ワンルームの住人なら、「もっとキッチンを広く使いたい」と感じた経験のある人も多いのではないでしょうか。単身住居サイズのミニキッチンを少しでも広く使いたい……そんな願いを叶えてくれる容量300L以下の小型冷蔵庫が、三菱電機から登場します。発表会では「自炊をラクにするキッチン活用術」のミニセミナーも実施。製品の紹介と併せて発表会の様子をレポートします。
スペースの狭いミニキッチンの根本的な問題を解決する冷蔵庫
三菱電機が発売する新しい小型冷蔵庫は、スペースの狭いミニキッチンの“根本的な問題の解決”をコンセプトにした商品です。根本的な問題とは具体的にどのようなもので、どう解決したのでしょうか。
ミニキッチンが狭いことは今に始まったことではありませんが、近年外出が減った、家で食べる機会が増えた人が全国的に増加し、単身世帯でもミニキッチンで調理する機会が増えています。
全国の20歳以上の男女600人を対象にした、タキイ種苗の調査によれば、外出期間中の食生活に変化があったという人は、実に85.5%にものぼるそう。その変化の多くは、外食の減少、調理頻度の増加、生鮮食料品の購入量増加という形で現れ、小型冷蔵庫の需要にも影響を及ぼしています。
冷蔵庫市場全体を見ると、今年は4月まで前年の消費増税の反動と新型コロナの影響を受けましたが、5、6月あたりで平年並みの水準に戻り、そこから9月までは前年を上回る水準で推移しています。
日本の単身世帯率は増加傾向にあり、小型冷蔵庫のニーズもますます伸びていくと見られています。それと同時に、「ミニキッチンが狭くて調理しづらい」という悩みを抱える人も増えると考えて良いでしょう。
調理スペースの効率化には、よく使うものだけを表に配置するのがポイント
発表会では、ゲストとして整理収納アドバイザーの七尾亜紀子さんが登場。ミニキッチンで快適に自炊するコツを語ってくれました。三菱の冷蔵庫のユーザーならずとも役立つ情報が豊富だったので、ここでご紹介します。
七尾さんは、ミニキッチンで自炊をラクにするには、調理前の調理スペースの効率化と、調理中の準備や片付けの効率化、そして冷蔵庫内の整理が重要だと言います。
調理スペースの効率化のためには、包丁、菜箸、お玉などよく使うものだけを表に配置し、大根おろしやトング、灰汁取りなど、たまにしか使わないものは表に出てこない場所にしまうこと。あまり使わない道具や調味料を片付けるだけで、キッチンにメリハリが付き、調理に使えるスペースが広くなります。
道具を選ぶときは、場所を取らないモノにするのも大事。一台二役の道具や使わない時に折りたたんで収納できる道具は省スペースに貢献します。折りたためる三角コーナー、使わないときはしまえる乾燥ラック、ゴミのある時だけ広げられるゴミ袋スタンドなどがオススメとのこと。
調理の準備や片付けを効率化するには、収納スペースを区切って使う
調理の準備や片付けを効率化するには、まず収納スペースを区切って使う工夫が有効です。特に賃貸住宅に多い、シンク下の観音型の収納は上の方のスペースが空いてしまいがち。ラックやスタンドなどで空間を区切ることで、無意味な空間を減らせます。上下だけでなく、使用頻度の低い調理道具は奥へしまうなど、三次元的に配置していくと、より多く使いやすく収納できますね。
続いて食材や調味料、日用品など、定位置が決まっていないモノがあればいつも置いておく場所を決めるのも有効。定位置が決まっていないとキッチンは散らかりがちです。買い物から帰ったら、買ってきたものは機械的に全部しまえて、定位置のないモノがなくなるのが理想。定位置が決まっていると重複購入も避けやすくなります。
冷蔵庫の整理では、早く消費したい食材を同じ場所にまとめておく
そして、冷蔵庫の整理では、早く消費したい食材をできるだけ同じ場所にまとめておくと良いとのこと。単身世帯では一度にたくさんの食材を消費できず、消費期限切れで食材を無駄にしてしまうケースもありがち。足の早い食材や消費期限の近づいている食材を目立つ場所にまとめておくことで、それらの食材をこまめに消費して無駄を減らす習慣が身に付きます。
