コード式キャニスターは軽量化を含む操作性アップに注目です。実際、いま買うべきなのはどれなのか? 今回は、コード付キャニスターの最新3モデルを4つの項目でチェックしました!
【テスト項目はコチラ】
①ゴミ取り性能
毛足1cm弱のカーペットに砂粒大さじ2、オートミール大さじ1、人工毛髪1gをまき、2往復で掃除。各機、カーペットに適した吸引モードを使用しました。また、ヘッドの形状も確認しました。
②操作性
掃除の快適性を見るために、掃除中の手首への負担、ヘッドの首振りのスムーズさなどをチェック。キャニスター型は急な方向転換をする際の本体の走行安定性と追随性も確認しました。
③手入れのしやすさ
掃除機の性能を維持するには小まめなゴミ捨てと手入れが重要。ダスト容器や集じん部の掃除のしやすさをチェックしました。さらに、ヘッドブラシ部の毛絡み除去のしやすさも見ました。
④独自機能
ヘッドや本体、アタッチメントなどの、ゴミ取り能力の高さや快適な操作につながる各社の独自機能をチェック。その機能により、具体的にどんなメリットがあるかも確認しました。
【判定した人】
家電ライター
平島憲一郎さん
生活家電を中心に新製品紹介やレビュー記事などを執筆。掃除機の比較検証記事も数多く手がけています。
その1
圧巻の吸引力に加えて掃除の快適さが格段に向上
日立
パワーブーストサイクロン
CV-SF900
実売価格6万5780円
ホース、ヘッドの軽量化とパイプの細径化を実現し、掃除時の身体への負担を軽減。ヘッド前後のフラップが同期して開閉し、押しても引いてもゴミを逃さず捕えます。吸込仕事率410Wは圧巻。●サイズ/質量:W240×H290×D336㎜/3.5㎏●ヘッド形状:パワフルスマートヘッド●集じん容量:0.4ℓ●吸込仕事率:410〜約60W●運転音:54〜約49dB
【①ゴミ取り性能:A】
1往復で完璧に吸引し強力なパワーを実感!
パワーブラシ入・強モードで掃除。圧倒的な吸引力に、コードレススティッククリーナー PV-BFH900でも採用されているパワフルスマートヘッドを装備。今回一番のゴミ取り力を発揮しました。
【②操作性:B】
パイプの長さ調節が簡単にできるのがイイ!
手元のレバーを引いてヘッドを踏むとパイプの長さを調節できるのが便利。カーペット上での走行が圧倒的に軽いです。走行中の本体のガタつきはやや気になりました。
【③手入れのしやすさ:B】
回転ブラシの着脱が手軽にできて助かる!
ヘッド内の回転ブラシは取り出すのが面倒な掃除機が多いですが、これはレバーでワンタッチ着脱できます。フィルターは手での掃除が必要ですが、水洗いは可能です。
【④独自機能:A】
細部の掃除に便利なアタッチメントも充実
幅広い掃除に対応したアタッチメントを装備。特に「ほうきブラシ」はチューブ状の吸込口で、小物は吸わずにホコリだけ吸引できます。引き出し掃除などに便利。
その2
集じん部には独自のメタルコートなどを施し手入れが超ラク!
パナソニック
プチサイクロン
MC-SR560G
実売価格4万8140円
本体約2.6kgと軽量で掃除も持ち運びも快適。8気筒遠心分離ユニット採用でフィルターレスになり、手入れの手間が減りました。センサーが微細なゴミの取り残しも検知します。●サイズ/質量:W238×H290×D327㎜/2.6㎏●ヘッド形状:小型軽量パワーノズル●集じん容量:0.25ℓ●吸込仕事率:200〜約60W●運転音:61〜約57dB
【①ゴミ取り性能:B】
カーペットの奥に入った砂粒がうっすら残った
ブラシ入・強モードで掃除。カーペット奥の砂粒がうっすら残りました。V字ブラシの毛の硬度が、使用したカーペットには足りないよう。
【②操作性:A】
ヘッドが前後左右に動かせ浮いているように軽い!
軽量ヘッドが浮いているように自在に動く! 手元の重さは1.3kgで本体の追随性も良好。持ち手が長く、持つ位置が調整できて便利。
【③手入れのしやすさ:A】
面倒な集じん部の手入れが2年も不要とはうれしい!
メタルコートした集じん部は約2年手入れ要らず。本格サイクロン採用でフィルター掃除は不要です。回転ブラシの着脱がやや手間。
【④独自機能:B】
LED搭載の子ノズルなど快適さへの配慮が深い
親子両方のノズルにLEDライトを搭載。暗い場所の掃除も快適です。ヘッドに独自開発の軽量素材を採用するなど本体以外の軽量化も実現。
その3
本体の大幅軽量化やゴミの圧縮など使い勝手を追求
東芝
TORNEO V
VC-SG900X
実売価格8万6270円
ゴミを約1/7に圧縮する新機構搭載の本格サイクロン。本体質量を0.9kg軽量化し、掃除の快適性がより向上しました。吸込み幅が広い自走式ヘッドで一度に広い面を掃除。●サイズ/質量:W180×H276×D300㎜/2.3㎏●ヘッド形状:ラクトルパワーヘッド●集じん容量:0.2ℓ●吸込仕事率:180W〜約50W●運転音:64〜約58dB
【①ゴミ取り性能:C】
広範囲のゴミが取れる幅広ヘッドを採用
ブラシ入・強モードで掃除。吸い込み幅が広いヘッドで軽やかにゴミを吸い取りました。だがオートミールと砂がやや残りました。
【②操作性:B】
本体の追随性は抜群!手首への負担も少ない
本体は軽く、急な方向転換にも追随。ラウンド型ハンドルは持つ位置が自由で手首への負担が少ないです。ヘッドの首振りがやや硬かったです。
【③手入れのしやすさ:B】
ゴミ圧縮機能搭載でホコリの飛散を低減
ゴミ圧縮機能でゴミ捨て時のホコリの飛散が少ないです。ホコリがつきにくいダスト容器も便利。フィルターレスで集じん部すべて洗えます。
【④独自機能:A】
本格ふとんブラシ装備!取り回し重視の設計も◎
毎分1600回の叩き機能付き電動ふとんブラシを付属。本体の下重心設計や細径ホースなど、取り回しの快適さを重視した設計も良いです。
【結論】コード付きキャニスターでイチオシはコレ!
日立
パワーブーストサイクロン CV-SF900
カーペットのゴミ取り性能は、今回検証した機種のなかで最高。ヘッドの操作性、付属ツールの拡張性も文句なし。コードの抜き挿しが苦にならず、スピーディな掃除と掃除機がけの負担の軽さを求める人には最適な一台と言えます。