家電
照明器具
2017/3/3 16:00

「生活を整えるLED」で人はどう変わるのか? 大好評のフィリップスHue白色モデルを息子の部屋に付けてみた

ここ数年、生活リズムを整えるために光の採り入れ方が重要だということが知られてきました。例えば朝は、朝日を浴びると体が覚醒して活動的になり、夜は薄暗い光が心を落ち着かせ、穏やかな眠りに導いてくれるといいます。では、人工の光を使って生活リズムを整える方法はない? そんな発想を現実にしたのが、昨年12月に発売された「Philips Hue ホワイトグラデーション」(以下ホワイトグラデーション)です。

 

白色に特化したシンプルモデルを息子の部屋で使いたい!

20161208-s5-1
【SPEC】●口金:E26●ランプ消費電力:10W●寿命:2万5000時間●シングルランプルーメン出力: 800lm/4000K、400lm/2200K、570lm/2700K、480lm/6500K

 

通常の「Philips Hue」(以下Hue)は、Wi-Fi環境下で専用ブリッジを介してスマートフォンで操れるLEDランプ。1600万色を超える色を表現できるのが売りとなっています。一方、「ホワイトグラデーション」は、通常のHueと違って色は白色のみ。ただし、温かみのある白からスッキリとした白まで色温度を自在に変えられ、日常のさまざまなシーンに合わせた光を手軽に演出できます。また、シンプルゆえに価格が手ごろなのも大きなメリット。

 

実際、フィリップス提供の資料によると、「ホワイトグラデーション」の売れ行きが好調とのこと。Hueのカラーランプと比較すると2倍の売れ行きとなっており、一部では品薄状態になったこともあるのだとか。

 

さて、筆者はというと、この製品を知ったとき、すぐさま「息子の部屋に使いたい!」と思いました。実は息子の部屋は、リビング・ダイニング隣の和室なのですが、部屋に窓がないためふすまを開け放っても薄暗く、日中でも電気をつける必要があります。しかもいま使っている照明は温かみのある光のため、いまいち気持ちにメリハリがつかないのも気になっていました。そこでさっそく、息子の部屋の照明を「ホワイトグラデーション」に付け替えてみました。

↑日中、自然光を採りこんでも薄暗い息子の子ども部屋。照明は温かみのある色(右)で、朝に点灯してもシャキッと目覚めにくい様子
↑ホワイトグラデーションを取り入れる前の部屋。日中、自然光を採りこんでも薄暗い状態です。照明は温かみのある色(右)で、朝に点灯してもシャキッと目覚めにくい様子

 

すぐ使い始められるリモコン付きでWi-Fi接続もカンタン

用意したのは、同モデルのスターターセット。LEDランプ2つとブリッジ1つ、そしてDimmerスイッチと呼ばれるリモコンが1つ同梱されています。

※初出の記事では、本製品が「ブリッジを介さず、Dimmerスイッチだけでも操作できる」とありましたが、Dimmerスイッチにはブリッジが必要ですので、この部分を削除致しました。訂正してお詫び致します

↑「Philips Hue ホワイトグラデーション」のスターターセット。税抜1万4800円
↑「Philips Hue ホワイトグラデーション」のスターターセット(税抜1万4800円)の内容。ランプとDimmerスイッチは単品で購入して追加もできます

 

↑こちらがDimmerスイッチ。本体とペアリングするだけでオン/オフのほか、4つの色温度が設定できます
↑こちらがDimmerスイッチ。本体とペアリングするだけでオン/オフのほか、4つの色温度が設定できます

 

まずはブリッジの設定。「初期設定が難しそう」と敬遠する人が多いかもしれませんが、実際は、さほど難しくはありません。スマートフォンに専用アプリをダウンロードしたら、あとはブリッジをルーターにつなげるなど、指示に従って設定していくだけです。

↑ブリッジの接続が面倒くさそう……と思いきや、やってみると意外と簡単!
↑ブリッジの接続が面倒くさそう……と思いきや、やってみると意外と簡単。専用アプリをダウンロードすれば、操作方法を指示してくれます

 

続いては照明の交換。今回、2つのランプを取り付ける必要があったのですが、幸いニトリで2灯用のソケット(税込1790円)が買えたので、こちらを取り付けました。ちなみに口金はE26です。

↑従来のシェードランプを取り外し、ソケットとランプを取り付けました。現在は「裸電球」状態ですが、シェードは改めてお気に入りを探す予定
↑従来のシェードランプを取り外し、ソケットとランプを取り付け。現在は「裸電球」状態ですが、シェードは改めてお気に入りを探す予定

 

準備完了! あとはアプリがHueを探して接続してくれるはずです。もしうまく見つけられなかった場合は、ランプに記載のID番号を直接入力し、手動で設定することも可能です。こうして無事、子ども部屋2つのランプとスマートフォンが接続できたので、さっそく色温度を変えてみました。

