ヘルスケア
2021/7/30 19:10

腰痛緩和と産後ダイエットに効果的!「骨盤を正しい位置に保つ」方法を「キック整体」の伝道師に聞く

「自慢のキックで骨盤を矯正する元格闘家チャンピオンがいる!」そんな噂を聞きつけ、さっそく突撃取材を敢行。イメージとは裏腹にやさしい笑顔で迎え入れてくれたのは、“キック”を利用して身体のコンディショニングケアを行うキック整体師・中西良行さん。慢性的な腰痛の緩和や、産後ダイエットなどに効果的と言われる内藤式骨盤矯正「キック整体」と、日常生活でできるケアについて、話をうかがいました。

 

整体師/中西良行さん

元DEEPライトヘビー級・ミドル級チャンピオン。柔道、ロシアの格闘技「サンボ」の選手を経て、総合格闘家に転身。2010年にDEEP初代ライトヘビー級王者、2014年にミドル級王者となり、DEEP史上初の2階級制覇を成し遂げた。2019年に引退。格闘家の活動の傍ら、横浜整体療術院の故・内藤森雄院長に弟子入りし、整体師として独立した。現在は出張専門の接骨師として、一般からアスリートまで骨盤矯正によるコンディショニングケアを行っている。

 

「キックで施術すると改善効果が3倍速」

―――中西さんの施術は、手だけではなく足で蹴って骨盤を矯正するそうですが、なぜ足を使うのでしょうか?

 

中西「一言でいうと、足のほうが改善効果が高いからです。通常、整体の仕事はおもに手技で骨格のゆがみを矯正し、筋肉や内臓のバランスを整えていきます。骨盤のゆがみを正しくするためには、どうしても力を入れる必要があります。通常、足の筋肉は手(腕)の筋肉よりも多く、力の差は3倍あると言われています」

 

―――つまり施術効果も3倍の違いがあると?

 

中西「その通りです」

 

―――3倍速で痛みが消えるのはいいですね! でも、骨盤を蹴られるのを想像しただけで痛そうです。

 

中西「いえいえ、そんなことはありません。もちろん足を使う施術に抵抗感があるのであれば、遠慮なくお申し付けください(笑)。ただ、患者さんからはそういったリクエストはほとんどありません。蹴っているのに痛い! と言われるより、楽になる! と言われます」

 

―――蹴ってありがたがられるお仕事って、なかなかありませんね。

 

中西「そうですね(笑)。私の場合は、手だけではなく足も使って施術するため、患者さんから“キック整体”と呼ばれています。もちろん素人の方がただ蹴ったら、骨盤を痛めることになりますから絶対に真似しないでください」

 

25年間の治療実績をベースにした内藤式骨盤矯正

―――そもそも、“キック整体”をどのように身につけたのですか?

 

中西「この施術との出会いは、今から10年前です。当時、私は総合格闘技の選手として活動していました。怪我がつきものの仕事ですから、日々、身体のメンテナンスに追われていました。そこで怪我予防もかねて、いい整体師を探していたところ、この治療を行っている先生を紹介してもらいました」

 

―――最初は中西さんも患者さんとして“蹴られる”立場だったんですね(笑)

 

中西「そうです(笑)。正直、最初は私も患者さんが蹴られる姿を見て怖かったです。でも、たった一度の治療ですごく身体が軽くなって、身体のゆがみが消えたのが実感できたのです。身体が軽くなって身体のパフォーマンスも上がって、翌年には日本チャンピオンにもなれました」

 

―――中西さんの人生を変えた先生というわけですね。

 

中西「大恩人です。その方は横浜整体療術院の内藤森雄先生さんといいます。残念ながら今はもう亡くなられていますが、横浜の三ツ境という場所で25年間、毎日朝5時から夜まで治療にあたっていました。アスリートの方やお年寄りの方、末期がん患者の方まで、いろんな慢性疾患や難病を持った方たちが日本中からいらしていました」

 

―――それはすごい!

