ここ数年、悪質な住宅強盗事件を耳にする機会が増え、物騒だなと感じている人は多いのではないだろうか。実際、令和5年の住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数は、前年比で11.3%も増加している(※)。そこで役に立つのが防犯カメラだ。なかでも編集部のイチオシは、「MS LifeConnect AIスマートカメラ」。今なぜこのカメラが“推し”なのか? 何がほかと違うのか? その魅力と実力をお伝えすべく、家電ライターとしてメディア出演が相次ぐ田中真紀子さんの自宅に設置し、検証してもらった!
※出典=警察庁住まいる防犯110番
検証するのはコレ!
MS LifeConnect
AIスマートカメラ 屋外用カメラ/屋内用カメラ三井住友海上が新たに始めた住宅IoTプラットフォームサービス、「MS LifeConnect」の第1弾商品。高度なAI検知能力により、人間や動物、車などを識別。24時間稼働し録画すると同時に、指定した対象物が写り込んだときだけを「クリップ動画」として切り出し、スマホに通知を送れる。検知する対象物は細かく設定できるため、例えば動物が写り込んだ映像だけを検索するなど、後から目的の動画を探しやすい点もメリット。これにより長時間の動画を頭からいちいちチェックする手間が不要になる。
2週間導入! 6つのチャレンジで
「MS LifeConnect AIスマートカメラ」の実力検証
今回カメラを設置した田中さんのお宅は、住宅街に立つ一戸建て。道路に面した1階がガレージとなっており、その横の階段を上がった先、つまり2階にあたる場所に庭と住宅の入り口がある。今回はガレージの入り口と、リビングにそれぞれ1台ずつカメラを設置した。
チャレンジ1.
人と犬が同時に進入した際、正しく識別できるか?
「まずは、愛犬のクーちゃんを連れて家の前を散歩し、AIによる検知機能の精度をテストしました。検知する内容を細かく設定ができるので、人と動物の両方を検知するように設定。また、検知範囲もラインとエリア(※エリアについてはチャレンジ3でご紹介)の2種類から選べます」(家電ライター・田中真紀子さん、以下同)
【チャレンジ】
【結果】
「ラインを超えたらすぐに持っていたスマホに通知が届きました。アプリを開くと下の画像のとおり、犬は青い四角、私は人間を示すオレンジの四角で囲まれ、正確に検知されていました」
【チャレンジ】
【結果】
「クルマも車両を表す緑色の四角で囲まれ、正確に検知されました。交通量の多い道路の場合はクルマが検知されないように設定すれば、不要な通知が届くのを防ぐことができます」
【結論】人、動物、車両を正確に識別し、不要な通知が発生しない
「AIが人と動物、車両をそれぞれ見分け、誤認識はありませんでした。道路に張り付いてチェックしていたわけではないので絶対とは言い切れませんが、設置からの2週間を振り返ると、指定した場所に何かが侵入した際はほぼ確実に検知してくれていた気がします。
また、検知する対象物を細かく設定できるので、例えば庭で犬などのペットを飼っている方は、動物には反応しないように設定できます。そもそもAI検知のメリットは、不要な通知を防げること。この機能がない場合、たとえば風で飛んできたゴミなども検出されてしまい、通知が頻繁にくるように。そうなると、次第に『どうせまたゴミでしょ?』と通知のチェックが面倒になり、見なくなってしまいますよね。これなら、本当に必要なときだけ通知を受け取ることができます」
チャレンジ2.
夜間、真っ暗ななかでどこまで侵入者を映し出せるか?
「夜間に道路を通行する人がきちんと検知されるかどうか、息子が夜、帰宅するタイミングで検証。不審者がいたときに服装などの特徴を把握できるレベルで撮影されるのかもチェックしました」
【結果】
【結論】夜間の暗い道路でも服装の特徴までバッチリ!
「我が家の前の道路は、街灯が少なく夜間はけっこう暗いのですが、それでも通行人をしっかりと検知してくれました。暗いところでも服装の特徴までしっかり映り、トラブル時に警察に提出する証拠として十分使えると思います。また、夜間の撮影時に赤外線LEDが点灯する『赤外線ナイトビジョン機能』が搭載されているので、カメラがついていることが一目でわかり、侵入リスクを下げることもできます。ちなみに、照明がある場所に設置した場合、画面内に明るい部分と暗い部分が発生してしまいますが、ハイダイナミックレンジ機能をオンにすると、どちらの部分も詳細に撮影されますよ」
チャレンジ3.
