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2023/2/6 21:15

エレクトロラックス、軽量クリーナー市場に参戦!日本チーム発案の「UltimateHome700」にヒットの予感

スウェーデンの家電メーカー・エレクトロラックスから、コードレススティック掃除機「UltimateHome 700」が発表されました。

 

エレクトロラックスのスティック掃除機というと、自立タイプ(下重心タイプ)の「エルゴラピード」シリーズなどが有名。ですが、今回発表されたのは同社のスティック掃除機としては2022年7月に同社オンラインストア限定で販売開始した「UltimateHome 900」に続く上重心タイプ(ハンディ掃除機に延長パイプやヘッドが付いたタイプ)です。

 

モデルはウォルナットブラウンカラーの「EFP71525」(実売予想価格7万8100円・税込)とシェルホワイトカラーの「EFP71524」(同6万2700円)の2機種で、上位モデルの「EFP71525」にはカーペットの中のゴミなどをかき取る「パワープロマルチサーフェスフロアノズル」と、UV(紫外線)ランプを照射しながら掃除できる「UVベッドノズル」が付属します。

↑エレクトロラックスが2023年2月17日に発売するコードレススティック掃除機「UltimateHome 700」。左がシェルホワイトカラーの「EFP71524」で、右がウォルナットブラウンカラーの「EFP71525」

 

エレクトロラックス史上最軽量の1.9kgを実現

2モデルの違いはアクセサリーとカラーリングだけなので、上位モデルの「EFP71525」を中心に紹介していきましょう。

 

標準質量(標準ヘッドの「パワープロフロアノズル」と延長パイプを含めた重さ)は、同社史上最軽量の約1.9kgです。先行発売されたUltimateHome 900(標準質量約2.8kg)に付属するパワープロフロアノズルに比べて面積が約35%コンパクトになり、軽量化しただけでなく、狭い場所でも掃除しやすくなりました。

↑UltimateHome 700シリーズの特徴

 

エレクトロラックス・ジャパン ヘッド・オブ・プロダクトラインの洞口裕哉氏によると、「コードレスクリーナーが軽量化しているのは世界でも日本だけで、世界では吸引力を高めるために大きくなる傾向にありました」と語ります。

 

「しかし日本で軽量コードレスクリーナーがどんどんシェアを上げていく中で、『これはちょっと看過できないな』となり、日本チームからこのクリーナーを提案しました。コロナ前に本社の人間が来日して視察したときには、『(日本市場の軽量スティック掃除機は)まるでおもちゃのようだ』と笑われました。しかしその後、何度も議論を重ねていき、無事、開発に着手することとなりました」(洞口氏)

 

日本に比べて広い住宅の多い海外では軽量スティック掃除機のニーズは元々なかったとのことですが、「その後だんだんと日本だけではなく、アジアやヨーロッパのほかの国からこの商品が非常に好評価を得るようになり、結果的には、社内で“最重要新商品”という位置付けで発売することになりました」と洞口氏は語ります。

 

ちなみに上位モデルに付属するパワープロマルチサーフェスフロアノズルを装着すると2kgを超えてしまうとのこと。現在の日本市場では1.5kgを切る超軽量モデルが人気になっており、1.1kgといったモデルも登場しているものの、2kgを切るというのは市場で受け入れられる上で重要なポイントでしょう。

 

アクセサリーが充実。ハンディ掃除機として取り外せる充電台も便利

軽量スティック掃除機の多くは充電台が付属しないため、本体にACアダプターを接続したり、バッテリーを取り外して充電台に置いたりと、充電のしにくさがマイナスポイントになりがちです。その点UltimateHome 700は充電台が付属。すべてのアクセサリーを充電台に収納できるようになっているため、さっと付け替えて家中を掃除できるのが魅力です。

 