 

中西「クチコミだけなのに、なかなか予約が取れなくて連日長蛇の列ができていました。そこで『たくさんの人を治したい』という思いから、足の力を使うようになった。内藤先生が生み出した施術なので、正式にはキック整体ではなく、“内藤式骨盤矯正”といいます」

 

―――なるほど。そういう経緯があったのですね。

 

中西「通いはじめた頃、お弟子さんを募集していたのですぐに弟子入りし、格闘家の活動の傍ら、内藤先生のもと必死に骨盤矯正の技術を教わりました。現在は私を含め、お弟子さんたちが先生の遺志と技術を受け継いで活動しています」

 

↑ヘルニア痛に悩むライターが「キック整体」を体験! 最初はキックの衝撃に驚いたものの、あれ、痛くない……。施術後は骨盤のゆがみが取れ、「腰が軽くなった」と感激

 

腰痛緩和と産後ダイエットに効果的な“骨盤矯正”

―――その伝説の先生から受け継いだ「内藤式骨盤矯正」。具体的にはどのような理論と効果があるのでしょうか?

 

中西「内藤式骨盤矯正は、簡単にいうと、『骨盤のゆがみを取り除けば身体の健康は維持できる』というものです。骨盤がゆがむと、慢性症状、難病などあらゆる不調の原因につながります。そうならないために、骨盤矯正が必要なんです」

 

―――常に骨盤が正しい位置にある状態で生活していれば、健康でいられるのですか?

 

中西「そうです。骨盤は身体の中心にある、身体の健康を支える基本(軸)です。人間の身体は、日常生活を送るうちにいろいろなクセが出てきます。それによって骨盤がゆがんだまま生活をしていれば、当然、慢性の腰痛にもつながります。骨盤を矯正すればほとんどの腰痛は解消できるでしょう」

 

―――骨盤を矯正すると、ダイエットにも効果があると聞きますが?

 

中西「そうですね。姿勢が悪くなると、胃腸などの内臓も正常に働かなくなります。逆に言えば、骨盤を矯正すれば、内臓の働きが良くなって代謝が上がり、すぐにダイエット効果も期待できるわけです。私がこれまで施術したお客さんも、すぐに効果が出ています。統計的には、一度の施術でウエスト2〜3センチは細くなっていますね」

 

―――たった一度の施術で痩せるんですか?

 

中西「背骨も真っ直ぐになるので姿勢もよくなり、すぐにヒップアップもします。美容の観点からみても、骨盤のゆがみを解消させるのはおすすめです。お客さんのなかには産後ダイエットに悩んで来られる方も多く、4割くらいは妊婦の方です」

 

―――なるほど! では、骨盤を正しい位置に保つために、普段の生活から気をつけるべきことはありますか?

 

中西「何もしないことです(笑)。身体を動かさなければ骨盤や骨格はゆがまないので、身体のクセは生まれません」

 

―――それでは生活できません……。

 

中西「それは冗談として、とくに気をつけていただきたいのは、骨盤や背骨が曲がる動作は避けるということです。『椅子に座るときは足を組まない』『座敷や板の間で横座りをしない』『寝っ転がってひじ枕をしない』『前かがみになって自転車に乗らない』などに注意しながら生活を送るように心がけましょう。パソコンやスマホも、前屈みになって姿勢が悪くなる原因になるので控えたほうがいいですね」

 

―――現代社会では、パソコンやスマホがないと生活も仕事もできません。どうしたらいいでしょうか?

 

中西「とにかく暇さえあれば、“上を向く”ことを意識してださい。胸を張り、天井を見るように頭を上げて上体を反らすこと。そうすれば、背筋が伸びて骨盤が立って姿勢が良くなります。それでも、もし骨盤や背骨がゆがんでいるなって感じた場合は、私のところにご連絡ください。キック一発で取り除いてさしあげます」

 

キック整体師・中西良行さん流
スキマ時間にできる! 腰痛緩和&ダイエットに効果的なストレッチ

腰痛やコロナ太りに悩んでいるビジネスパーソンのために、キック整体師・中西さんから誰でも簡単にできるストレッチを紹介していただきました。産後ダイエットに悩んでいる女性にも効果があるそうですので、仕事の休憩時間などを利用して試してみてください。

 

