今シーズン登場した大手空気清浄機メーカーの最新モデルは、各社の最新技術を投入した意欲作揃いです。そんな最新モデルのなかから5機種を厳選。“家電のプロ”戸井田園子さんが、それぞれの実力をじっくり検証しました。
チェック人
家電コーディネーター 戸井田園子さん
消費者目線に立った製品評価でおなじみ。空気清浄機の主要機種は欠かさず自宅でチェックしています。
空気清浄機利用者の悩みは花粉と面倒なフィルター掃除
空気清浄機の最近のトレンドは「花粉・ニオイ除去」「メンテナンスの軽減」。花粉除去に関しては、室内で気になる空気の汚れに「花粉」を上げる声が多く、それに対する機能を各社強化しています。メンテナンスに関してはフィルター掃除の自動化の流れができつつあります。
今回試した5機種のなかで、パナソニックと日立は花粉除去に効果的な気流制御技術を採用しています。ニオイ除去ではダイキンがツインストリーマにより有害化学物質を分解し、脱臭力が従来の2倍に向上。ダイソンは花粉からニオイ、有害ガスまで捕集できる高機能フィルターを採用しています。フィルターの手入れの手軽さでは、自動掃除機能採用の日立とシャープに注目。さらに「IoT化」もトレンドのひとつに。シャープはAIoTクラウド連携の自動運転機能を強化し、新たな可能性を示しています。
その1
花粉撃退気流など様々な気流で室内の空気を清浄!
パナソニック
加湿空気清浄機 F-VXP90
実売価格8万3850円
ハウスダストのなかでも重い花粉を効率的に吸引する気流など多彩な気流を搭載。花粉除去性能は従来の約2倍に向上しました。OHラジカル量がナノイーの10倍の「ナノイーX」で脱臭力もアップ。●サイズ/質量:W398×H640×D268㎜/11.8㎏ ●空気清浄適用床面積〜40畳 ●空気清浄時間8畳/約7分 ●最大加湿量870㎖/h ●フィルター交換目安約10年
2本の気流で床上の花粉を本体下部に導き吸引。送風と吸気が干渉せず、花粉が舞い上がりにくいです。
フィルターは簡単に着脱。集じんフィルターは掃除機でホコリ除去。脱臭フィルターは手入れ不要です。
戸井田’s CHECK
状況を先読みする独自のプログラムで快適!
「多彩な運転モードで集じん性抜群。状況を先読みするなど、独自のプログラムで自動運転し、人が操作しなくても快適性を高めてくれます」
その2
AIで空気環境や使い方を学び最適な自動運転を選択
シャープ
プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-HX75
実売価格8万1460円
AIが空気環境や使い方を学習する機種。クラウド上のAIと連携し、花粉の時期には自動で花粉除去運転に切り替わります。空気清浄の効果が実感できるモードやフィルター自動掃除機能を装備。●サイズ/質量:W405×H666×D316㎜/約12㎏ ●空気清浄適用床面積〜34畳 ●空気清浄時間8畳/9分 ●最大加湿量750㎖/h ●フィルター交換目安約10年
部屋の隅々に風が行き渡る循環気流を実現。プラズマクラスターがホコリの静電気を除去し、効率良く集じんします。
本体背面の「自動掃除パワーユニット」がプレフィルターを定期的に掃除。ゴミ捨ては約半年に1回。
戸井田’s CHECK
人工知能が自ら考えて空気清浄するのが新しい
「AIで状況に合わせて運転する次世代型。フィルター自動掃除で手入れを軽減し、プラズマクラスターで付着菌やニオイの抑制も期待できます」
その3
増強したストリーマで花粉や有害ガスを分解
ダイキン工業
加湿ストリーマ空気清浄機 MCK70U
実売価格6万3500円
●サイズ/質量:W395×H600×D287㎜/12.5㎏ ●空気清浄適用床面積〜31畳 ●空気清浄時間8畳/9分 ●最大加湿量650㎖/h ●フィルター交換目安約10年
放電量を増やしたツインストリーマでフィルターに捕集した花粉を芯まで分解。有害ガスの分解スピードや脱臭性能が2倍に向上しました。集じん力が持続する「TAFUフィルター」を新採用。
集じん力が持続する「TAFUフィルター」を搭載し、電気集じんユニットをなくしたことで、メンテナンス性が向上しました。
フィルター上部に2つのストリーマユニットを搭載。フィルターに効率良く照射できる設計です。
戸井田’s CHECK 電気集じん部を省略してメンテの手間を軽減!
「独自の電気集じんの長所を残しつつ、電気集じん部をなくして手入れを省手間化。加湿を併用しても空気清浄能力が落ちないのは同社のみです」
その4
従来比約2.5倍の吸い込み速度で花粉を素早く捕集する!
