「まるごとチルド」「特鮮氷温ルーム」は食材の乾燥も抑制できる
さらに、「まるごとチルド」冷蔵室および「特鮮氷温ルーム」はともに食材が乾きにくい構造になっています。従来の冷蔵庫は1つの冷却器で冷蔵庫全体を冷やすため、吹き出し温度が約-25℃と超低温で乾燥した冷気を冷蔵室にも回していました。しかし、新モデルでは冷蔵室専用の冷却器を搭載することで、約-10℃の比較的高めで水分を含んだ冷気を冷蔵室に送り込めるようになったのです。これにより、生野菜や惣菜などは短時間の保存ならば、ラップなしでも乾燥や変色を抑えることができるようになったのです。
また、「特鮮氷温ルーム」は冷気を中に入れない気密構造とすることで、さらに乾燥に強くなっています。スライスハムなどはラップなしでも3日間は乾燥せずに鮮度を保持できるとのことです。
なお、工場出荷時はまるごとチルド機能がオン状態になっていますが、一般的な冷蔵室の温度である4~6℃に設定することも可能。水気の多い食材が凍りがちだと思ったら自分で設定温度を変更すればよいのです(ただし、「特鮮氷温ルーム」は約-1℃固定で温度設定は変えられません)。
上位モデルR-KX57Kはスマホ連携が可能
さて、「ぴったりセレクト」「特鮮氷温ルーム」を搭載した新モデルはR-KX57KとR-KW57Kの2タイプがありますが、両者の違いは「スマホ連携するか否か」です。
R-KX57Kは無線LANを搭載し、スマートホンとの連携機能を搭載したコネクテッド家電。冷蔵庫のドアが開いていたらスマホのアラームを鳴らすほか、食材管理ができる食材管理機能も搭載しています。これは、買い物してきた食材を冷蔵庫に入れる前にスマホのカメラで写真を撮ると、撮影日とともにリスト化するもの。冷蔵庫の中に何があるのかがスマホでチェックできるほか、撮影した日からの経過日数が表示され(消費期限・賞味期限も入力可能)、期限切れによる食材の破棄を防ぐこともできます。
新機能は570Lクラスで市場の評価を見る構え
ちなみに、日立は「真空チルド」や、プラチナ触媒によって野菜を眠らせるように保存する「新鮮スリープ野菜室」を搭載するモデルも継続していく考え。「ぴったりセレクト」「特鮮氷温ルーム」搭載モデルは570Lクラスで展開し、市場の評価を見る方針だといいます。
今回発表された新モデルは、ライフステージの変化に応じて引き出し室を切り替えられるのが便利な点。子どもが中高生になって弁当が必要になったら冷凍庫を増やし、子どもが独立して夫婦二人になったら野菜室を増やして健康的に、お盆・正月に子どもたちが帰省してきたら冷凍庫を増やす……というように、その時々の家族の状態で自在に変更できるのが便利です。一方で、野菜の鮮度を重視する人は「新鮮スリープ野菜室」を搭載した従来モデルを選んでもよし。今回のラインナップ拡充により、同社の冷蔵庫はより層が厚くなったといえるでしょう。