敷地内に人が入ったらどれくらいのスピードで知らせるか?
「ガレージに不審者が侵入した場合を想定し、ガレージの入口周辺を検知エリアに設定。エリアの場合、線ではなく面で検知場所を設定できます」
【チャレンジ】
【結果】
【結論】体感5秒以下。検知とほぼ同時に通知が届いた!
「写真の左上の時刻とアプリに表示された時刻が同じことからもわかるように、不審者の侵入を検知すると同時にスマホに通知が届きました。体感としては5秒も経っていないと思います。これならアプリを通じて不審者に警告を出し、犯行を牽制することもできそうです! また、滞在時間を選べるのもポイントで、人通りの多い道路にカメラを設置している場合、検知までの時間を少し長くしておけば、さっと通り過ぎた通行人は検知せず、同じ場所に留まって何かをしている不審者だけを検知することができます」
チャレンジ4.
遠隔からどれくらいスムーズに会話が成立するか?
「スピーカーが付いているので、例えば不審者が写り込んだときに声で威嚇することも可能です。とはいえ、取り付け位置が高くてもきちんと内容を聞き取れるレベルなのかが気になるところ。そこで編集部の方にカメラの下に立っていただき、スマホアプリを通じてスムーズに会話ができるかを試してみました」
【結論】雑談レベルの声量でもスムーズに会話ができる
「雑談をするときと変わらない声のボリュームでも難なく会話ができました。これなら、例えばインターホンが映る位置に設置すれば、外出中に配達に来た宅配業者さんとコミュニケーションをとるといったこともできますし、屋内カメラでも、たとえば帰ってきたお子さんに『おかえり』と声を掛けることもできますよ。また、不審者に対しスピーカーから警告音を鳴らせるのもポイント。一度リビングに設置したカメラで鳴らしたことがあるのですが、クーちゃんが大騒ぎするくらい大音量。聞いていてかなり不快な音だったので効果は抜群だと思います。屋外で鳴らせば近所の人も気がついてくれるはず」
チャレンジ5.
スマホでの操作はだれにでも簡単、スマートに行えるか?
「日常的に使うアイテムなので、誰にでも簡単に操作できるかどうかは重要なポイント。導入してからすぐに使いこなせるようになるかどうか、アプリの操作性や機能をチェックしました」
【結論】アプリを起動してすぐに映像にアクセスできる!
「ホーム画面にライブ映像が表示されているので、アプリを開くとすぐに映像をチェックできるのは嬉しいポイント。また、アカウントに家族などを追加で招待できるので、それぞれが自分のスマホからアクセスできる点も便利です。ちなみに、アカウントの招待など重要な操作がPCアプリからしかできない点は、一見、手間のように感じられますが、スマホは日々持ち歩くぶんPCよりも誤操作や紛失が起きやすいので、安全面を考えると受け入れられるはず」
チャレンジ6.
取り付け・設定は簡単か?
「防犯カメラには自分で設置するタイプと、施工業者の方に来ていただき設置するタイプがありますが、本品は後者のタイプ。実際に取り付けを依頼し、設置までどのくらいの時間がかかったか、また取り付け後の設定のしやすさをチェック」
【結論】“防犯と施工のプロ”の手によって確実に設置できる上、助言をもらえるのは助かる!
「どこに取り付けるのがベストか、取り付け場所に電源があるか、通信に問題はないかなどをチェックする現地調査と、実際の設置で、計2回業者さんに来ていただきました。
最初は日程調整が手間と感じたものの、防犯のプロによる住宅環境・特性に合わせた効果的な設置位置などを相談できて助かりました。また、実際にしばらく運用してみて後日位置の変更にも対応していただけました。設置費用や移設費用はかかりますが、このように現地調査を無料で実施してくれる点も、サービス全体の安心感につながりましたね」
「セルフセキュリティ」なら犯行を防げる可能性が高まる!?
―――設置してから2週間が経ちましたが、率直にどう感じましたか?
