2016年は材料を入れるだけの自動調理家電や、操作性を極めたコードレススティック掃除機の普及が顕著でした。今回は、いったいなぜ両者がユーザーに受け入れられたのか、家電の専門家・戸井田園子さんに分析してもらうとともに、同カテゴリのヒットを呼んだキーアイテムをご紹介。合わせて、2016年の市場を賑わせたユニークなアイデア家電も紹介していきましょう!
手軽なのにしっかり家事ができる点がヒットの理由
2016年、家電では「自動調理家電」と「コードレススティック掃除機」がヒット。前者は調理工程を自動化することで、家事の効率化だけでなく、調理の質を高められることで支持を集めました。そんな自動調理家電の代表格は、電気圧力鍋とコーヒーメーカー。16年の販売台数は、前者が15年の約2倍、後者は約3倍となりました。
一方、掃除機では、手軽に掃除できるコードレスタイプが特に人気。従来はキャニスターのサブ的存在でしたが、バッテリー性能と吸引力が進化したことで、メインで使えるモデルも登場しています。そんな好調のスティック掃除機のなかでも、コードレス型のシェアが7割近くに伸張。市場規模は14年の約1.5~2倍となりました。
それを踏まえ、家電コーディネーターの戸井田園子さんは、それぞれ次のように分析します。
「『自動調理家電』は、ずっとそばにいなくて済むのが最大のメリット。手抜きしたいのではなく、限られた時間でちゃんと料理を作りたいという意識が高まったことでヒットしました。『コードレススティック掃除機』は、課題だったバッテリー性能の向上が顕著。高い集じんパワーで長時間使えるようになりブレイクしました。平日の空いた時間でこまめにサッと掃除するスタイルの家庭が増えていることも、ヒットの要因だと思います」(戸井田さん)
【自動調理家電のキーアイテム その1】
「まぜ技ユニット」で撹拌もおまかせ!
電気無水鍋 12月8日発売
シャープ
ヘルシオ ホットクック KN-HT24B
実売価格6万6290円
食材の水分を活用する「無水調理」が自動で行える電気鍋。ビタミンCや葉酸など、抗酸化作用のある栄養素を残せてヘルシーです。また、火加減だけでなく、タイミングの難しいかき混ぜも「まぜ技ユニット」が自動制御。料理が傷まないよう適温を維持する「予約調理」も秀逸で、本当の意味での「自動調理」を実現しました。自動調理メニューを119種収録。
ヘルシオ炊飯器の技術を応用。焦げやすいカレーや、味の調整が難しい煮物も上手く仕上がります。
【自動調理家電のキーアイテム その2】
「スロークッカー調理」に対応!
シロカ
電気圧力鍋
クックマイスター SPC-101
実売価格1万4090円
材料を入れてボタンを押すだけで、角煮などの料理も短時間で絶品に仕上げる電気圧力鍋。約85℃加熱で食材を柔らかく調理できる「スロークッカー調理」にも対応します。
【スティック掃除機のキーアイテム その1】
独自の機構によりノズル交換が不要
パナソニック
iT(イット)MC-BU500J
6月20日発売 実売価格6万4270円
ヘッドがT字からI字に切り替わり、すき間の掃除が快適に行えます。パワーブラシを採用し、絨毯に絡みついたゴミも強力にかき出して集じん。ゴミセンサーも秀逸です。グリップを回転させることで、狭いすき間もノズルを差し替えることなく掃除できるようにしたのが画期的。細身のボディも含めて、日本の住宅事情に配慮した使い勝手の良さが人気の理由です。
家具と壁の間などで、手元をひねるとヘッドがI字に。面倒なノズル交換不要で掃除できます。
【スティック掃除機のキーアイテム その2】
パワフルな吸引力が最大40分続く
ダイソン
Dyson V8 Fluffy
実売価格6万7500円
モーターとバッテリーを一新し、従来機から吸引力が約15%向上。フェルト素材のヘッドが大小様々なゴミを同時に包み込んで、確実に集じんしてくれます。
【その他の家電も注目】意表を突いた市場を賑わせたアイデア家電も!
2016年も個性的なアイデア家電が数多く登場。メディアで多く取り上げられ、特に話題を集めた3モデルを紹介します!
大風量を実現したダイソン初のドライヤー
ダイソン
Dyson Supersonic
実売価格4万8600円
ダイソンが手がけた初の美容家電はヘアードライヤー。“羽根のない扇風機”エアマルチプライヤーの技術を応用し、大風量を実現しました。
蚊をおびき寄せて粘着シートで捕獲!
シャープ
蚊取空清 FU-GK50
実売価格3万2560円
蚊取り機能を備えたプラズマクラスター空気清浄機。「UVライト」「黒色」「小窓」で蚊をおびき寄せて吸引し、内部の粘着シートで捕獲します。
設定した時間に自動でカーテンをオープン
ロビット
めざましカーテン mornin’
3985円
カーテンレールに装着するだけで、専用のスマホアプリで設定した時間にカーテンを開けられます。朝の太陽光で快適な目覚めを実現。
【解説してくれた人】
家電コーディネーター 戸井田園子さん
テレビや雑誌など様々なメディアで活躍。ユーザー目線に立った製品レビューで厚い支持を集めています。