覗けば深い女のトンネルとは? 第44回「たいていの女子は自分の身体にコンプレックスがある」
以前、友達から「あなたになるには80万円」というタイトルのメールが来ました。
何のことかと思ったら、美容クリニックで「太ももとふくらはぎの贅肉をとって痩身するのにそれくらいかかる」と言われたんだとか。彼女は普段から、和久井の足が羨ましいと言っていたので、こんなタイトルのメールを送ってきたわけです。
彼女は、ナンパしてきた、ものすごーく無神経そうなパリピー男子と付き合っていたことがあるんですが、その理由を聞いたら「私が水着を着ていたとき、この太い足を見ていたにもかかわらず声をかけてきたってことは、太い足は気にしないってことだから」と言いました。そいつはお前の巨乳に目がいったんじゃないかと思いましたが、とりあえず黙っときました。
彼女は、誰もがうらやむ豊満な胸を持ちながら、そこではなく足が太いことをひたすら気にしていたんですね。
たいていの女子は、自分の身体にコンプレックスがあると思います。なけりゃとっくにタレントにでもなっているでしょう。胸が小さい、離れてる、おなかが出てる、お尻が四角い……。もう、人が気づかないようなことをすごく気にしているかもしれません。
だから、初めて彼に身体を見せるのは、ものすごく恐いんです。
男子たちが普段目にしているのは、均整の取れた、美しいグラビアアイドルやセクシー女優たちです。自分のほうが劣るに決まってます。彼に嫌われたらどうしよう、やる気がなくなったらどうしよう、不満に思われていたらどうしよう……。不安でいっぱいです。
和久井にもコンプレックスがあり、付き合っていた彼に打ち明けたことがあります。
彼はとても優しい人だったので、「そんなことないよ、僕は綺麗だと思うし、好きだよ」と言ってくれました。
それでも「彼は優しいから嘘をついてるんだな」と素直に受け取れませんでした。コンプレックスに感じていることって、簡単には拭えないんです。
以前、こんなことを言っていた男性がいました。
「元カノの貧乳をよくいじってた(けなしてって意味ね)」
もう、トンカチでガーンと頭を殴られたような気がしました。
その男性は、こんなことも言っていたんです。
「元カノは貧乳を気にしていて、プールに行ったときに『巨乳がいっぱいいるね』って言うから『そうだね』って言ったら怒り出してケンカになった。とばっちりだ」
とばっちりじゃねーよ! もう、怒りでわなわなと身体が震えました。
付き合っている彼氏に勇気を出して身体を見せたのに貧乳、貧乳と何度も言われたら、気になるに決まってますよね。「やっぱり貧乳はイヤなんだ」って思いますよね。なんで自分の身体はこんなに女らしくないんだろうって悩みますよね。それで周りが気になって「巨乳がいっぱいいるね(やっぱり私は女らしくないのかな……)」って聞いたら「そうだね(お前は人より劣ってるよ)」って答えが返ってきたんです。怒るっていうか、悲しくて絶望って感じです。
好きな人に言われたことだから、相手が無神経なんじゃなくて、自分が悪いと思ってしまうでしょう。
その無神経男に、「お前は付き合ってる女に『短小』って何度も言われてなんにも思わないのか」と聞いたら、「うわっ、そんなこと言われたら泣いちゃう!」だそうです。なんて勝手なのでしょう。想像力がなさ過ぎです。
女子が自分の身体をけなされたら、一生もののトラウマです。貧乳をいじられた彼女が、どんなに辛くて、一生拭えない傷を負ったかと思うと、自分のことのように胸が痛みます。
女性のみなさん、自分の身体を、冗談でもけなすような男性と付き合う価値は1ミリもないですよ。男性のみなさん、パートナーのことは、綺麗だ、好きだと何度でも褒めてあげてください。それだけで、女性はあなたと一緒にいるのが幸せになるはずです。