【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】
本機は3合炊きモデルで少人数世帯などに最適ですが、なかには「ひとり暮らしだけど、毎日炊きたてを食べたい」という人もいるでしょう。そこで、最小炊飯量の1合でごはんを炊いて、3合で炊いた場合との食感と味の違いを調べてみました。
3合でも1合でも食感に違いを出さない炊飯技術は見事!
1合炊きにすると、炊きたての香りがやや弱まり、甘みも控えめになった印象。しかし、ごはんのふっくら感やしゃっきり感は、3合炊きとそれほど違いを感じませんでした。高級炊飯器のなかには、少量炊飯専用プログラムでおいしく炊けるモデルもありますが、本機はこれに劣ることはありません。「炊飯量によって食感や味に違いがない」という意味では、極めて優秀な部類に入るといえます。
ちなみに、炊飯量2合で炊いたところ、わずかに1合炊きよりもちもち感が強くなった印象でしたが、ふっくらかつしゃっきりした食感はそのままでした。こうした微妙な食感の違いは、食感を厳密に比較したからわかる程度のもの。米の量に対する水の量のわずかな違いと考えられ、ほぼ違いはないといえるでしょう。
【テストその4 保温性能は?】
はじめに断っておくと、この「かまどさん電気」にはヒーターによる「保温機能」は備わっていません。それは「できるだけ炊きたてを味わってほしい」というメーカーの考え方によるものです。また、土鍋は蓄熱性が高いので、1時間程度は温かいごはんが食べられるとのこと。そこで、ここでは炊飯後土鍋に1時間保存したごはんの食感と味をチェックしました。
1時間後はほの温かく、もっちり感は出るもののベタつきはナシ
茶碗によそったごはんは、さすがにヒーターで保温した場合のようにアツアツとはいきませんが、ほの温かさを保っています。食感はしゃっきり感がわずかに弱まり、そのぶんもっちり感が出て甘みがより感じられます。注目は、ごはんのベタつきがないこと。これは鍋本体が多孔質なため、炊飯直後で土鍋内に水蒸気が多いときは鍋が水分を吸収し、逆に鍋の内部が乾燥してくると、吸収していた水分をまた鍋に戻すというはたらきがあるからだといいます。
もちろん、ヒーター保温の余分な加熱がないので、ごはんの劣化はほとんどなく、臭みも感じられませんでした。どうしてもアツアツが食べたければ、このごはんを軽くレンジでチンしてもいいでしょう。