また、今回のような上重心タイプのスティック掃除機の場合、ハンディ掃除機として使いたいと思うと延長パイプを外してどこかに置かなければならないケースがほとんどでした。しかし、UltimateHome 700の場合は、充電台の後ろにあるボタンを押しながら本体を上に持ち上げると、スッとハンディ掃除機を取り外せるようになっています。三菱電機の「iNSTICK ZUBAQ」シリーズ(手前に倒すとスティック、上に持ち上げるとハンディになるタイプ)に近いコンセプトで、これもなかなか使い勝手が良さそうです。

↑本体背面にあるボタンを押しながら本体を上に引き上げます

 

↑ハンディ掃除機に早変わり

 

↑ハンディ掃除機を取り外したところ。パイプが斜めにカットされているので、このままノズルを付けずにハンディ掃除機として使えます

 

上位モデルのEFP71525には、スポンジタイプのローラーによって細かいホコリから大きめのゴミまで巻き込んで吸い取れる「パワープロフロアノズル」に加えて、じゅうたんの中にあるゴミやホコリもかき取れる「パワープロマルチサーフェスフロアノズル」、紫外線を照射しながらベッドやふとん、ソファなどを掃除できる「UVベッドノズル」が付属します。(EFP71524にはパワープロマルチサーフェスフロアノズルとUVベッドノズルが付属しません)

↑標準で付属するパワープロフロアノズル

 

↑パワープロフロアノズルは、ドライバーを使わずに簡単にブラシを取り外して掃除できます

 

↑上位モデルのEFP71525に付属するパワープロマルチサーフェスフロアノズル。こちらもレバーを回転させるだけでブラシを取り外せます

 

↑上位モデルのEFP71525に付属するUVベッドノズル。側面のボタンを押すだけでブラシを引き出せます

 

さらに、2つの回転モップによって床を水拭きできる「パワープロモップノズル」も別売(実売予想価格9900円・税込)で用意されています。

↑2つの回転モップが付いたパワープロモップノズル。パッドをあらかじめ水で濡らして使います。面ファスナーで装着されているので、取り外して洗うのもカンタン

 

フローリングからカーペットもラクラク掃除

発表会ではUVベッドノズルを除く3つのノズルのデモも行われました。

↑パワープロフロアノズルで、フローリング上とすき間にある重曹とプラスチックビーズを吸い取ったところ

 

↑カーペット上にあるペットの毛を模したフェルトと、お菓子の食べ残しを模したコルク材を、パワープロマルチサーフェスフロアノズルで吸い取るデモ

 

↑パワープロモップノズルでクレヨンで描いたタイルの汚れを掃除するデモ

 

ちなみにUltimateHome 700シリーズ発売を記念し、購入後に製品登録すると先着1000人までパワープロモップノズルがもらえるそうです。専用の回転モップクリーナーも人気ですが、これさえあればUltimateHome 700が1台あるだけで事足りるので、場所を取らずに済むのはうれしいポイントです。

↑新発売記念で先着1000人までパワープロモップノズルをプレゼントするキャンペーンも実施されます

 

今や、コードレススティック掃除機は3万円を切る安価なモデルから10万円前後の高級モデルまで幅広くラインアップされています。しかし超軽量モデルは日々の使い勝手はいいもののパワーに物足りなさを感じる場合がある一方、パワフルなモデルは重くて取り回しがしにくいという難点があります。その点、UltimateHome 700はパワーと取り回し、使い勝手のバランスがいいモデルに仕上がっているように感じました。

 

先述の通り、エレクトロラックスというと下重心タイプの代名詞である「エルゴラピード」シリーズが有名ですが、下重心タイプは日本市場で約2割程度とのこと。約2割のカテゴリーでトップを取っているだけでなく、人気の8割を占める上重心タイプに切り込むことで、さらなるシェア獲得に乗り込んだ形になりました。当初の販売価格は決して安くはないですが、1000台までは水拭き掃除用のパワープロモップノズルがもらえるお得感もあり、ヒットの予感がします。

 

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