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2020/2/26 21:15

【調理レビュー】トンデモ家電か大発明か!?「4品同時調理」で話題の「ツインシェフ」が気になって仕方ない

できるだけラクしておいしい手作り料理が食べたい――ひとり暮らしの筆者の切実な願いです。そんな筆者が注目しているのが、材料を入れ、スイッチを入れるだけで料理が完成する「電気調理鍋」。数ある電気調理鍋のなかでも異彩を放つのが、ショップジャパンから登場した「ツインシェフ」です。なんとこの鍋、左右の鍋でごはんとおかずが同時に作れるだけでなく、蒸しトレイを使えば同時に4品の料理が作れるんです。

 

ショップジャパン公式サイトでは、1万9800円(税抜)という手ごろな価格もあってか、現在入荷待ちという人気ぶり。「4品ってやりすぎじゃない?」と思いながらも、気になって仕方ない……。というわけで、実際に使って実力を確かめてみました!

↑ショップジャパンのツインシェフ。サイズは幅410mm×高さ210mm×奥行き300mm、重さは約5.2kg

 

3合炊きの炊飯器が2つ並んでいるようなイメージ

↑フッ素コーティングが施された内なべは食材がくっつきにくく、手入れもしやすい。Dの形にすることで横幅をコンパクトにしている

 

ツインシェフは、2つの鍋が1つになった調理家電です。左右にフタが付いており、それぞれのフタを開けると鍋が現れます。イメージとしては、3合炊きの炊飯器が2つ並んでいるような感じ。横幅は41cmあるので、キッチンラックなどに設置するといいでしょう。

 

鍋は2つですが、電源コードは1本です。消費電力は450W×2で900Wとなっています。各鍋の最大調理容量は1.8Lで、ご飯なら4合、カレーなら約6皿分(1皿200gとした場合)が作れるようです。

↑A4サイズの雑誌と比べるとこんな感じ。これで2鍋分の自動調理ができると考えれば、そう大きくないような気がしてくる

 

調理するには、鍋ごとに操作ボタンをタッチして設定します。モードを選ぶだけで最適な火加減と時間を自動で調節する「クイックメニュー」は10種類。「白米炊飯」「玄米炊飯」「炊き込みご飯」「雑炊」「おかゆ」「スープ」「煮込み料理」「蒸し料理」「ケーキ」「ヨーグルト」となっています。また、調理温度と時間を自由に設定できる手動調理機能もあり、温度は35〜130℃、調理時間は1分〜12時間の間で設定可能です。

↑「1」もしくは「2」をタップして鍋を選び、調理モードを選択する

 

カレー+ごはん+副菜2品の同時調理に挑戦!

せっかくなので、最初から4品同時調理に挑戦してみることにしました。内なべ1にごはん、内なべ2にカレーの材料をセット。続いて、付属の蒸しプレートにそれぞれブロッコリーとじゃがいもを入れ、内なべの上にセットします。これで準備は完了です。

↑今回はごはん2合、カレー3皿分の材料をセットした

 

↑蒸しプレートは側面に穴が空いており、ここから出てくる内なべの蒸気を使って食材を蒸す

 

ごはんは「白米炊飯」、カレーは「煮込み」モードにして調理開始。炊飯中、蒸気はほとんど出ず、音も静かです。本当にできているのか? ……と、不安になりながら待つこと40分。両方の調理が完了しました。

 

フタを開けてみると、ブロッコリーとじゃがいもがしっかり蒸し上がっているのがわかります。むしろ、色からしてブロッコリーは蒸し過ぎかも。炊飯を邪魔しないカレー&ブロッコリーの組み合わせにして、早めにブロッコリーを引き上げれば良かったかもしれません。蒸しトレイを外すと、ごはんとカレーが完成しています。副菜はやや難ありでしたが、メインは成功していそう。

↑生のブロッコリーを使用したが、色が悪い。蒸し時間を調整する必要がありそうだ

 

↑ごはんとカレーは見た限り上手くできているようだが、ごはんはややツヤが足りない印象

 

