エアコン市場のピークは年に2回、夏と冬ですが、新製品は冬のシーズンを前に発売されます。すなわち、今。メーカー各社は続々と2020年モデルの発表・発売を済ませ、冬を迎える準備を整えています。エアコンの今年のトレンドは内部クリーンと人工知能(AI)。清潔性と賢い空調です。パナソニックが11月下旬から発売を開始した新モデルもこの2点が強化されています。それではパナソニック2020年エアコンのフラグシップモデル、「エオリア Xシリーズ」の特徴を見ていきましょう。
微粒子イオン「ナノイーX」をエアコン内部に充満させて油分を分解
リビングのエアコンはキッチンからの油分を吸って熱交換器がベタベタになり、それにホコリなどが付着してカビの原因になります。そこで新エオリアでは、新たに微粒子イオン「ナノイーX」を運転後のエアコン内部に充満させることで、熱交換器に付着した油分を分解・低減する「新・内部クリーン」機能を追加。新搭載の高濃度ナノイーXデバイスは従来のナノイーの2倍にあたる毎秒9兆6000億個のOHラジカルを放出し、油の中の水素を抜き取って水分に変えることで油を分解します。これにより熱交換器に付着した油分が流れ落ちやすくなり、ホコリやカビ胞子がたまらずカビが防げるという仕組みです。
冷房・除湿後だけでなく、暖房運転のあとにも内部クリーン制御が可能に
さらに新製品からは、冷房・除湿運転だけでなく、暖房運転のあとにも内部クリーン制御を行うこととしました。これは、冬の暖房時に加湿器を同時使用する家庭が増えたり、冬はリビングで鍋料理をしたりと、エアコン内部に湿気がたまり、カビの原因になることもあるからです。
また、熱交換器を組み立てた後にホコリレスコーティングを施すことで、プレス加工後の凸凹した断面一枚一枚にもしっかりとコーティングが行き届き、付着する油分を少なくする工夫もしています。
今後の室温を先読みして適温になるようAIが自動で調節
次にAI機能ですが、従来もPM2.5や花粉の飛散情報などウェザーニューズから取得した気象予報をもとに、部屋の空気が汚れる前に空気清浄運転をスタートさせる「エオリアAI」を搭載していました。
新製品では、室内温度や床温度、人の居場所など本体搭載の各種センサーから取得する情報をクラウド上で分析するとともに、ウェザーニューズの気象情報から今後の気温の予報を取得し、未来の室温を先読みして自動的に適温になるよう調節します。また、AI制御の結果をスマホアプリで判定することでユーザーの好みを学習し、各人に合った自動運転ができるようになりました。
寒くなってきたから暖房を強める、陽が射してきたきたから暖房を弱めるといった操作が必要なくなり、部屋の空調はエアコン任せでいつでも快適というわけです。
このほか、スマートスピーカーによる音声操作への対応、室外機周辺の外気温が50℃でも安定した冷房運転を持続する室外機、フィルターお掃除ロボットにブラシクリーナーを新搭載するなど、細部にわたり進化を遂げています。
エオリア Xシリーズは2.2~9.0kWまで11モデルを用意し、市場想定価格は26万~41万円前後(税抜)です。リビングのエアコンは10年選手で特に手入れをしていない…などという家庭は部屋中にカビを撒き散らしているかも。自宅のエアコンの中をそーっと覗いてみてください。そろそろ替えどきかもしれませんよ。