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2020/5/29 20:58

ドライヤーが自粛ボディを「復元」する? 40万台売れたナゾのドライヤーの真価をチェック

緊急事態宣言の全面解除を受け、少しずつ仕事や学校、ショッピングなど外出する機会が増え始める人も多いのではないでしょうか。自粛期間が長すぎて、髪やボディのお手入れを怠っていた……という人は、これから巻き返しを! というわけで今回は、ドライヤーなのに髪もボディもケアできるという、マクセルイズミのCALEA(カレア)「FUKUGEN DRYER」(実売価格2万4200円)をご紹介します。

↑昨年12月にマクセルイズミから発売されたCALEA「FUKUGEN DRYER」。なかなかクセのあるドライヤーでした

 

美容室で人気となった話題のドライヤーを個人向けに改良

「FUKUGEN DRYER(フクゲンドライヤー)」と読んでみて、どこかで聞いたことがある、と思った方もいるのでないでしょうか。そう、「復元ドライヤー」といえば、2016年に美容室を中心に発売されて人気となり、累計約40万台を出荷したという話題のドライヤー。マクセルイズミが製造委託を受けていたことから、昨年12月、個人向けに改良して発売したというわけです。

↑マットな部分と鏡面部分のコンビネーションがスタイリッシュ。美容師さん向けに作られたものを改良しているため、形も少しユニークです

 

でも復元ドライヤーって何を復元するの? ドライヤーなのにボディにも使えるってどういうこと? と疑問に思った方も多いでしょう。私もその一人でしたが、1か月ほど使い続けてみたところ、これはいい! と思ったことがいくつもあったので、さっそくレポートしていきたいと思います。ちなみに「復元」とは商品名であり、「髪が復元すること」を示しているわけではないそうです(笑)。

 

風が低温で育成光線とマイナス電子を放射し、顔やボディのケアもできる

FUKUGEN DRYERの特徴は3つあり、1つ目は「低温である」ということ。髪は高温にさらされると、髪内部のたんぱく質が変性し、ダメージヘアの原因になってしまいます。FUKUGEN DRYERは、吹出口温度がHIGHで80℃、LOWで65℃で、髪に到達するときには、HIGHでも50℃と低温になっているので、髪へのダメージを抑えてくれるのです。

↑使い方はシンプルで、ハンドル部のレバーを「LOW」か「HIGH」にスライドすれば温風が吹き出します。写真右上のCOOLボタンは、押している間だけ冷風が出ます

 

2つ目の特徴は、吹出口に特殊セラミックフィルターを2枚搭載し、「育成光線とマイナス電子を放射している」ということ。ここでまた「育成光線ってなんだ?」という疑問がわきますが、要は遠赤外線の中の特定の波長域にある波長で、身体に吸収されやすい特徴を持つんだそう。ほかにも身体によいとされる様々な効果もあるようですが、ここではあくまで遠赤外線の「内部からじっくり温められる」効果に着目。さらにセラミックフィルターにはイオンパウダーを配合し、「マイナス電子も放出されている」そうです。

↑吹き出し口を覆うようにセラミックフィルターが。それが2枚も搭載されているそうです

 

そして3つ目は、顔やボディのケアができること。同じくイオンパウダーを配合したビューティーローラーが付属するので、これを転がしながらドライヤーを当てれば「ハリのある引き締まったなめらか肌に導く」そうですが、ここでは単純に、ローラーによるマッサージ効果とドライヤーの熱による温熱効果が期待できそうだ、と考えました。

 

温度が低く風が弱いため、乾くのに時間がかかる

「育成光線」など、ドライヤーの機能としては聞きなれないものもあり、本当にそのような効果があるのか確かめることはできませんが、身をもってわかることはあります。それは「ドライヤーとして髪によさそうか」ということ。今まで数々の高級ドライヤーを使ってきた経験を踏まえ、使用感をご紹介していきましょう。

 

まずは風の強さについて。HIGHモード(80℃)で髪に当ててみたところ、あれ? 本当に髪に風当たっている? というほど、弱く感じました。髪はサラサラ動くものの、地肌では感じられません。吹出口にセラミックフィルターが搭載されているせいなのか……。そこで吹出口を地肌に近づけてみると、地肌までしっかり風を感じることができました。風の温度が高くないので、地肌に近づけても熱くならないのはいいところ。ただ、風だけでは髪があまりほぐれないので、手で髪をしっかりほぐしたほうが早く乾きます。

↑髪から離すと地肌まで風が届きませんが、少し近づければ髪が風でかき分けられ、地肌もしっかり乾かせました

 

