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2020/2/10 21:30

【掃除機レビュー】日本メーカーに激似の中華コードレス。音が「ピャー」でもむしろアリ

コードレス掃除機は、高機能なものなら5万円以上するのが当たり前。ですがAmazonや楽天などのショッピングサイトを見ると、見た目は高機能コードレス掃除機っぽいのに値段は1万円台という”爆安”製品も並んでいます。そりゃ安いに越したことはないけれど、使い物にならなかったら結果的に高い買い物になる……。実際、その性能はどの程度のレベルなのか? そう思っている方のために、今回は、Amazonで購入した、以下の爆安コードレス掃除機の製品レビューをお届けします!

 

「あのモデルに似ている」ところが多々あるが、安っぽさはナシ

今回使ってみたのは、Amazonで1万2998円で購入した「GOOD PAPA コードレス真空掃除機 H3」。Amazonのサイトを見た限り、どこの製品かわかりませんが、取扱説明書に「北京承羲テクノロジー」とあり、中国メーカーであることがわかりました。しかし、外観を見ると、一瞬戸惑うほど国内メーカーのコードレス掃除機に似ている……(特に東芝のトルネオV コードレスに……)。ただし、デザインも素材感もしっかりしていて、意外に安っぽさはありません。

↑セット内容。アタッチメントも付属しており、床掃除から隙間掃除まで対応できそう

 

↑もっと安っぽいのかと思ったら意外や意外、デザインも素材感もしっかりしていました

 

集じん方式はサイクロン式で、強いパワーを生み出す「ブラシレスモーター」を採用しているとか。吸引力は通常モードと強力モードの2段階から選べ、運転時間は通常モードで32分、強力モードで15分。最近は、通常モードで60分近く使えるコードレスもありますが、部屋の大きさや使用頻度次第では32分でも十分でしょう。

 

ヘッドには、床面に設置して真空状態をつくるというフローリング用の「毛羽ローラーブラシ」を装備。これまたどこかで見たような……。ダイソンや、最近はエレクトロラックスがこういったフェルトタイプを採用していますね。床との密閉度を高めて吸引力を上げつつ、床の傷つけずにキレイにできるというメリットがあるそう。なおカーペット上に落ちた髪やゴミをかきとって吸い込む「ローラ―ブラシ」も付属。床面に合わせてヘッドを使い分けられるのはうれしいところです。

↑フローロング用の毛羽ローラーブラシ(上)とカーペット用のローラーブラシ。質感はよさそうです

 

外したバッテリーは、本体と同時でなければ充電できない

充電方法は、本体に直接充電アダプタを挿し込む方式。ちなみに、バッテリーは着脱することも可能。ただし、本体を「多機能充電スタンド」に引っかけ、充電アダプタを挿した状態でないと、バッテリーを外して充電台で充電できない=バッテリー単独では充電できないようです。バッテリーだけ外して充電できれば、置き場所の自由度もかなり高くなるのに……。どうやら、バッテリーの着脱は別売のバッテリーを購入して初めて役立つ機能のよう。別売バッテリーを本体と同時に「多機能充電スタンド」で充電できるため、バッテリーを交換して使えるということらしいです。

↑充電は本体にアダプタを挿し込む方式

 

↑壁に打ち付けて使う「多機能充電スタンド」に本体を設置して充電した状態なら、バッテリーを外して充電する(写真・右上のボックスに挿し込む形)ことも可能ということらしい

 

また、取扱説明書の日本語が怪しいため、これまでの経験に頼りながら使わなくてはいけない部分もあります。筆者が家電に慣れていたから良かったものの、一般の方だとわかりにくいかも……と感じる部分もありました。とはいえ、充電も完了したので、さっそく掃除してみます!

