ライフスタイル
2019/12/10 21:00

渋谷に新名所。接客ロボットが揃う「Pepper PARLOR」が東急プラザ渋谷にオープン

おそらく誰もが一度は見たことがあるディスプレイ付きのロボット「Pepper(ペッパー)」。このペッパーが接客するカフェ「Pepper PARLOR(ペッパーパーラー)」が、12月5日、新生・東急プラザ渋谷が入る新商業施設「渋谷フクラス」5階にオープン。その様子を一足早く体験する機会がありました。

↑「Pepper」5台が並ぶ「Pepper PARLOR」の正面入口。ここで注文や会計を行えます

 

ロボットが目の前で接客してくれる斬新な世界観

このカフェの持ち味は、ソフトバンクが手掛けるロボットたちが、訪れた人に寄り添いながら心地良い空間とすることにあります。それを実現するために、「受付ペッパー」のほか、「相席ペッパー」、「NAO(ナオ)」、掃除ロボット「Whiz(ウィズ)」など多数のロボットが“顔”を揃えます。

 

正面入口に向かうと、そこには5台のペッパーが並んでいました。ここで訪れたお客はロボットを前にタブレット上でオーダーし、それを現金かクレジットカードで精算するのです。ユニークなのは、仮に何を選んだらいいのか迷った時にペッパーが頭に付いたカメラで捉えた画像から、年齢や男女を判別し、体調もその表情から推測してお勧めのワッフルを提案してくれることです。

↑5台のPepperが並ぶ受付を背後から。なかなか壮観な光景

 

↑客の表情から年齢や男女を判断し、体調までも推定してお勧めのメニューをリコメンド

 

私がメニューからお勧めを問い合わせると、ペッパーは「あなたは頑張り屋さんですね。そんなあなたにピッタリなワッフルはこの○○です」とワッフルのメニューを画面に表示してくれました。ペッパーがどのような根拠で結果を出したかはわからないままですが、それで良ければ飲み物を追加して精算します。注文が終わると控えが渡されてテーブルで待つという流れです。

↑注文時に表示されるメニュー。リコメンドしてもらいたい時は右側のペッパーのアイコンを選びます

 

↑この時は筆者に対し、「頑張り屋さん」との判定。「イベリコハムと目玉焼きスペイン風パプリカのトマト煮」が提案されました

 

ワッフルのメニューは、東京・青山のグリルレストラン「THE BURN」で総料理長を務める米澤文雄氏が手掛けてます。そのコンセプトは、「世界を旅するグルメ&スイーツワッフル」。世界の国々をイメージしたワッフルやドリンクなどを揃えるだけでなく、菜食派であるビーガンメニューにも対応しているとのことです。

↑「フランス産フォアグラのシルキームース自家製グラノーラ添え」ワッフルはグルメ系とスィーツ系から選べる

 

↑グルメ系ワッフルの「タスマニアサーモン・クリームチーズとケッパー」

 

同じテーブルについてくれる「相席ペッパー」は、一緒に遊んだり記念撮影で盛り上げたりしてくれます。「シャッフルポーズ」「頭タッチでピッタリ10!」「のぞきみ熟語」「あるあるガチャ」「買い物記憶」「ココドコ?ザ・ワールド」「ペッパー占い」といった、ゲームや占いなど7種類のアプリでネタも提供してくれます。会話内容はマイクロソフトの「りんな」を使用して、カフェで使われそうなキーワードを多く憶え込ませているんだそうです。実際に占いを試してみると、占い結果が当たっているかどうかを聞いてきて、それをきっかけに会話を広げていくといった感じでした。この日は4台が稼働してましたが、日によっては増減することもあるとのことでした。利用料金は無料です。

↑「相席Pepper」は7種類のアプリを提供。会話もできるので一人で行っても楽しめます

 

人間の孤独をロボットなら癒せる可能性が高いかも……

「ナオ」は2006年に開発された最も古いロボットで、ソファーが並ぶ一角に設けられた“ステージ”上に4台が置かれていました。普段は静止したままですが、15分に1回のタイミングで時報を知らせ、1時間に1回ダンスを踊ってみせます。

↑「ナオ」は15分おきに時報と合わせワンポーズ。正時にはダンスのパフォーマンスを見せてくれます

 

「ウィズ」は手押しによってあらかじめ学習させたルートに沿って自動走行し、営業時間外に自動的に清掃をしてくれるロボットです。

↑お掃除ロボット「ウィズ」。ルートを一度学習させれば、あとは自動的にそのコースをたどって清掃してくれます

 

そして、見逃せないロボットが、コーヒーのハンドドリップを完全再現した「Poursteady(ポアスティディ)」です。バリスタの動きを忠実に再現することができるマシンで、プロのバリスタである中川亮太氏による注ぎ方や蒸らし方を再現したとのことです。

↑アメリカ製のロボット型バリスタ「Poursteady」。ドリップには2分半ほどかかりますが、同時に5つのドリップができます

 

この日は中川氏が立ち会い、「コーヒーを注いでいる時は真剣そのものですから、お客様との会話もできなくなります。このロボットがハンドドリップをしてくれることで、コーヒーの味を落とさず、お客様と会話する時間を作ってくれます」と、ロボット導入の経緯を説明してくれました。

↑「来店した人との会話を大切にしたい」と話すバリスタの中川亮太氏

 

店舗の内装は自然素材を多く取り込んだデザインで、苔の緑を活用して白いロボットとの対比を表現。ロボットと自然の協調をイメージしたといいます。ブランディングプロデューサーの柴田陽子氏は、「成熟した大人が、これからの日本を想像してワクワクとした気持ちになってくれる憩いの場をプランニングしました。人にとって孤独は脅威でもあり、それをロボットなら癒やせる可能性が高いと考えました」と話します。

↑店舗の広さは420平方メートルで、162席を揃えるカフェラウンジとなっています

 

↑店内には「Pepper PARLOR」オリジナルのグッズも販売されています

 

また、ロボットをプロデュースするソフトバンクロボティクス取締役の蓮実一隆氏は、「今日が第一歩。やっと皆様にこのスペースをお見せできました」と挨拶。「ペッパーは2014年に登場し、以来、多くの人たちと触れ合ってきましたが、5年が経つと世間の眼は厳しい。今回のPepper PARLORは新たな挑戦になります」述べ、「主役はあくまでお客様です。何気なく振り向くとロボットが普通に働いているというものにしたい」と、目指すべき店の姿を語ってくれました。

↑左からTHE BURN料理長 米澤文雄氏、ソフトバンクロボティクス取締役 蓮実一隆氏、柴田陽子事務所 代表取締役 柴田陽子氏

 

「Pepper PARLOR」の情報

店名:ペッパーパーラー

住所:東京都渋谷区道玄坂 1-2-3 渋谷フクラス5F

営業時間:10:00~21:00(5F)

定休日:不定休

 

【フォトギャラリー(GetNavi webにてご覧になれます)】