温度が低く、風も弱めとなると、やはり速乾性にも影響してきます。私はもともと髪が細く、乾燥時間も短めなのですが、他社の速乾ドライヤーだと5分程度、通常は6分30分程度で乾くのに対し、FUKUGEN DRYERでは7分30秒かかりました。とはいえ、これだけ温度が低く風が弱いわりに思ったより早く乾いたのは、おそらく内側から温めるという遠赤外線のおかげだと思います。

 

重心が前に傾きがちだが、使い始めてすぐ髪がしっとり

もう1つ気になったのは重心バランス。重量自体は600gとほかの高級ドライヤーとほぼ同じですが、ハンドルが短く、ヘッドの端についているので、重心が前に傾きがちになり、手首に力がかかってしまいます。ダイソンのDyson Supersonic Ionic ヘアードライヤーやシャープのプラズマクラスタードレープフロードライヤーのようなノーズの短い(ない)ドライヤーは、ハンドルの上に重心が乗っているので重く感じにくい、というのがウリだったので、それに比べるとバランスはいまひとつという印象です。

↑シャープ「プラズマクラスタードレープフロードライヤー IB-WX1」(左)は重量のわりに重く感じにくいというメリットがありましたが、それに比べてFUKUGEN DRYER(右)は重心が前に傾きがち

 

とはいえ、さすがに毎日使い続けると、上手な持ち方もマスターできるようになってきます。基本的には、普通にハンドルを握って使いますが、ときに美容師さんのようにヘッドを持ってみたり、吸い込み口をふさがないようにしながら、握るというより支えるようにすると、安定して持つことができます。場合によっては、後に紹介するスタンドに乗せ、髪を当てにいくようにして乾かすという方法もあり、これも意外とうまくいきました。

↑美容師さんのようにヘッドを持つと、少し安定して持てます。ただし、頭の上のほうに使うときは、腕を高く上げる必要があります。吹き出し口の後ろ側を持つ方法もあり

 

こんな感じで少しクセのあるドライヤーではありますが、育成光線とマイナス電子のおかげなのか、使い始めてすぐに、髪がしっとりしてくるのが分かりました。ドライヤーをかけているうちに、髪が柔らかく、手触りもなめらかになってくるので、手ぐしもスムーズに通ります。髪を乾かし、仕上げに冷風で整えると、しっとりまとまりました。

↑裾にパーマがかかっているので少しうねりがありますが、頭頂部周辺はツヤツヤに。ふつうのドライヤーでは乱れがちな髪質も、しっとり仕上がりました

 

温風を浴びながらローラーを使うとなかなかの気持ちよさ

さらに使っているうちに気づいたのは、温風を浴びていると、リラックスした気持ちになれることです。やはり遠赤外線のおかげで、内側から温まっているからでしょうか。FUKUGEN DRYERは、LOWモードの低温を顔やボディに当ててケアできるというので、こちらも試してみたところ、まるでお風呂に入っているようなほんわかした心地に。温熱効果は血行促進や疲労回復など、身体にさまざまな良い影響があると聞くので、そのような効果が期待できるかもしれません。

 

温風を浴びながら、付属のビューティーローラーでコロコロするのがおすすめとのことで、こちらも試してみました。付属の本体スタンドにドライヤーをセットすると、ドライヤーを持たずにコロコロできます。

↑ビューティーローラーと一緒に使えば、しっかりケアできそう

 

私の場合、特に顎まわりの筋肉が硬くなりやすく、コロコロするとイタ気持ちよくほぐれていく感じ。ちなみにビューティーローラー自体にもイオンパウダーが使われていて「マイナス電子」が出ているそうで、単体で使ってもいいそうです。

↑自粛が長すぎて、しゃべることも少なくなったせいか、ほうれい線が気になる! というわけで、せっせとローラーを転がしました

 

温風&ローラーはボディに使ってもOKで、例えばウエストのくびれを作るようにローラーを転がしながら、ドライヤーの温風を当てるという方法もあるようです。私の場合、お腹に温風を当てるととても気持ちよかったので、ローラーを転がしながら冷え対策と便秘対策に活用しました(笑)。

 

使い始めて1か月、当初は謎だらけのドライヤーでしたが、アラフォー世代の私の髪もしっとりまとまり、使い続ける価値がある! と感じました。顔やボディを内側から温めるという使い方は、美容面でも健康面でもよい効果が得られそうな期待感もあります。しかも聞くところによると、育成光線には髪の根元の立毛筋を収縮させ、髪が立ち上がりやすくなる作用もあるそう。これは年々、髪のボリュームがなくなってきたと感じる我らの世代にもうれしいところです。少々クセはありましたが、髪とボディをケアしたい人には使ってみてほしい1台だと感じました。

 

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