人工衛星に搭載されたセンサー技術で、気流の検知が可能に
この課題をクリアするためには、ただ気流を送るだけでなく、実際に気流が届いているのか、「気流の到達度を見る技術」が必要だと考えたという同社。そこで新モデルには、人工衛星にも採用されたセンサー技術を活用して開発した「サーマルダイオード赤外線センサー」とAI技術を活用した「ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)」を搭載し、世界で初めて気流の検知を可能にしました。
実は、従来のセンサーでは、気流の到達地点で熱を検知したとしても、温度変化まで細かく検知できないため、それが気流の熱か、そのほかの熱源なのか、そこまで判断できませんでした。
しかし新センサーは、従来モデルに比べて画素数が80倍、感度が2.5倍と性能が飛躍的に向上。その結果、熱の温度変化を揺らぎとして感知できるようになり、気流が到達しているか否か、判断できるようになったのです。
寒い人には温風の気流の中心を、暖かい人には気流の端を当てる
到達地点が判断できるようになると、きめ細かな気流の制御が可能になります。例えば、室内にいる人の表面温度から温冷感を把握し、「まだ寒いと感じている」と分析した場合、もっとも暖かい「気流の中心」と、目標とする人の足元位置を合わせるよう、風向きを自動調整。逆に「暖かく感じている」と分析した場合、今度は温度が低めの「気流の端」を、目標の人の足元位置に合わせるよう、風向きを調整してくれます。なるほど、人の感じ方によって当てる気流の場所を変えるとは…これはすごい!
会場では、この「ムーブアイmirA.I.+」の動作を実際に体験できるコーナーも。エアコンの前に座ると、センサーが表面温度を検知し、「顔や身体は暖かいが足元は冷えている」と判断し、足元に暖かい気流を送り始めました。
続いて足の前に障害物を置いたところ、センサーが気流が届いていないことに気づいた模様。足元に届く向きを探した結果、なんと気流を壁に一度ぶつけ、跳ね返った気流を足元に送るというルートを見つけてくれました。これは賢すぎる!
ベストな風向きを見つけるとAIが学習して次回以降に役立てる
このように間取りや家具などの問題で気流が届かない場合、「ムーブアイmirA.I.+」が気流が届いていないことを検出。上下左右とリモコン操作では不可能なほど細かい調整を繰り返しながら、人に届く風向きを自動で探索し、最適な気流に調整してくれます。しかも、そのルートをAIが学習し、次回以降の運転に役立てるそう。つまり「この場所に気流を送るには、この風向きがベスト」というのを覚えてくれるのです。賢すぎる!
これらの運転はすべて、リモコンの「おまかせA.I.自動」のボタンを押すだけ。体感温度や住宅性能に合わせた運転モードの切り替え、間取りやレイアウトに応じた気流制御による快適が、ワンボタンで叶います。