完成した4品を試食してみると、じゃがいもとカレーは大成功です! ブロッコリーは蒸し時間を調整する必要アリ。そしてごはんなのですが、ブロッコリーと一緒に蒸したからなのか、炊飯に特化したモデルではないからか、ごはんの味がイマイチです……。普段は圧力IHの炊飯器やホーロー鍋で炊くごはんに慣れているので、ごはんに強いこだわりがない私でも「うーん」となってしまいました。しかし、カレーの完璧な仕上がりからわかるように、煮込み料理には有効なようです。

↑作りきった達成感はあるものの、ごはんのツヤや甘み、香りがあまり感じられないのが残念

 

おかず4品は問題なく同時調理できた

先ほどは反省点がいろいろ出てくる結果となりましたが、もっといい使い方があるはず。例えば、すでに炊飯器があるならごはんは炊飯器に任せて、ほかの料理だけ作ればいいのでは? というわけで、今度はツインシェフでおかずを4品同時に作ってみることにしました。

 

選んだのは「筑前煮」「豚汁」「白身魚の酒蒸し」「ほうれん草蒸し」。和食メニューをツインシェフで一気に作ろうという算段です。筑前煮は「煮込み」、豚汁は「スープ」、ほうれん草と魚は蒸しトレイで調理します。

↑左が筑前煮、右が豚汁。今回は時短のために、水煮の野菜セットを使った

 

↑白身魚の酒蒸しとほうれん草は蒸し時間を意識しながらの調理となる

 

筑前煮も豚汁も途中でフタを開けても問題なさそうなので、今回は蒸しトレイの食材の様子を見つつの調理になりました。本来、「煮込み」は40分、「スープ」は30分が初期設定の調理時間となっているのですが、水煮の野菜を使ったこともあり、30分弱ですべての料理が完成。以下が完成した4品です。

↑4品が問題なく完成

 

筑前煮は火が通っていましたが、少し味の染み込み方が物足りなかったかも。ここはきちんと40分煮込む必要がありそうですが、そのほかの料理は問題なく完成しました。あとはストックしている冷凍ごはんをチンして並べれば、立派な食事になります。おかずを作るための調理家電だと割り切って使えば、ツインシェフはかなり役立ちそうですね。

 

「サーモンのコンフィ」を作ったら白ワインに合いそうな上品なひと皿に

せっかくなので手動調理で「サーモンのコンフィ」を作ってみることにしました、コンフィとは、オイルなどに漬けて低温でじっくりと火を入れるフランスの伝統的な調理法。まずは塩水にサーモンを漬け込み、表面の水分を拭き取ります。あとは、チャック付きのポリ袋にオリーブオイルとサーモンを入れ、水を入れた内なべで40度で1時間加熱すればOK。

↑塩水への漬け込みは45分でOK。あとは低温で加熱する。ちなみに今回は生鮭を使用した

 

完成したコンフィは「生なのかな?」と思うような見た目ですが、実際に食べてみると生ではなく、半生といった感じです。白ワインと一緒に食べたくなるような上品なひと皿になりました。作る前は「少し内なべのサイズが小さいのでは?」と不安でしたが、実際に作ってみると問題ありませんでした。これならローストビーフなど塊肉の低温調理にも使えそうです。

↑完全な生ではないので、生臭さはないのがコンフィの特徴

 

料理が苦手な人にとって、段取りを考えなくていいのが魅力

今回、ツインシェフを使って感じたのが、同時調理する献立を考えることの難しさです。内なべで作る2品は比較的スムーズに決められますが、4品同時に作るには、組み合わせる蒸し料理のレパートリーに悩みました。また、各料理は鍋やフライパンを使えばもっと短時間で作れるので、料理し慣れている人の場合は時短にはなりません。

 

逆に、料理が苦手な人にとっては、段取りを考えなくても複数の料理が完成するのがツインシェフの魅力。あとは、コンロが一口しかなくて自炊を億劫に感じているひとり暮らしの人にも良さそう。使い手次第でポテンシャルを発揮しそうなツインシェフ。電気調理鍋市場に新たな潮流を巻き起こすかもしれません!

↑ツインシェフは工夫次第で便利に使えそう

 

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