「留守中に家の様子が気になるというときにすぐに確認できるということが、こんなにも安心につながるとは思ってもいませんでした。ちょうど最近、近隣で不審な訪問販売や窃盗被害が増えていて、不安を感じていたので、やっと安心できました。防犯カメラを設置するのって、大袈裟なことのように感じるかもしれませんが、一度設置と設定さえしてしまえば、あとは自動で機能してくれるので、導入したいまは、そんなに大ごとじゃなかったんだなって感じています。いっときの手間よりも未来の安心のほうが大切ですし」
―――自宅のセキュリティを高める手段には、警備会社と契約する「ホームセキュリティ」もありますが、自分でセキュリティカメラを導入する「セルフセキュリティ」を選ぶメリットは何でしょうか?
「セルフセキュリティは、異常があったときに自分で対処しなければならない点がデメリットと思われがちですが、実はホームセキュリティよりもクイックに対処できるというメリットがあると感じました。
たしかにホームセキュリティには、警備員に駆けつけてもらえるという安心感があります。でも実は、警備員が駆けつけた時点ですでに犯行が終わっているというケースも多いそうなんです。警察への通報は、到着後に行われることになりますから、犯罪を防ぐことまではできませんよね。
その点、本品のような高性能なカメラによるホームセキュリティなら、不審者を検知したらすぐに気がつけるので、その場で警告音を鳴らしたり警察に通報したりできます。つまり、犯行前に被害を防げる可能性が高まります。もちろん犯行が行われてしまった場合も、クラウドに保存した撮影データを証拠として提出することも可能です」
見守りカメラとして使うときは、動物検知機能と細かなルール設定が活躍
―――本品は、防犯としてだけでなく、見守りカメラとして活用できるのもポイントです。屋内カメラはリビングに設置されたとのことですが、どのように活用されていますか?
「子どもがすでに高校生なので、我が家では子どもの見守りではなく、留守中の愛犬の見守りに活用しています。外出中にクーちゃんが体調を崩してしまったときには、その様子を獣医さんに映像で共有できて助かりました。出先からでもそういった異変に気づけるのは心強いですね。
ペットカメラや見守りカメラは他にもたくさんありますが、動物だけを検知できるよう設定できるものはほとんどないので、その点も魅力的。また、防犯カメラと見守りカメラを別にした場合、それを管理するアプリが増えててしまいますが、本品なら1つのアプリで一元管理ができるのもうれしいポイント」
―――動物のみを検知できるとはいえ、ペットがカメラの前を横切るたびにクリップ動画(後から動画を検索しやすくなるように、設定した対象物が検知されたときに切り出して保存される動画のこと)が記録されると、すぐに1か月の記録上限本数に達してしまいそうです(1か月に保存できるクリップ動画の本数には制限があります)。
「私もそれが心配だったんですが、検知するルールを細かく設定できるので問題ありませんでした。例えば会社に行っている平日の日中だけ検知するようにしたり、一度検知したらその後1時間は検知をしないように設定したりできるんです。これらを設定すればクリップ動画が増えすぎる心配はありません」
サブスクリプションだからこそ手に入る精度と安心感
―――本品はサブスクリプションサービスで、毎月費用がかかりますがその点はいかがでしょうか?
「サブスクリプションの魅力は機能が常にアップデートされることと、クラウドが使えること。そもそもAIは、アップデートにより精度が上がるものなので、真価を発揮するためにもサブスクリプションなのは当然だと思います。また、SDカードなどに保存するタイプだと、記録媒体自体が盗まれたり、データを消されたりするリスクがあるので、クラウド保存であることも安心を得るためには欠かせない要素でしょう。
さらにいうと、プライベートを記録するアイテムだからこそ妥協してはいけないセキュリティ性能に関しても、本品では米国国防権限法に準拠した高度なサイバーセキュリティ技術が使われています。これらを鑑みれば、この支出はアリではないでしょうか。ちなみに私は、ペットカメラを導入したら、なぜか他の方の家の映像が映し出されたという衝撃的な体験をしたことがあり、情報漏洩リスクへの対応の大切さを痛感しています。
いずれにせよ、“万が一”がなかったとしても日常的に活用できて安心感を得られるので、価格に対する満足度は高いです。大手保険会社が提供しているという点でも安心ですし。実際に導入してみて、MS LifeConnectは、私の家とペットを守る大切なパートナーだなと感じています。現在は2台までですが、今後3台まで使えるプランが追加されるそうなので、玄関への設置も検討したいですね」
取材・文/鈴木翔子 写真/鈴木謙介