 

甲高いモーター音にびっくり! バッテリー残量表示とLEDランプは便利

電源ボタンを押すと運転がスタートしましたが、スゴイ音! キュイーーーン! というのか、ピャーーー! というのか、とにかく甲高いモーター音に驚きました。これがこの掃除機のもっとも気になる点と言ってもいいかもしれません。この音には、ふだんから掃除機の音に慣れている愛犬も動揺している様子。電源を押すと「自動モード」から始まるそうなので、切替ボタンを押して「通常モード」にすると音も少し収まりました。

 

ちなみに手元のインジケーターには、現在の運転モードのほか、バッテリー残量が表示されます。特にバッテリー残量が表示されるのは、掃除中に突然電源が切れてしまうトラブルが防げるので、充電忘れが多い私にはうれしい機能。またヘッドにはLEDランプが搭載されているので、掃除場所のゴミがよく見えます。インジケーターはダイソンに似ていて、ヘッドのLEDライトは日立やエレクトロラックスに似ているな…とは思うものの、これらはどれも高機能コードレス掃除機に搭載されているものなので、1万円の掃除機にしてはスゴイな、という印象です。

↑ヘッドのランプが点灯するので掃除する場所のゴミが見やすいです

 

↑現在のモードとバッテリー残量が見えるインジケーターもコードレスタイプにはありがたい機能

やや重く、ヘッドの動きがぎこちないが、吸引力は想像以上

しかし大事なのはゴミ吸引力。さっそく家じゅうの掃除をしてみました。まずはフローリングを掃除してみましたが、見たところ吸い残しは少なく、掃除したところはさっぱりきれいになっています。

 

実際にどれくらい吸引力が強いのか、重曹と麦茶をゴミに見立てて吸ってみたところ……キレイさっぱり吸い取ってくれました! 想像以上の吸引力です。またモーターヘッドのため、ブラシが回転する力で前に進み、軽い力で掃除できます。

↑重曹と麦茶を使った吸引力のテスト

 

ただし、モーターヘッドとはいえ、使っているとやや重く感じる……。近年、コードレス掃除機の軽量化が進んでいますが、体感としては軽量化が進む前の「吸引力を優先したら重くなっちゃった」という時代の製品に近いものがあります。またヘッドの左右の動きが多少ぎこちなく、思った方向に動かしづらいストレスも。

↑床とほぼ水平まで倒せるので、ベッドやソファの下など低いところも掃除できるのはいいところ

 

ゴミ捨てがカンタンでダストボックスは水洗いできるのが便利

かなりゴミが溜まったのでゴミを捨ててみましたが、ダストボックスの底面カバーをパカッと開けばゴミが落ちるので、ゴミ捨てもカンタン! 内部に絡まったホコリや髪の毛が取れないこともあるので、そのときは内部を外して捨てるしかありませんが、粉じんが気になるときは水洗いもOKなので、お手入れのしやすさにも配慮されていると感じました。

↑ダストボックスの下方にあるレバーを引くとフタが開いてゴミが落とせます

 

↑日本人はきれい好きな人が多いため、ダストボックスが水洗いできるのも大きなポイント

 

運転音と少しずつ惜しい作りに納得できれば「お買い得」な商品

吸引力やお手入れはいいと思った一方、残念に思った部分もいくつもあります。まず、ヘッドを左右に柔軟に動かす接続部分が半透明の蛇腹ホースで見た目が悪く、耐久性が不安なこと。一部に塗装ムラがあったり、バッテリー部分に欠けがあったりしたこと。またダストボックス内のパーツがカンタンに取れてしまい、そのパーツもペロペロのアルミシートだったこと(その後、なんとかシートを丸めてうまく収めました。本当にこれでいいのか……?)などなど。いまのところ不具合はありませんが、やはり多少の不安があるのは否めません。なお、Amazonの口コミによると不良品は修理ではなく交換で対応することが多いようですね。

 

結論として、見た目、性能、吸引力と、かなりクオリティは高いと感じました。気になるのは、甲高いモーター音と、少しずつ惜しい作り、製品によっては外れもありそう……という点。そこさえ納得済みであれば、「かなりお買い得」と言ってもいいかもしれません。

↑アタッチメントを付け替えてソファや車のシート掃除にも

 

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