冷蔵庫の整理にオススメの2つめのテクニックは、中身を見渡せるように収納すること。野菜室や冷凍室などの引き出し型の収納は、食材を立てることを意識して収納します。これで1つひとつの食材がどこにあるかが分かりやすくなります。重ねてしまうと見落としがちなので気を付けましょう。
三菱電機が、2500万人のユーザーを持つ国内最大級のレシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」のフードスタイリストやスタッフらと共同で行った調査によると、単身住居サイズのミニキッチンが料理に十分な広さではないと感じる人は実に95%に上ったそうです。
また、普段の調理でどのくらいの調理スペースを必要としているか調べると、お茶碗7個分(約90cm)とお茶碗5個分(約65cm)を必要と回答する人が多くいました。
ミニキッチンはこれらのスペースを確保できないケースが多く、「同時に複数の作業が進行できない」「調理器具や食材の置き場が足りない」「一品料理を仕上げるのでいっぱいになってしまい、二品目を諦めてしまいがち」といった声が聞かれたそうです。
天面にモノが置ける、フルフラットの天板を搭載した2ドアタイプ
三菱電機の新しい小型冷蔵庫では、こうしたミニキッチンならではのスペース問題を解決するため、さまざまな工夫を盛り込んだものとなりました。ラインナップは2ドア冷蔵庫の定格内容量146Lの「MR-P15F」(冷蔵室が100L、冷凍室46L)と、同168Lの「MR-P17F」(冷蔵室が122L、冷凍室46L)。いずれもマットチャコールとマットホワイトの2色を用意しています。
冷蔵庫の天面は、MR-P15Fが121.3cm、MR-P17Fが133.8cmと、上にモノを載せて利用できる高さとなっています。さらに、上にモノを載せることを前提として、天面には鉄板を用いて耐荷重は手前が10kg、奥は30kgを実現しました。継ぎ目や段差のないフルフラットトップテーブルとなっており、耐熱は100℃で、電子レンジの設置スペースや食品・食器の一時置き場として利用しやすくなっています。
両機種とも、天面は幅48×奥行き59.5cmの広さ。電子レンジを置き、レンジから取り出した料理をちょい置きしたり、盛り付け作業に使ったり、冷蔵庫から出した飲み物などをグラスに注ぐテンポラリースペースとして利用したりできるゆとりがあります
また、扉の上まで天板で覆われているため、手前のほうにモノを置いていたら、扉を開けた途端に落ちてしまった……といったこともありません。フルフラットなので掃除もラクラク。
このほか、46Lの冷凍室は大容量フリーザーとなっており、冷凍パスタが18食分収納できます。容量の大きいMR-P17Fでは、3段で使えるドアポケットが、保存したいモノにあわせて高さを調節できる可変式になっています。
氷点下ストッカーを搭載する3ドアタイプもラインナップ
2ドア冷蔵庫のほか、3ドア冷蔵庫もラインナップ。容量272Lの「MR-CX27F」(冷蔵室が142L、冷凍室70L)と同300Lの「MR-CX30F」(冷蔵室が170L、冷凍室70L)の2機種です。高さはMR-CX27FFが163cm、MR-CX30Fが175cmあるため、天面はユーティリティスペースになっていません。扉は横も下も、掴んで開けやすいフリーアクセスデザインを採用。
両機種とも三菱電機の大型冷蔵庫で好評な「氷点下ストッカー」を搭載。肉や魚を凍らせずに美味しく長持ちさせることで、解凍の手間なしですぐ調理できます。氷点下ストッカーの下には給水タンクに水を入れるだけの自動製氷も装備。60Lの大容量フリーザーは、冷凍パスタが27食分入るたっぷり容量です。
容量は小さいけれど天板をユーティリティスペースに使える2ドア冷蔵庫と、容量が大きく氷点下ストッカーが使える3ドア冷蔵庫。どちらも少人数世帯の自炊事情を大いに助けてくれはず。自炊が増えて冷蔵庫の価値が見直されつつあるこの時期に、改めて導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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