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炊飯器
2017/8/30 18:22

「玄米が続かない人」ほど試してほしい! 玄米のイメージを覆す「混合コース」を搭載した東芝・真空圧力IHジャー

ふっくらモチモチした美味しい新米の季節を前に、東芝ホームテクノが真空圧力IHジャー炊飯器の2017年モデル「RC-10ZWL」の新製品セミナーを開催。62年前、国内で初めて電気炊飯器を発売した東芝は、初号機以来ずっとかまどでの炊き上がりを理想として研究・開発を重ね、「真空圧力IH」に辿り着きました。2016年モデルでは伝統的な羽釜形状を取り入れた「備長炭かまど本羽釜」を採用。そして、今回発表された2017年モデルではそのこだわりにさらに磨きをかけ、大きく3点の改良が加えられたとのこと。本稿では、実食の感想を交え、その特徴を解説していきます。

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↑9月中旬に発売を控える「RC-10ZWL」。カラーはグランホワイト(W)とグランブラック(K)の2色で展開。参考価格は13万8240円

 

【改良点1】3つの技術を組み合わせた「合わせ炊き」

改良点の1つめは、お米本来のおいしさを引き出す「合わせ炊き」です。

 

「合わせ炊き」は、①炊飯器内の空気を真空ポンプで抜き取り、お米の中から空気を抜き出してしっかり水を含ませる「真空αテクノロジー」、②炊飯時に圧力をかけて最高105℃の高温で加熱する「圧力可変コントロール」、③大きな熱対流を生み出す、60°の傾斜をもつ内釜の「丸底」の3つの技術を組み合わせることで実現。芯まで給水させたお米を、圧力をかけながら激しい熱対流のなかで炊き上げることで、ごはんの甘みと粘りをしっかりと引き出します。

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↑「真空αテクノロジー」の給水効果を示すため、大根に色の付いた水を給水させるデモを実演。大根を持つのは、東芝で“釜仙人”の異名を持つ守道信昭氏

 

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↑左が合わせ炊き非搭載モデル、右が新製品のRC-10ZWLで給水させた大根。RC-10ZWLだと水の浸透が進んでいることがわかります。そして、水をたっぷり含んだお米は、ふっくら大きく炊き上がります

 

また、これまでよりも硬め(しゃっきり)や、逆にもっとやわらかめ(もちもち)といった炊き方が可能になり、炊き分けの幅が従来の9通りから11通りにまで拡大しました。さらに、甘みを強調して炊く「甘み炊き」コースも新たに搭載。「甘み炊き」では3通りの食感炊き分けが可能なため、合わせて14通りも炊き分けられることになります。

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↑炊き分けの幅が11段階から選べます

 

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↑甘みを強調して炊くコースも3通りを用意

 

【改良点2】従来比約26%コンパクト化

2つめの改良点は、昨年モデルで指摘の多かった本体の大きさの見直しです。他社同クラスの製品と比べてもひときわ大きかったものを、体積比で約26%ダウンさせています。

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↑羽釜にならったという丸底の内釜も、昨年モデルより少し小さく、軽くなっています

 

コンパクト化に際してはモーターの位置と空気の流路を工夫しています。従来底面だった吸気口を本体の後方下部に配置することで、空気を勢い良く吸い込めるようになり、冷却効率もアップ。特に、水分を素早く蒸発させる処理が重要なしゃっきりめの炊き上げでは、より多くの水分を一度に蒸発させられるようになったことで、従来よりもさらにしゃっきりとした炊き上がりになったといいます。

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↑昨年モデルより本体が小さくなり、操作部は静電タッチパネルではなく液晶とボタン式に戻しています

 

【改良点3】白米+玄米の混合炊きニーズに対応

3つめの改良点は、健康志向を反映した白米と玄米の混合コースの追加。従来モデルから、白米だけでなく玄米も美味しく炊飯できることを特徴として謳っていましたが、玄米と白米を混ぜて炊飯したいというニーズも高く、今回はそれに応える形となりました。玄米を混ぜたごはんを炊くとき、どのコースで炊けば良いのかわからない、適当に選ぶと上手く炊けない、そんな経験のある人には魅力的なコースですね。

 

セミナーでは、それぞれのコースで炊いたごはんを食べ比べる時間も設けられました。炊き上がったごはんは、今回同社のプロモーションに協力する東京・桜新町の三田精米店の四代目店主、三田大輔氏が一口サイズのおにぎりにし、あえて炊き上がりから2時間ほど経過した粗熱の取れた状態で試食しました。

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↑三田精米店の四代目店主、三田大輔氏は、ごはんソムリエや五つ星お米マイスター、雑穀エキスパートなどの資格を持つ、ごはんの達人です

 

今回試食したのは、玄米白米混合コースのあり・なし、新搭載の甘み炊きコース、食感の炊き分け3パターンの計6種類のコースで炊かれたごはんです。

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↑左から、(1)玄米と白米を玄米白米混合コース非搭載機種で炊飯、(2)ZWL玄米白米混合コース。割合は白米2:玄米1、(3)ZWL甘み炊きコース「もちもち」、(4)ZWLかまど名人コース「もちもち」、(5)ZWLかまど名人コース「おすすめ」。(6)ZWLかまど名人コース「しゃっきり」

 

まず、白米の4つを食べ比べて感じたのは、「しゃっきり」の硬さ、「もちもち」のやわらかさがしっかり炊き分けられていること。口に入れてすぐに違いがわかりました。具体的には、「しゃっきり」は口に入れたときの弾力が強く、噛んでいるうちに甘みが広がります。カレーや親子丼、あるいは汁気の多いおかずとの組み合わせにピッタリ。「もちもち」は口に入れた途端に甘みが広がるイメージ。ハンバーグや照り焼きなど、こってりした味の濃いおかずと相性がよさそうです。「おすすめ」はちょうどその中間。硬すぎず、やわらかすぎず、どんなおかずにも合うでしょう。

 

【改良点1】でも紹介した「甘み炊き」は、甘みを強調して炊くコース。食感を「しゃっきり」「おすすめ」「もちもち」の3コースから選べますが、一般的にもちもちしたやわらかめの炊き加減はごはんの甘さが強調されるため、今回試食した甘み炊きの「もちもち」が、全14通りのなかで最も甘くなります。冷めても本当に甘いので、お弁当やおにぎりに最適です。

 

驚いたのは玄米。玄米白米混合コース非搭載機種で炊いたごはんは、玄米のほうが白米よりも歯ごたえがあり、飲み下したあとも口の中に玄米が残るような感覚がありました。しかし、玄米白米混合コースを搭載する「RC-10ZWL」で炊いたごはんは、玄米のクセが抑えられ、全体の歯ごたえは残しながらも雑味のないスッキリした味わい。白米と玄米の歯ごたえがそれほど違わないので、玄米や雑穀米は苦手という人でも安心して食べられそうです。

 

試食全体を通して感じたのは、やはり「甘み」。炊飯器をごはんの甘さ重視で選びたい人、噛みごたえがあってもしっかり甘いごはんが好きな人には特におすすめです。また、玄米白米混合コースの搭載から、玄米食を取り入れたいという健康志向のユーザーにもぴったりな1台といえるでしょう。

 

【SPEC】

●発売:9月中旬 ●参考価格:13万8240円 ●サイズ:W245×D328×H228mm ●質量:7.2kg ●消費電力:1420W ●最大炊飯容量:1.0L(5.5合)