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2019/11/13 20:00

自動翻訳機「ポケトーク S」の“矛盾した新機能”に垣間見た「20年経っても変わらない日本人らしさ」

ソースネクストは11月7日、翻訳機「POCKETALK(ポケトーク)」次世代モデル発表会を開催。発表会では、ラグビー元日本代表の大畑大介さんやフリーアナウンサーの高橋真麻さんが登壇したほか、ビデオメッセージには今回もCMキャラクターを務める明石家さんまさんが登場するなど、かなり力が入っている内容でした。が、編集部が注目したのはそこではありません。

 

今回発表された新型ポケトークは、いかにもという“日本人らしさ”を感じる新機能が搭載されていたのです。それはどのような機能なのでしょうか。本体の機能紹介とともにレポートいたします。

↑ポケトーク S

今回発表された「ポケトーク S」は、2018年9月に発売された「ポケトーク W」の後継端末。発売日は12月6日、税別価格は2万9800円です。

 

端末のデザインを一新し、ポケトーク Wに比べて、薄さは3分の2、重さは4分の3とコンパクトになりましたが、画面サイズは1.3倍、解像度は1.7倍と、画面が見やすくなっています。端末で写真を撮るだけで55言語を翻訳できる「画像翻訳機能」や、AIを相手に語学の勉強ができる「会話レッスン機能」などが、新たに搭載されています。

↑画像翻訳機能を試したイメージ

 

あれ? 自動翻訳機なのになんで学習機能が?

本体の機能を見ていくと、劇的な高性能化を果たしたのがわかりますが、ポケトークは言語を自動で翻訳してくれる“自動翻訳機”、なぜか語学学習の機能が搭載されています。

 

実はこれ、ユーザーデータを読み解くと輪郭が見えてきます。ユーザーアンケートを取ると、ポケトークの使用用途として、ユーザーの3分の1以上が語学学習に利用していたのです。自動で言語を翻訳するはずの端末が、利用者の語学スキル学習に使われるとは、何とも皮肉な話ですね。

今回ポケトーク Sに搭載された会話レッスン機能は、「空港・機内」「ホテル」など、海外旅行で役に立つ、6シーン全36場面の会話レッスンができ、発売時は英会話のみとなっていますが、中国語、スペイン語、フランス語、韓国語などのレッスンもできるようになるようです。

なお、アンケートでは、英会話学習で苦手意識のあるものとして、スピーキングとリスニングが半数を超える結果となっています。また、英会話レッスンを受けたことがあるかという問いでは。6割以上が「ない」と答え、その理由に「話すことに自信がない・話すことが恥ずかしい」と答えた人は3割程度でした。

 

タイピングソフト時代と変わらぬ日本人の気恥ずかしさ

このアンケート結果を受け、同社代表取締役社長の松田憲幸氏は、同社が22年前に開発したタイピングソフト「特打」が流行した背景を挙げます。

 

同氏によると、「若い人に“遅い”って言われたくないから隠れて練習したい」「人間に教えられるんじゃなく、マシンに教えられるので恥ずかしくなかった」という声があったことを挙げ、そこからヒントを得て、「AI英会話なら恥ずかしくないだろう、自由に練習できるだろう」と思い、様々なシーンで使える英会話機能を搭載したとのこと。

↑松田憲幸氏。ドラえもんが隣にいる理由は、特別モデルとして「ドラえもん Edition」(3万4800円/税抜)も発表されたため

 

自動翻訳機ポケトークとタイピングソフト特打の意外な共通点ーー「人前で恥をかきたくない」。ヒットを狙う戦略に、人前での失敗や恥を恐れる、完璧主義で生真面目な日本人の“国民性”が垣間見える結果となりました。

 

思わぬ“日本人らしさ”を突いた製品ですが、ポケトークで英会話を学んでも結局、実際に海外に行った時には、“ポケトークで身に着けた英語力”より、“ポケトークの自動翻訳”が重宝されるかも。というのも、この製品、翻訳スピードがかなり速くて、つい頼ってしまいそうになる一台だったからです。

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