 

同じ白でも色温度でまったく違う空間に

アプリに表示された「ホワイト各種」を選ぶと、上から黄色~白~青とグラデーションの画面が表示されます。そこで、好みの色を指でタッチすると、ランプの色がその色に変わりました。また「レシピ」には、「くつろぐ」「読書をする」「集中する」「やる気を出す」と4つのシーンに最適と考えられる色温度が設定されており、ワンタッチでレシピを呼び出すことができます。

↑好みの色が指定できるアプリの「ホワイト各種」画面。一口に「ホワイト」と言っても、黄みがかった色から青みがかった色までいろいろ
↑好みの色が指定できるアプリの「ホワイト各種」画面。一口に「ホワイト」と言っても、黄みがかった色から青みがかった色までいろいろ

 

↑「レシピ」では、同社が作成したライトレシピによって設定された、4つのシーンが簡単に選べます
↑「レシピ」では、同社が作成したライトレシピ4種類から選べます

 

さっそくこの「レシピ」を試してみるとビックリ。同じ白でも、色温度によって空間の雰囲気がガラリと変わりました。確かにこれだけ雰囲気が変われば、気持ちも大きく影響を受けそうです。

左から「くつろぐ」「読書をする」「集中する」「やる気を出す」。一番右の「やる気を出す」などは、まさに真っ昼間のような明るさ!
↑左から「くつろぐ」「読書をする」「集中する」「やる気を出す」。一番右の「やる気を出す」などは、まさに真っ昼間のような明るさ!

 

このライトのレシピは、息子の部屋でそのまま使いました。例えば朝起きたら「やる気を出す」光でしっかりと目覚めてもらい、勉強するときは「集中する」、夕食後、寝るまでの時間は「読書をする」または「くつろぐ」を選択しました。

 

この色温度の設定、面倒になってくるかと思いきや、意外なほどこまめに調整している自分がいました(笑)。例えば息子が勉強しているときは、そっと「集中する」に切り替え、寝る前に本を読んでいたら「読書をする」に切り替える……といった具合です。部屋での過ごし方を見るだけで、「いま、こんな光にしたら気持ちいいだろう」というのが直感的に感じられるようになり、それに合わせて光の選択ができるようになってきました(ただ、実際に部屋で過ごしているのは息子なので、自分で調整したくなったらDimmerスイッチを使ってもらえばOK)。

↑光が明るすぎると感じたら、少し暗くするなど微調整できるのもアプリ操作ならでは
↑光が明るすぎると感じたら、少し暗くするなど微調整できるのもアプリ操作ならでは

 

↑「息子よ、がんばれ」と陰ながら応援しつつ、そっと“集中”を押す
↑「息子よ、がんばれ」と陰ながら応援しつつ、そっと“集中”を押す

 

フェードイン機能で息子が布団でダラダラする時間が減った!

個人的に、とても気に入った機能があります。それが、「起床」機能。目覚まし時計を使うと、たとえ自分が熟睡の真っただ中にいようとも、無理やりたたき起こされる形になり、寝覚めはよくありません。そのため、筆者はいつも眠るときにカーテンを開けておき、朝日で心地よく目覚められるようにしています。

 

しかし息子の部屋には窓がない! そこで役立つのが、この「起床」機能です。起床時間と「フェードイン」時間をセットすると、設定した時間をかけてゆっくりとランプが明るくなり、起床時間に完全に点灯。つまり日の出と同じように、徐々に明るさを増していくことで、眠りを浅くしてくれるのです。

↑フェードインを20分に設定すると、起床予定時間の20分前から徐々に明るくなります
↑アプリの設定画面。フェードインを20分に設定すると、起床予定時間の20分前から徐々に明るくなります

 

実際にフェードインしていく動画はコチラ

この起床機能を使い始めたところ、息子が目を覚ましてから、布団の中でダラダラする時間が格段に減りました。さらに「起きたな」と思ったら間髪入れず、ライトレシピの「やる気を出す」の光に変えれば、もう完璧(笑)。

 

ひとつの部屋を様々な用途に使う人に導入してほしい

今回、光の色温度をいろいろ使い分けてみて、人間の心と体が光から受ける影響が極めて大きいことを、身をもって体感しました。とにかく、ボタンひとつで気持ちを切り替えたり、生活リズムを整えたりできるのが便利。リビング・ダイニングで使うのはもちろんのこと、本モデルは特に同じ部屋で本を読んだり、勉強したり、眠ったりする子ども部屋で真価を発揮すると感じました。その意味で、ワンルームで暮らす一人暮らしにもオススメですね。非日常空間が作れるHueのカラーモデルも魅力的ですが、価格の面(Philips Hueスターターセットv2・税抜2万6800円)でも、まずはホワイトグラデーションを取り入れてみてはいかがでしょうか。