日立
自動おそうじ クリエア EP-NVG110
実売価格9万1580円
8畳の清浄時間わずか6分の高性能モデル。従来機種の約2.5倍の吸い込み速度の気流で花粉を素早く捕集する「快速花粉」気流を新搭載しました。自動掃除機能でプレフィルターの清潔さを維持。●サイズ/質量:W360×H673×D291㎜/13.4㎏ ●空気清浄適用床面積〜48畳 ●空気清浄時間8畳/6分 ●最大加湿量約800㎖/h ●フィルター交換目安約10年
背面両側からワイドに吸気。「快速花粉」気流は斜め前への送風で花粉の多い床上付近に気流を起こします。
緑色の自動お掃除ユニットが、運転48時間ごとにプレフィルター上を移動しながらホコリを除去。
戸井田’s CHECK
自動掃除機能をはじめメンテのしやすさが光る
「自動お掃除機能搭載に加え、前面パネルがガラス製で手入れがラク。洗って脱臭力が回復する脱臭フィルターを採用しているのも魅力です」
その5
PM0.1や有害ガスを高性能フィルターで徹底除去
ダイソン
Dyson Pure Hot+Cool Link
空気清浄機能付ファンヒーター
実売価格6万5780円
360°集じんの空気清浄機と扇風機、ファンヒーターを融合。フィルターの活性炭量を増やし、室内の有害ガスの捕捉・分解能力を高めました。専用アプリで室内の空気の状態をモニター可能。●サイズ/質量:W222×H632×D222㎜/4.01㎏ ●空気清浄適用床面積〜8畳 ●空気清浄時間畳/約30分 ●加湿機能非搭載 ●フィルター交換目安約1年(※1日12時間使用の場合)
PM0.1レベルの粒子を99.95%除去し、清浄な空気で送風。ホルムアルデヒドなどのガスも逃しません。
360°グラスHEPAフィルターはメンテ不要で1年で交換。手入れは本体に付いたホコリの除去のみです。
戸井田’s CHECK
空気清浄できる涼風・暖房機器として大活躍!
「いち早くIoTに対応した機種。純粋な空気清浄機としてより、きれいな空気で涼風・暖房できるのがうれしい。設置性も群を抜いています」
番外編
デザインで選ぶ加湿器
2017年下半期は、加湿機能が充実しているうえに洗練されたデザインの製品が続々と登場しています。部屋に置いて使うものだからこそ、インテリア性も十分に考慮して選びたいですね。
デザインで選ぶ加湿器その1
上から水を注ぐだけのタンクレス構造!
バルミューダ
Rain Wi-Fiモデル
実売価格4万9680円
上から水を注いで給水できる加湿器。本体に取り入れた空気を酵素フィルターで分解し、清潔な蒸気で加湿します。操作は本体上部のリングを回して押すだけ。スマホ操作も可能です。●サイズ/質量:φ350×H374㎜/約5.7㎏ ●加湿方式気化式 ●適応床面積※プレハブ住宅洋室の場合・約17畳 ●最大加湿量600㎖/h ●給水ボウル容量4.2ℓ
デザインで選ぶ加湿器その2
大容量の流線型ボディで給水の手間が省けて便利
シロカ
5L加湿器 SD-C111
実売価格5980円
たまご型ボディがインテリアとしても楽しめる加湿器。容量5ℓで、最大加湿量でも約12時間加湿できる。超音波式なのでミストが熱くならず、子どものいる家庭でも安心。●サイズ/質量:約φ230×H300㎜/約1.3㎏ ●加湿方式超音波式 ●適応床面積※プレハブ住宅洋室の場合・約10畳 ●最大加湿量350㎖/h ●タンク容量約5.0ℓ
デザインで選ぶ加湿器その3
除菌とカルシウム除去性能が大幅に向上した超音波式
カドー
超音波式加湿器
STEM620
実売価格4万5900円
床や壁が濡れないマイクロミストで部屋全体を加湿。特殊抗菌プレートが水槽内のカビや雑菌を99.9%以上除菌します。水道水内のカルシウム成分除去性能も大幅アップ。●サイズ/質量:φ270×H855㎜/4.3㎏ ●加湿方式超音波式 ●適応床面積※プレハブ住宅洋室の場合・27畳 ●最大加湿量600㎖/h ●タンク容量2.3ℓ
デザインで選ぶ加湿器その4
のびやかなラインで床濡れを軽減する加湿器
ドウシシャ
ハイブリット式加湿器
実売価格1万7150円
インテリア性の高いデザインを採用したハイブリット式。高さ89㎝の吹出口からミストを放出することで床濡れを防ぎます。加湿量を4段階で調整可能です。●サイズ/質量:約φ200×H890㎜/約2.2㎏ ●加湿方式ハイブリッド式 ●適応床面積※プレハブ住宅洋室の場合・約10畳 ●最大加湿量350㎖/h ●タンク容量約3.0ℓ