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掃除機
2018/12/24 18:00

コードレススティック掃除機の買いはどれ? ダイソン、パナ、日立を徹底チェック

シェア拡大中のコードレススティックはゴミ取り性能とスタミナが向上。一方のコード式キャニスターは軽量化を含む操作性アップに注目です。2018年〜2019年の年末年始、買うべきはどちらなのでしょうか? 専門家がA/B/Cの3段階で評価します。

 

【テストした人】

家電ライター 平島憲一郎さん

生活家電を中心に新製品紹介やレビュー記事などを執筆。掃除機の比較検証記事も数多く手がけています。

 

【テスト概要】

●吸引テストの“Before”の状態

【ゴミ取り性能】

毛足1cm弱のカーペットに砂粒大さじ2、オートミール大さじ1、人工毛髪1gをまき、2往復で掃除。各機、カーペットに適した吸引モードを使用しました。また、ヘッドの形状も確認しました。

【操作性】

掃除の快適性を見るために、掃除中の手首への負担、ヘッドの首振りのスムーズさなどをチェック。キャニスター型は急な方向転換をする際の本体の走行安定性と追随性も確認しました。

【手入れのしやすさ】

掃除機の性能を維持するには小まめなゴミ捨てと手入れが重要。ダスト容器や集じん部の掃除のしやすさをチェックしました。さらに、ヘッドブラシ部の毛絡み除去のしやすさも見ました。

【独自機能】

ヘッドや本体、アタッチメントなどの、ゴミ取り能力の高さや快適な操作につながる各社の独自機能をチェック。その機能により、具体的にどんなメリットがあるかも確認しました。

 

両カテゴリとも弱点が改善され魅力的なモデルが続々登場

掃除機分野では現在、コードレススティックのシェアがコード式キャニスターと並ぶ勢い。掃除機の買い替えを考えるユーザーは、どちらを選ぶべきか迷うところです。

 

元々コードレススティックはコードをコンセントに挿さずにすぐ掃除できる一方、充電1回の稼働時間が短く、吸引力も弱かったです。ですが近年それらの弱点は、モーターとバッテリーの改良、ヘッドの進化で克服されつつあります。一方、キャニスターは運転時間が無制限で吸引力も文句なしですが、コンセントの挿し替えは必要。のびたコードが邪魔で掃除しにくいと感じることもあります。現在はその弱点をカバーすべく、本体の軽量化や追随性アップなどの改良が続いています。

 

今回取り上げたコードレス3機種は、特にゴミ取り性能が高いです。パワーヘッド使用時の運転時間も30〜40分と長時間化しています。欠点は高所などを掃除する場合の掃除機の重さでしょう。対してキャニスター3機は、強い吸引力に加えヘッド性能が優秀。本体の重さが腕にかからず、長時間の掃除も快適で、欠点は家具の多い部屋や狭い空間を掃除しにくいことです。

 

そうした傾向を踏まえ、今回は両陣営の最新3機種ずつのゴミ取り力、操作性などを検証していきます。

 

【その1】ゴミ取り性能も使い勝手も向上し断トツの総合力!

ダイソン

Dyson Cyclone V10 Absolutepro

実売価格9万9144円

フローリング向き、カーペット向きと、2つのヘッドと多彩なアタッチメントを付属するV10の最上位モデル。小型軽量かつハイパワーな新モーターと、空気の経路の改良で吸引力が向上しました。

SPEC●最長連続使用時間:60分(※1)●充電時間:3.5時間●ヘッド形状:ソフトローラークリーナーヘッド、ダイレクトドライブクリーナーヘッド●集じん容量:非公表●サイズ/質量:W250×H1217×D245㎜/2.58㎏※1:モーター駆動でない付属ツールを使用する場合

 

↑手が届きにくい高所も掃除できる「アップトップアダプター」など、アタッチメントも充実しています

 

【ゴミ取り性能:A】

1往復でほぼ完璧に吸引!圧巻のゴミ取り力を実証

カーペット向きヘッド・モード2で吸引。1往復ですべてのゴミがほぼ完璧に取れていました。戻り走行時、奥に詰まった砂をかき出し、よくゴミを吸っていました。

 

【操作性:B】

操作感は従来機より軽めだが長時間使うと重く感じることも

長時間使うと手首への負担を感じる人もいるかもしれないが、重心が中心軸に集中しており操作感自体は軽い。ヘッドの首振りは滑らかで方向転換がラク。

 

【手入れのしやすさ:A】

ゴミ捨て時のチリの飛散を抑えられるのがうれしい

ゴミ捨てはワンタッチで可能。ダスト容器開口部をゴミ箱に突っ込んで捨てることができて、チリの飛散を抑えられます。ヘッドの毛絡みが少ないのも秀逸。

 

【独自機能:A】

使用場所に合わせた2種のメインヘッドを装備

2種のメインヘッド装備で床掃除はほぼパーフェクト! 写真左はフローリングの大小のゴミを逃さず除去、写真右はカーペット奥のゴミも強力にかき出します。

 

【その2】抜群のゴミ取り力に加え便利なアタッチメントも装備

日立

パワーブーストサイクロン PV-BFH900

実売価格9万4000円

小型ハイパワーモーター採用でメイン掃除に十分使える吸引力を誇る。アタッチメントを組み合わせ、家中立体的に掃除できます。引いたときもしっかりゴミを取る独自ヘッドを搭載。SPEC●最長連続使用時間:60分(※2)●充電時間:約3.5時間●ヘッド形状:パワフルスマートヘッド●集じん容量:0.2ℓ●サイズ/質量:W255×H1012×D308㎜/2.1㎏ ※2:パワフルスマートヘッド・ミニパワーヘッド非使用時

 

【ゴミ取り性能:A】

わずかに砂粒が残ったがゴミ取り力はかなり優秀!

強モードで掃除。カーペット奥にわずかに砂粒が残るも、かなり優秀な取れ具合でした。ヘッドを引く際も強力にゴミを取るのが良いです。

 

【操作性:B】

カーペットの上でも滑るようにヘッドが動く!

手に持つとやや重い印象ですが、自走式ヘッドが秀逸。フローリングでもカーペットでも滑るように掃除できました。グリップも握りやすい。

 

【手入れのしやすさ:A】

簡単ゴミ捨てなど手入れの手間を軽減

ボタンをワンプッシュでゴミ捨てできた。フィルターやダスト容器は水洗い可能。回転ブラシの着脱がしやすいのもうれしい。

 

【独自機能:B】

気になる排気を身体に当てない工夫が◎

排気は少々強め。ただし、「排気方向切替えシャッター」により、排気が直接身体に当たらないようにできるのはうれしいです。

 

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