動作音はかなり大きい。MAXモードは爆音に
本体のフォルムはダイソンに近いが、スイッチはトリガーではなく、本体後部に配置。オレンジのボタンを押すと標準モードで動作し、グレーの部分を押すとMAXモードになる。
動作音はかなり大きい。キュイーンという風切り音に加えて、パワーブラシが回転するカラカラという音が部屋中に響く。標準モードでもかなり大きいが、MAXモードにするとさらに爆音になる。正直、MAXモードは電動工具のようで、実用できないレベルの音だった。マンションなど集合住宅では、この動作音は使いづらいだろう。
フローリングと畳の吸引力テストでは問題なし
掃除機にとって最も重要な吸引力のテストもおこなった。フローリングと畳の2か所に重曹を撒き、標準モードで奥に一方向、進む形で掃除してみた。結論から言うと、吸引力は決して低くない。フローリングはわずかに目地に残ったのと、大きく固まっていた重曹を吸わずに押してしまっていたが許容範囲。畳は目視する限りでは取りもらしはなかった。同じ場所を「Dyson V11」でも掃除してみたが、フローリングではわずかにダイソンが優秀だった(取り漏らしなし)が、畳では差を見つけられなかった。
アタッチメントの付け替えなど使い勝手の面で難あり
では諸手を挙げておすすめできるか? と問われると、そうとは言えない。ハイパワーモーターの搭載により吸引力こそあるが、使い勝手の部分で多くの課題を感じた。さきほどの運転音が大きい件もそうだが、例えばブラシ類などのアタッチメントを使おうと思ったとき、本体から延長ホースがなかなか外れず、非常にストレスが溜まった。また、持ち運ぶときは、ヘッドが不安定でガチャガチャと雑な音を立てる。また、ダストビンに溜まったゴミは、底面のストッパーを外すだけ。ストッパーはダストビン底面と一体構造なので、何度も使うと折れたり、緩くなったりするだろう。吸引力こそあるが、使い勝手の部分で気になる部分が多い、というのが正直な感想だ。
一方で、良かった点もある。パワーヘッドの先端にはLEDライトを配置。これがしっかりと床の上の微細なホコリを可視化してくれた。おかげで床面がきれいになったかどうかわかりやすかった。また、本体上部のディスプレイに残りのバッテリー容量がメモリで表示されるもの便利。使い始めてバッテリーがなかったというミスを防ぐことができる。
総じて「ハイパワーでライトなどの工夫もあるが、ややチープで使い勝手に難のある格安スティック掃除機」という印象だ。価格は1万円台と格安なので、延長パイプ周りの使い勝手の悪さや動作音の大きさが許容できるなら、選択肢に入れてもいいのかもしれない。
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