優先させますが、とにかく一番にできることは患部を冷やすこと。
「氷水にタオルを浸けたものや保冷剤で構わないので、まずは肌が持つ熱が取れるよう十分に冷やします。肌表面だけでなく芯までしっかり冷えるように、慌てず鎮静させましょう。日焼けした肌は乾燥していて水分保持ができなくなっているので、熱が取れたら無刺激の化粧水を何度も重ねづけし、オイルでカバーします。人肌程度(約38℃)のぬるい温水シャワーや冷水を浴びることで熱や痛みを逃すこともできますが、肌が炎症している場合、湯船に浸かるのは避けた方が良いでしょう。また、肌表面は非常にデリケートな状態ですから、日焼け直後はブラシやナイロン製のアカすりなどでこすらないようにしてください。殺菌作用があり皮膚の治療にも使われるカラミンの入ったローションやパウダーをつけておくと、さらにいいでしょう。このケアを1週間は続けます。痛みがひかない、大きな水膨れ、強い熱のこもりや発熱、目眩などの内疾患が出はじめている場合はすぐに病院へ」
2. 日焼けしたところがチリチリ痛い! 明日は真っ赤になってしまうかも……という場合
首のうしろや足の甲など、気がついたら焼けてしまっていた! ということはありませんか? 海やキャンプ場などのアウトドアシーンでは、日焼け止めを塗り直し切れず、焼けてしまうこともありますよね。
「皮膚が熱を持っていなければ、傷んだ皮膚の鎮静と修復のため、ビタミンB3を塗布するのがいいでしょう。炎症を鎮静させて肌細胞に活力を与えたり、代謝を促進したりと、肌にいい働きをします。塗っておくと、翌日日焼けした部分が真っ赤にならず、回復も早まりますよ」
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ビタミンB3の含有量が高いメディカルコスメ
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皮膚科の医師がやけどの治療薬として作った、ビタミンB3の美容液。エステティックサロンでしか購入できないサロン専売コスメです。「焼けてしまったと思っても、紫外線によるダメージに効果的に働くので、ビタミンB3を塗っておくだけで悪化しにくくなりますよ」
3. 日焼けした部分が乾燥していて皮がむけてきそうな場合
すでに皮膚がパリパリして皮がむけてきてしまいそうなときは、AHA+BHA配合のジェルタイプのクレンザーでゆっくりマッサージし、ターンオーバーを促していきます。
「皮は無理にむかず、そっとクレンジングしていきましょう。クレンジング後は必ずトニックで肌のPHを整え、乾燥している肌に潤いを与えながら余分な角質を取り除くことで、肌が再生しやすくなります。皮剥けや痒みは、新しい皮膚が生まれるターンオーバーの一環です。爪などで掻きむしると未熟な皮膚が剥き出しになり、皮膚のバリア機能を壊してしまいます。掻くことで痒みを解消したつもりが、ヒスタミンという痒み物質が作られてしまい、痒みをさらに強める悪循環にもなりますので、痒み止めを塗って防ぐこともおすすめです」
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※上記2点はサイトにて2020年8月下旬に発売予定。価格変更になる可能性があります。
日本では佐古さんのサロンでしか取り扱いがないアメリカのコスメブランド「shunly」の製品です。「右側のジェルタイプのクレンザーで、日焼けあとの肌の角質をケアします。そのあとで左側のpH(ペーハー)調整トナーを肌にスプレーして、指先でタイピングするように浸透させていきます。日焼けしたあとの肌はペーハーが中性に傾き、バリア機能が低下して雑菌に負けやすくなっていたり、炎症を起こしやすくなってしまったりしています。ペーハーを弱酸性に整えることで、肌の健康を保つことができます」
4. うっすらシミに! 日焼けしたあとが残ってしまっている場合
日焼けしてしまったあと、シミがうっすら見えてきている場合は、集中的にその部分をケアしましょう。「オススメは、ビタミンCの入っている化粧水や美容液などをシミに直接塗っていく方法です。ただ塗るだけでなく、血行がよくなるよう指の腹でポンポンと肌をやさしく叩くようにマッサージしていきます」
“日差し=悪”と考えず、上手に太陽とつきあう
日焼けは体によくない!というイメージを持つ人は多いかもしれませんが、太陽の光は人間が生きていく上で、なくてはならないものでもあります。太陽の光には殺菌作用があり、健康な皮膚を保つのに必要な上、体内にビタミンDを生成する働きもあります。ビタミンDは骨の成長になくてはならない栄養素で、不足すると免疫低下を引き起こしたり、骨密度がスカスカになってしまったりすることも。また、細胞の成長がうまくいかず、ターンオーバーしにくくなったり、傷が治りにくくなったりすることもあります。
「外に出て日差しを浴びることは、肌にとってとても大切なことなんです。日焼け止めや帽子などでカバーしながら太陽を浴びることが、肌トラブルを防ぐ方法のひとつでもあるので、上手につきあっていけるといいですね」
日に日に紫外線が強くなっていく今、油断してしまったときもケアの仕方を覚えておけば、肌トラブルを最小限に抑えながら過ごすことができます。日焼けを怖がって外出を控えるのではなく、日焼け前の準備や日焼け後の対策をしながら、外出自体も楽しめるといいですね。
【プロフィール】
セラピスト / 佐古みゆき
STUNNING代表・オーナーセラピスト。ITベンチャー企業で働いた後、アロマセラピーを専攻しセラピストの道へ。老舗エステサロンでマネージャーとして7年の勤務を経て独立。その後は国内外からのセッション依頼を受けると同時に、さまざまなセラピーを現地で学びセラピストとしての知識・ネットワークをグローバルに形成。2019年、自身がオーナーとなるリラクシングビューティースパ「STUNNING」を中目黒にオープン。確かな結果が口づてに伝わり、日本全国、ニューヨークやパリ、台湾などからの海外セレブもお忍びで訪れる本格サロンへと成長している。
STUNNING(スタニング)
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