今後の成長に注目したい、ハイブリットなコインランドリー施設5
“洗濯”という当たり前のルーティンワークを豊かな時間に変えるような、コインランドリーのある新しいライフスタイルの提案に力を注いでいる永松さん。そんな永松さんが、今注目している最新コインランドリー施設を5つピックアップしてもらいました。
1. 洗濯代行のパイオニア
「お洗濯から解放される新習慣」をコンセプトに2005年3月に東京・代々木にオープンした「WASH&FOLD」。洗濯代行とコインランドリー、クリーニングの3つの柱でサービスを展開し、国内に26店舗を展開しています。欧州・スペインブランドの業務用洗濯関連機器メーカー「GIRBAU」(ギルバー社)の洗濯機や乾燥機などを中心にデザイン性と機能性の高い機械を導入した店内にはスタッフが常駐しています。
日常衣類の洗濯を代行で行ってもらえる洗濯代行サービスは、専用ランドリーバッグのサイズにより料金が異なるシステムに。「私たちの会社でもサービスの柱としている洗濯代行の元祖。忙しい現代人や高齢化社会の日本では、洗濯代行の存在はますます必要となっていく中で、企業のコンセプトもサービス内容もしっかりしているメーカーです」
【店舗情報】
「WASH&FOLD」中目黒高架下店
所在地=東京都目黒区上目黒2-45-14 高架下79
営業時間=9:00~22:00
HP=https://wash-fold.com/
2. 環境に配慮した洗浄水利用が注目の的
三重県志摩市の伊勢志摩国立公園内にある2021年7月にオープンしたコインランドリー。美しい自然と景観に溶け込むようにデザインされた店舗は、白と水色を基調とした清潔感のある空間です。オーナーのこだわりは、軟水洗濯と太陽光発電の活用。洗浄水を硬度1mg以下の超軟水にすることで、泡立ちがよくなり、少ない洗剤量で洗える力を生かしたサービスを提供しています。洗剤の量を減らし、自然エネルギーを活用することで、環境への負荷が減らせる地球にやさしいコインランドリーです。
軟水器にかけた水はミネラル分が取り除かれるので、石鹸カスがほとんど出ないうえに水アカが残りにくくなります。この軟水を使った洗車コーナーもあります。「デザイン性の高い建物と、環境にやさしいサービス展開が魅力です。最近は洗車と洗濯を組み合わせた施設が増えているのですが、軟水洗浄と太陽光発電の活用は、これからの時代に必要な視点だと感じます」
【店舗情報】
MYMY LAUNDRY wash&relax
所在地=三重県志摩市磯部町恵利原657−8
営業時間=5:00~23:00
Instagram=@mymy_laundry
3. 札幌の人気ドーナツ店とコラボ
住民が気軽に集い、井戸端会議が開かれるような空間をコンセプトに北海道帯広市に2021年6月にオープンしたコインランドリー。永松さんが代表を勤めるOKULABがプロデュースに関わっている施設で、「Baluko Laundry Place」が提供する洗剤や洗い方のこだわり、空間づくりが活かされています。日常衣類をさっぱりと洗う「スタンダードコース」、天然由来成分の液体石鹸で洗う「ナチュラルコース」、羽毛ふとんに最適な洗浄と乾燥を行う「羽毛ふとん専用コース」があります。
洗濯の待ち時間に楽しめるカフェスペースには、北海道産の小麦を使用した十勝ドーナツ専門店「もくもく堂」があります。「ドーナツをコンセプトにした円形テーブルがかわいい施設です。小学校の近くにある施設で、洗濯ついでに子どもたちのおやつ用にドーナツを購入するママたちの姿も。地元に根付いた店舗づくりがいいですね」
【店舗情報】
IDOBATA Laundry
所在地=北海道帯広市東7条南11-1-4
営業時間=6:00~24:00
Instagram=@idobata_laundry
4. スーパーマーケット跡地を活用した地域の憩いの場
神奈川県愛川町に2022年3月オープン予定のコインランドリー&洗濯代行施設。こちらは、子どもや地域の人たちとの関わりが自然に生まれる高齢者向けの住まいや介護サービス、放課後の子どもたちの居場所など、年齢や障害のあるなしにかかわらず、多様な人々が集う新しい福祉拠点「春日台センターセンター」内に店舗が誕生します。コインランドリーの横にはコロッケスタンドがあり、コロッケなどの惣菜やコーヒーなどの飲料が販売され、コインランドリーで洗濯を終えた後、子どものお迎え前にそれらをテイクアウトできるようになるのだとか。