<身体の上体を反らす>

「インタビューでも少し触れましたが、正しい姿勢を保つには、身体の上体を反らすストレッチ運動がおすすめです。まず、胸を張って背筋を伸ばして立ちます。続いて両手をお尻の位置にあて、上体を反らしていきます。首やお腹が伸びているのを感じながら、できるだけゆっくりと行います。骨盤がゆがんでいると、長く時間、上体を反らすことができません。健康のバロメーターにもなりますので、スキマ時間を使って日常生活に取り入れましょう」(中西さん)

・目安=5回

 


1. 胸を張って背筋を伸ばして立ち、両手をお尻の位置にあててから始めます。

 


2. 両手の置く位置は「腰」ではなく「お尻」です。上体を反らす際も両手でお尻を押しながら行います。

 


3.頭を上げ、首やお腹が伸びているのを感じながら、上体をゆっくり反らしていきましょう。

 


4. 限界まで上体を反らしてから、ゆっくりと元の体勢に戻します。写真のように天井まで見ることができれば骨盤が正しい位置にあるといえるでしょう。

 

妊娠中や産後の腰・骨盤を日常的に支える「マタニティサポーター」

腰や骨盤の痛みは、デスクワークの多いビジネスパーソンのほか、産前産後の女性の多くが抱える悩みです。中西さんには、骨盤を正しい位置に保つ重要性と、骨盤を整えるための上体を反らすストレッチを教えていただきましたが、骨盤を日常的に正しい位置に支えてくれるのが、マタニティサポーターです。

妊娠してお腹が大きくなると、腰や骨盤に負担がかかります。サポーターをつけると、体型の変化によって生じる背中や腹部、腰の痛みを圧迫感なく和らげてくれるのです。今回は、妊娠中や産後の腰や骨盤の痛みで悩んでいる人のために、マタニティサポーターを編集部がピックアップしました。

↑マタニティサポーターは、姿勢を矯正して痛みを取り除きます

 

1. 妊娠中から産後までベルトを調整しながら腰をやさしくしっかりサポート

↑チュアンヌ公式サイトより

チュアンヌ
ロンバマム
1万9800円(税込)

フランスの老舗医療メーカー・チュアンヌ社の姿勢矯正マタニティベルト。人間工学に基づいて設定されており、縦幅の広いベルトで妊娠中のお腹・背中・腰をやさしく包み込んでサポート。脊髄を正しい位置に保ちながら、背面タブを引っ張るだけで誰でも簡単に装着できます。長短2種類のサポートバンドが付いているので、お腹の大きさに合わせて産前から産後まで自在に調整が可能です。

【スペック】
・サポ-ト部位:腰
・サイズ:腰回り(82〜125cm)
・色:白

 

2. 骨盤周りの3つのポイント(仙腸関節〜大転子〜恥骨結合)を環状にサポート

※ワコール公式サイトより

ワコール
産前産後兼用 骨盤ベルト
7150円(税込)

ワコール社の骨盤ベルト。骨盤まわりの3つのポイント(仙腸関節〜大転子〜恥骨結合)を環境に支え、産前・産後のゆるみがちな骨盤をサポートします。滑りにくいテープや背中部分にストレッチ素材を使用し、ズレにくいのが特徴です。

【スペック】
・サポ-ト部位:腰
・サイズ:S(82〜90cm)・M(87〜95cm)・L(92〜100cm)・LL(97〜105cm)
・色:黒・ベージュ・ピンク・ターコイズ

 

3. 大きくなったおなかを下から持ち上げるようにサポート

※犬印本舗公式サイトより

犬印本舗
妊婦帯 骨盤ベルトタイプ
4950円(税込)

犬印本舗社が提供する産前・産後用の骨盤ベルト。下から持ち上げるように支える設計のため、大きくなったお腹を締め付けたり圧迫したりしません。産前は身体のバランスの変化にともなう腰痛の痛みを緩和し、産後は骨盤関節のゆがみの回復を促します。

【スペック】
・サポ-ト部位:腰
・サイズ:M(85〜98cm)・L(90〜103cm)・LL(95〜108cm、※LLは税込5170円)
・色:黒・ピンク

 

【中西良行さんへの施術依頼はこちらへ】
基本料金:(税込・出張料込み ※遠方の方は要相談)
メール:naka198504@gmail.com

 

インタビュー・文/小須田泰二 撮影/泉山美代子