家電
冷蔵庫
2019/2/5 19:45

なんて「非常識な冷蔵庫」だ! 冷蔵室「全部チルド」かつ、下2段が「自在に切り替え可能」って…

温度コントロールを可能とするフラップとファンを新開発

この新しい使い方を実現するため、日立では大開口フラップと大風量ファンを新開発しました。引き出し上下2段を冷凍室にした場合、さらに中段の製氷室と小型冷凍室を加えると256Lの大容量を約-22℃の冷凍状態まで冷やす必要があります。その点、新開発の大風量ファンにより、冷却器の冷気を全体にすばやく回すことでこれを解決しました。

 

一方、野菜室は約6℃と高い温度にする必要があるため、大開口フラップを閉じて冷気が直接庫内に流入するのを防ぎ、冷却器からの伝熱だけで箱の外から優しく冷却。冷気が直接庫内に流入しないので野菜の乾燥も防げます。

↑フラップの開閉によって冷気をコントロールし、野菜室・冷蔵室・冷凍室それぞれに合った温度でセレクト室を冷やします

 

↑大開口フラップの実物

 

「真空チルド」ではなく、新たな2つの機能を搭載

新モデルにはさらにもう一つの大きな変更点があります。上段の大きな冷蔵室全体を約2℃に保つ「まるごとチルド」機能、冷蔵室最下段には約-1℃の「特鮮氷温ルーム」を搭載しました。

↑冷蔵室全体をチルド化して鮮度長持ち。肉・魚を保存するのは特鮮氷温ルームに

 

これまで同社では、「真空チルド」機能を一番の特徴としてアピールしてきました。いまや日立冷蔵庫の代名詞となっている「真空チルド」は、密閉したチルドルームを約0.8気圧の真空環境にし、食品の酸化と乾燥を抑えて新鮮さを保つ人気機能。ただ、もともと肉・魚用に開発されたチルドルームにもかかわらず、実際はさまざまな食品が詰め込まれていっぱいとなり、肉・魚が逆に冷蔵室に押し出される家庭も多いそう。一方、冷蔵室では週末に作り置きした惣菜を保存し、少しずつ4~5日かけて使い切るという、チルドルーム向けの使い方をする家庭も多いとのこと。つまり、チルドルームの大型化に対するニーズは高いのです。

 

そこで、日立では大容量の冷蔵室全体をチルド化。これまでも、約2℃設定の「うるおい低温冷蔵」機能はありましたが、広い庫内にさまざまな食材が詰め込まれるので、冷蔵室全体をムラなく約2℃に維持することは困難でした。しかし今回、風路設計を見直すことで冷却速度を改善。冷蔵室のどこに何を置いてもすばやく約2℃を維持できるようになったのです。傷みが気になる肉・魚は約-1℃の「特鮮氷温ルーム」に、それ以外は全部冷蔵室にと、これからはどこに入れたらいいのか悩む必要がなくなりますね。

↑冷蔵室背面中央から上方向と横方向に冷気を送ることで室内全体をムラなく冷やすことに成功しました
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