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掃除機
2020/1/6 20:00

「星5つが7割」の評価は本当か?「見た目ほぼダイソン」の格安中華コードレス掃除機を購入したら

最近、ネット通販で家電を買うことも多くなってきた。量販店で買うよりも安いことが多く、さらにお手ごろな製品が数多く並んでいる。例えば Amazon.co.jpには、大手メーカーでは考えられないような低価格の家電がひしめいている。しかし、それらは本当に使えるのだろうか? 製品を実際に買ってテストしてみた。

 

1万円台で評価の76%が「星5つ」のクリーナーを実際に購入して使用

選んだのはこちら。「コードレス掃除機16000pa超強吸引力サイクロン式 300Wデジタルモーター 軽量充電式スティックハンディクリンーナー LEDヘッドライト付き PSE認証済Womow W9(以下W9)」(Amazonの原文ママ)。メーカーは中国のWomowだ。

Amazon のサイバーマンデーでは、通常価格が1万9800円のところ1万2999円で販売されていた。こちらは、Amazonでの63個(2020年1月6日時点)のカスタマーレビューのうち、「星5つ」が76%と極めて高い評価。ただし、「星5つ」の比率が多すぎるのも気になるところで、「良い買い物だった」「最高」というレビューがズラズラと並ぶ様には、違和感も残る。Twiiterには公式アカウントもあるが、セール情報や製品をPRする内容しか呟いていないようだ。見た目もダイソンのクリーナーにそっくりだが、果たしてその実力はいかなるものか?

 

ボディの質感は安っぽいが付属品アタッチメントは多い

到着したパッケージの中を見ながら掃除機のスペックを確認していこう。W9はサイクロン方式を採用したコードレスクリーナー。毎分10万回転の300Wパワフルモーターを搭載し、35分間の連続稼働に対応している。本体質量は2.4kg。パッケージには様々な付属品が同梱。特にヘッドは標準のパワーブラシのほかに、ソファーブラシや家具ブラシ、すきまノズルなどが付属している。また、蛇腹になった延長ホースも付属しており、高い場所の掃除も対応可能だ。

↑開封したところ。豊富なアタッチメントなどが箱の中にきちんと収められている

 

↑豊富なアタッチメント。すき間掃除や高所掃除などもできる

 

↑床掃除用のパワーブラシ。高速回転するブラシを内蔵する

 

ボディはプラスティックでできており、塗装を見ても高級感はない。価格相当といったところだろうか。バッテリーは、25.2V、2200mAhのリチウムイオンバッテリー。 バッテリー交換は可能だが、付属しているのはひとつだけなので、実際は交換して使うことはできない。充電は、バッテリーを本体に取り付け、電源コードをさして行う。カラの状態から約2時間半で満充電が可能。充電ができたら、ホースとパワーヘッドを接続して掃除してみる。

↑モーターやサイクロン部などを含む本体部分。外装はプラスティックで残念ながら安っぽい

 

↑本機とDyson V11 Fluffy+(右)と並べたところ。全長はダイソンよりやや短め

 

↑大型のバッテリーを本体に装着する。取り外しも簡単にできる仕組み

 

動作音はかなり大きい。MAXモードは爆音に

本体のフォルムはダイソンに近いが、スイッチはトリガーではなく、本体後部に配置。オレンジのボタンを押すと標準モードで動作し、グレーの部分を押すとMAXモードになる。

↑本体後方の電源ボタン。標準モードと、MAXモードの2段階

 

動作音はかなり大きい。キュイーンという風切り音に加えて、パワーブラシが回転するカラカラという音が部屋中に響く。標準モードでもかなり大きいが、MAXモードにするとさらに爆音になる。正直、MAXモードは電動工具のようで、実用できないレベルの音だった。マンションなど集合住宅では、この動作音は使いづらいだろう。

 

フローリングと畳の吸引力テストでは問題なし

掃除機にとって最も重要な吸引力のテストもおこなった。フローリングと畳の2か所に重曹を撒き、標準モードで奥に一方向、進む形で掃除してみた。結論から言うと、吸引力は決して低くない。フローリングはわずかに目地に残ったのと、大きく固まっていた重曹を吸わずに押してしまっていたが許容範囲。畳は目視する限りでは取りもらしはなかった。同じ場所を「Dyson V11」でも掃除してみたが、フローリングではわずかにダイソンが優秀だった(取り漏らしなし)が、畳では差を見つけられなかった。

↑床に重曹をまいて吸引力のテストを行った

 

↑W9でワンストローク掃除した。一部押してしまったものと、目地の中は取りきれなかったものがあったが、優秀だ

 

↑同じく畳でもテスト。左側がW9で右はV11で掃除したが、差は見られなかった

 

アタッチメントの付け替えなど使い勝手の面で難あり

では諸手を挙げておすすめできるか? と問われると、そうとは言えない。ハイパワーモーターの搭載により吸引力こそあるが、使い勝手の部分で多くの課題を感じた。さきほどの運転音が大きい件もそうだが、例えばブラシ類などのアタッチメントを使おうと思ったとき、本体から延長ホースがなかなか外れず、非常にストレスが溜まった。また、持ち運ぶときは、ヘッドが不安定でガチャガチャと雑な音を立てる。また、ダストビンに溜まったゴミは、底面のストッパーを外すだけ。ストッパーはダストビン底面と一体構造なので、何度も使うと折れたり、緩くなったりするだろう。吸引力こそあるが、使い勝手の部分で気になる部分が多い、というのが正直な感想だ。

↑ダストビンの底にあるロック。これを外すとゴミが捨てられるが、使い続けると劣化するおそれも

 

一方で、良かった点もある。パワーヘッドの先端にはLEDライトを配置。これがしっかりと床の上の微細なホコリを可視化してくれた。おかげで床面がきれいになったかどうかわかりやすかった。また、本体上部のディスプレイに残りのバッテリー容量がメモリで表示されるもの便利。使い始めてバッテリーがなかったというミスを防ぐことができる。

 

総じて「ハイパワーでライトなどの工夫もあるが、ややチープで使い勝手に難のある格安スティック掃除機」という印象だ。価格は1万円台と格安なので、延長パイプ周りの使い勝手の悪さや動作音の大きさが許容できるなら、選択肢に入れてもいいのかもしれない。

↑微細な埃にも影がつくのでみやすくなる。パワーヘッドのLEDは非常に便利だった

 

↑電源を入れると動作モードとバッテリー残量を表示してくれる

 

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