テレビでお金持ちの家の部屋が映ると、たいてい天井でファン(シーリングファン)が回っています。風水的にもシーリングファンは「気」を循環させるから、運気が上がるのだとか。風水はさておき、シーリングファンって余裕の象徴みたいで憧れるんだよなぁ、でも工事してまで設置しないよなぁ……と思っていたところ、ある家電を使えば、憧れの「シーリングファン生活」が意外と簡単に手に入ることがわかりました。その家電とは、ドウシシャの「CIRCULIGHT」(サーキュライト)。シーリングライトとサーキュレーターが融合したアイテムです。
サーキュライトの大きなメリットは、通常のシーリングライトの配線器具があれば設置できること。筆者は8畳程度のワンルームに住む45歳独身。お値段も8畳用で約3万円と手が届くお値段ですし、使ってみて気に入ったなら自腹購入しようかな、と思ってお借りしました。結論から言いますと、自腹で購入して現在も使用中。なぜなら、これがない生活が想像できなくなったからです。その理由を、 以下でお伝えしていきましょう。
取り付けの際は、天井に取付金具を固定する
メリットをお伝えする前に、まずは重要な設置から見ていきましょう。取り付けはカンタン……というわけではありません。それは、おそらく多くの家庭で取付金具を天井へネジ留めする作業が必要だから。下の写真のように、「取り付けることのできる配線器具」で「〇」となっているのは左右にネジ穴があるタイプですが、筆者はこのようなものは見たことがありません。実際は「△」のご家庭が多いはず。その場合は、けっこう長いネジ4本(約4cm)で天井に取付金具をしっかり固定する作業が必要。踏み台の上で天井へ向かってネジをねじ込むわけですから、そこそこの体力を使います。天井がしっかり固定できる素材か否か、確認も必要ですね。
ファンが気持ち良く、夏場はほぼつけっ放しで使用
腕をプルプルさせながらも、なんとか金具のネジ留め、および本体の固定を終えればあとはカンタン。ファンとカバーを取り付けて設置完了です! サイズは8畳用で直径は60cmと、通常のシーリングライトとほぼ同じ大きさですね。すっきりシンプルな形状で、天井で悪目立ちすることもありません。ただし、普通のライトよりはちょっとだけ厚みがある印象です。
さっそくファンをスイッチオン。運転音はフオオオオー……という低く控えめな音で、耳ざわりな印象は一切ありません。真上からの風ってなかなか感じることはないですが、ああ、これは気持ちがいいですね。微風を浴び続けていたら居眠りしてしまいそう……。ベランダの窓を開けていると外からのそよ風とシンクロして、これがまた心地いい。心なしか、風に葉を揺らす観葉植物も気持ちが良さそうです。…確かに、これなら運気が上がる気がしてきました!
ファンの消費電力は最大11Wということは、「強」で10時間使っても電気代は約3円(27円/kWhで計算)なので、それほど負担にはならないはず……というわけで、以降は毎日、ほぼファンをつけっ放しで使いました(ただし12時間が経つと自動で電源が切れます)。
風量はもっぱら4つのボタンで選択
風量は16段階で細かく調節できますが、筆者はもっぱらリモコンのショートカット的な風量ボタン「強」「中」「弱」「ソフト」の4つのみ使いました。一刻も早く涼みたいときは「強」(風量16)、くつろいでいるときは「中」(風量12)か「弱」(風量8)、寝るときは「ソフト」(風量4)を使うことが多かったです。たとえば夏の夜、テレビを見ながら、「弱」で冷風がそよそよと足のあたりをなでる感覚は快感そのもの。熱々のラーメンを食べるときは「強」が重宝しましたし、ジムが終わったあと「強」で頭から涼むのも最高でした。
とはいえ1点、注意すべき点があるとすれば、我が家はとりわけ天井が低いので(220cmほど)、通常の住宅だとそこまで強く風が感じられない可能性があること。特に天井の高い家では、扇風機としての効果は副次的なものと心得て、空気の攪拌をメインとする機器として認識したほうがいいでしょう。
風の向きは上向き/下向きを切り替えできる
リモコン脇のスイッチをスライドさせることで、風の向きを上向き/下向きを切り替えることもできます。夏の間はもっぱら下向きを使っており、このほうが冷房の冷気が効率よく循環するように感じました。冬になれば温かい空気は天井付近に溜まりますので、上向きの風が天井にぶつかって砕け、暖気をナチュラルに拡散してくれるはず。冬、筆者宅ではパネルヒーターを使うので、いままでは温度ムラが大きかったのですが、それも解消される気がして楽しみです。