既存の福祉サービスに独自のサービスを交えて、愛川町で暮らす人々の憩いの場を作るプロジェクト。その中にコインランドリー施設が入ることから、コインランドリーや洗濯代行サービスが、暮らしを支える存在になりつつあるのがわかります。「高齢者や障害児の福祉サービス、学童、シェアオフィス、コロッケスタンド、コインランドリーに洗濯代行などが、単純な併設ではなく、町おこしの事業となっています。この拠点では障害者雇用にも積極的で、これからの地域活性のあり方にコインランドリー事業が貢献していくビジネスモデルとしても非常に注目しています」
【店舗情報】
洗濯文化研究所(春日台センターセンター内)
所在地=神奈川県愛甲郡愛川町春日台3-6-38
営業時間=5:00~1:00
HP=https://aikawa-shunjukai.jp/kcc/
5. 大手企業も続々と参入!
ガソリンをはじめとするエネルギー供給企業の「ENEOS」が展開するランドリー。2020年9月に埼玉県春日部市に1号店をオープンし、現在は全国で17店舗運営されています。無人施設の多いコインランドリーの中で、ENEOSLaundryはスタッフがいるのが特徴です。2021年1月には、セルフランドリーに洗濯代行サービスをプラスした実証店舗を広島市に2店舗オープン。吉見園店はサービスステーション併設店、舟入本町店は洗濯関連サービスのみを提供する単独店舗です。
清潔かつ駐車場や無料Wi-Fiが完備された便利な店舗で、年代性別を問わずさまざまな人々の利用が見られます。「大手企業がランドリー業界に参入することで、コインランドリー店舗が拡大し、それだけ利用者が増えることになりますので、いい流れだと感じています。今後はガソリンスタンドとコインランドリーの併設スタイルが一般的になっていく可能性もありますね。今後の展開が楽しみです」
【店舗情報】
ENEOSLaundry 舟入本町店
所在地=広島県広島市中区舟入本町5-15
営業時間=24時間営業
ENEOSLaundry=https://www.eneos.co.jp/consumer/ss/laundry/
ENEOS洗濯代行=https://washing.eneos-life.com/index.html
進化系コインランドリー施設では、スマホのアプリを使って空いている機械の状況確認や操作、決済までできるサービスの導入が進んでいます。密を避けて利用できるところも、今の時代にぴったり。頻繁にアルコール消毒をする今日では、衛生面への意識の高まりもあり、寝具をこまめに洗うニーズも増えています。家事効率を上げ、清潔で気持ち良い衣類やタオル、寝具、靴を手に入れられ、コインランドリーに滞在する時間を有意義に過ごせる。そんな、暮らしの質を上げる手段として、コインランドリーは大いに活躍してくれそうです。
【プロフィール】
代表取締役・共同創業者 / 永松修平
2006年、三洋電機株式会社(現・アクア株式会社) 入社。業務用洗濯機のエンジニアとしてクリーニング機器、コインランドリー機器の開発に従事。2013年、開発部門から営業企画部門へ異動し、新規コインランドリー事業者の開拓、全国のコインランドリーの売上分析に基づいた店舗マーケィングプラン策定、コインランドリーのIoTシステムのリニューアルなどを行う。2016年、株式会社OKULABを創業。Baluko Laundry Placeの立ち上げや、フレディレック・ウォッシュサロン トーキョーの洗濯サービスのトータルプロデュースなど、次世代のライフスタイルにおける新しい洗濯サービスを生み出している。
【店舗情報】
Baluko Laundry Place 代々木上原店
所在地=東京都渋谷区上原3-29-2
TEL=03-6407-8415
営業時間=
【セルフランドリー】24時間・年中無休
【カフェ・洗濯代行・クリーニング】9:00~21:00
HP=https://baluko.jp/baluko-uehara/I