日立アプライアンスのドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」シリーズといえば、最大洗濯容量11kgという、名前の通りの大きなドラムが特徴です。ところが、10月12日に発表された11月19日発売予定の新モデル「ビッグドラム BD-NX120A」(以下、BD-NX120A)は、なんとさらに洗濯容量が1kgアップし、12kgまで洗濯できるようになりました!
これはシングル用の毛布なら一度に4枚も洗濯可能なサイズ。もちろん国内の家庭用洗濯機としては、業界最大容量となります。そして、洗濯容量が増えると設置面積が気になりますが、なんと本体サイズは昨年モデル「BD-V9800(洗濯容量11kg)」とほぼ同じ。奥行は62cmと場所を取らないのもうれしいポイントです。
振動を最低限に抑えた新設計
また、今回の新モデルでは従来よりデザインを一新。洗濯機には珍しい、丸みのあるフォルムになりました。もちろん、変わったのは見た目だけではありません。新技術のなかでも注目したいのは「低振動化技術」。洗濯機のドラムが大きくなると、回転時に洗濯物がドラム内で偏り、洗濯中に洗濯機が「ガタガタッ」と、音を立てて振動しやすくなります。このため、少量の洗濯をすると洗濯機の位置がズレたり、騒音のもとになったりすることもあるのです。ところが、BD-NX120Aは衝撃を吸収するラバーや、本体の振動を抑える「5重流体バランサー」、振動の大きさで硬さが変わる「ツインアクションサス」などの搭載で、振動を最小限に抑えています。
温水洗浄で黄ばみ汚れもスッキリ落ちる!
もちろん、洗濯機として一番重要な「洗い上がり」にもこだわっています。ビッグドラムシリーズといえば、勢いよく大量に流れ落ちる水を衣類にかけて洗う「ナイアガラ循環シャワー」が特徴。新モデルでは、このシャワーをドラム内の前後方向に動かし、水の散布範囲を広げています。このため、高濃度洗剤液が従来より効率よく衣類に浸透するということです。
もちろん、従来より人気の「[温水]ナイアガラ洗浄」機能も継続しています。これは、30~40℃の温水で洗う機能。30~40℃というのは、洗剤の酵素パワーが一番活性化する温度帯。この温度帯に温めた高濃度の洗剤液をミスト状に微粒子化して衣類全体に吹き付けることで、洗剤の浸透を助けます。このモードは、特に落としにくいといわれる「黄ばみ汚れ」に最適ということです。
ちなみに、洗剤のすすぎ残しの少なさで人気の「ナイアガラすすぎ」は、一回のすすぎに使用する水量を増やすことで、従来4回だったすすぎ回数を3回に低減しています。これにより、全体の使用水量はむしろ減少。さらに運転時間も短くなりました。このほか、衣類を温めて複数回すすぎをする「ダニ対策コース」なども搭載しています。
シワの少ない仕上がりになる「風アイロン」も健在
ビッグドラムシリーズといえば、乾燥機を使ってもシワの少ない仕上がりになる「風アイロン」も大きな魅力。風アイロンは、時速約300kmという高速の風で衣類を広げて、シワを伸ばしながら乾燥。また、熱による衣類の傷みを軽減する「低温乾燥」コースも搭載しています。さらに新モデルでは、乾燥時のドラム内の湿度をコントロールする機能を強化。高湿度で衣類に風を当てて伸ばすことで、Yシャツの袖の先までシワを軽減できるようになったといいます。
糸くずが簡単に捨てられるなど細かな配慮がうれしい
洗濯機は毎日使う人も多いため、本機は細かな使いやすさにもこだわっています。たとえば、従来までは網目形状だった「糸くずフィルター」は、くし形状に変化。ポンと叩くだけで、絡みついたゴミが捨てられるようになりました。
また、洗剤を入れる洗剤投入口は、フタを軽く押すとフタが持ち上がる設計。さらに、洗剤投入口サイズも大きく洗いやすくなっています。そして、従来は11時間かかっていたドラム槽の洗浄が、温水を使用することで、なんと2時間まで時短に成功しています。
羽毛布団の洗濯~乾燥が可能!
もともと「大容量」がうたい文句だったビッグドラムシリーズですが、今回はさらに容量をアップ。ドラム容積は従来の84Lから85Lに増えました。レースのカーテンなら14枚を一気に洗えますし、大掃除にも大活躍するでしょう。さらに、今モデルでは従来までは「洗濯」のみ可能だった羽毛布団の「乾燥」まで可能になっています。雨で布団が干せないときでも、フワフワの羽根布団が楽しめるのは魅力的ですね。
予想価格は税抜35万円前後。決して安い買い物ではありません。とはいえ、毛布やカーテン、羽根布団といった大物ファブリックをクリーニングに出す手間とコスト、そして毎日Yシャツをアイロンする手間を考えれば、意外にリーズナブルといえるかもしれません。