なお、真下だけではなく首振りもしてくれればいいな……と思う方もおられるはず。実は、ファン部分が首振り(スイング)しながら回転(ターン)する「スイングモデル」がすでに発売されています。これだと6万360円~と一気に価格が跳ね上がってしまうため今回は選びませんでしたが、便利なのは間違いないですね。木目のカラバリ「ライトウッド」「ダークウッド」(6万5780円)も発売されているので、ぜひ注目してみてください。
調光・調色もあって、照明の機能は必要十分
一方、照明の機能は、「必要十分」といった印象。欲を言えば、もう少し光が強ければよかったかな…‥。本機は8畳用で光量は4000lmですが、12畳用(3万4690円)は5000lmということなので、5000円ほど予算を加えて1つ上のクラスを選ぶのもいいですね。なお、光の色をコントロールする調色機能にはあまり期待しないほうがいいかもしれません。調色は7段階あるのですが、1段階(昼光色)と7段階(電球色)だけ色が極端で、その中間の色(2~6)の階調が少なく感じました。なので、体感としては「調色は3段階」という印象です。
ちなみに、お手入れの面は、まったく問題ナシ。我が家は大きめの公園が近くにあり、虫の訪問が多め。ゆえに、カバーの中に虫が入ることが多く、ある夜は女王アリでも中に入ったのか? というくらい大量の羽アリが入ってきて、アリも、自分も往生しました。しかしながら、本機のカバーの取り外しがカンタンで(回すだけでパチンと気持ちよく外れます)、すぐに内側がキレイにできたのが良かったです。ファンの取り外しも簡単で、ファンの端についたホコリも水道でラクに洗い流すことができました。
「サーキュレーターを使おう」という気になるのが最大のメリット
かれこれ4か月ほど使わせて頂きましたが、サーキュライトを使ってわかったことは、やっぱりカッコイイ! ということ。外観は極めてシンプルながら、中央で滑らかにファンが回る様は動きのあるオブジェのようで、ついつい見入ってしまいます。ビデオ会議でよく「何ですかそれ。カッコイイですね!」と言われて、「え、普通ですよ?」みたいな顔をしていましたが、心中での優越感は禁じえませんでした。ただ、マイペースな弊社の営業担当が、競合メーカーさんとのミーティングで話題にしたときは、「オイ!」と思いましたが。
あとは、サーキュレーターが照明と一体化していることで、設置スペースが節約できること、いままでにない方向から風を浴びられることがいいと感じました。これだと床のスペースを広く取りながら真上から風を浴びることができるので、真上から風を浴びながら、快適に筋トレやエクササイズをすることもできます。
もうひとつ、極めて大きなメリットは「サーキュレーターを使おう」と思えること。筆者の場合、GetNaviの家電担当になるまでは、「サーキュレーター」という存在すら知りませんでしたが、使ってみると「これは絶対にあったほうがいいな」と思います。夏の間は本機が空気を攪拌し、身体に風を当ててくれるので、例年より冷房の設定温度を高めにしても気持ちよく過ごすことができました。これからの季節も暖房やヒーター、加湿器と併用して快適に過ごせる気がしています。
換気のサポートをしてくれるのもいいですね。たとえば、筆者は毎朝、全ての窓を開け放ち、本機の風量を「強」にして部屋の空気を入れ替えるようにしていました。散歩から帰ると朝の清々しい空気が部屋に満ちていて、気持ちよく1日のスタートできた気がします。風通しが良くなったせいか、観葉植物がすくすく育つのもうれしいところ。ファンだけにもろもろ物事がうまく回っている気がして、「シーリングファンは運気を上げる」というのもあながち間違いではない気がしてきました。
もし、こんな大きなファンが天井ではなく、床に置いてあったとしたら、圧迫感を感じて片付けたくなるかも……。配線やリモコンが増えるのもイヤだよな、と思います。これだけ気軽に使えるのは、シーリングライトと一体化した「サーキュライト」だからこそ。……というわけで、冒頭で述べた通り、筆者は「サーキュライト」の自腹購入に至った次第です。みなさんもよろしければ、約3万円で「シーリングファンのある生活」を手に入れてみてはいかがでしょうか。