本サイトでは、店名に「番」を付けた中華料理店を「番付中華」と称し、特集してきた。今回はそのガイドを務めたSさんが、同時進行で行っている「首都の名前が付いたお店巡り」を番外編としてお届け。今回も、推測をメインとしたゆるい情報とともにレポートしていこう!
【ガイドするのはこの人!】
Sさん
35歳独身・職業不詳。47都道府県の蔵元の日本酒を飲むことに凝り始めたが、沖縄には蔵元がないと誤解して挫折。以来、違う趣味を持とうと、3年半にわたって「番付中華」巡りを行う。現在では、さらに首都名のついた飲食店巡りを行う日々を送る。
首都の店名は必ずしもその店の料理とリンクしない
ーーこれまでSさんが探しあて、実際に食べた「番付中華」を見てきましたけど、それぞれ個性的で面白かったですね。
Sさん はい。ただ、自分の場合は数字だけを追っているので、これはいつか尽きてしまうかもしれないですね。
ーー最近は別のテーマも持っているそうですが。
Sさん いまやり始めてるのは「首都の名前が付いたお店」シリーズですね。パリ、ローマ、ワシントン、リスボンとか。
ーー番付に比べると、ノーブルな感じがしますね。
Sさん 知的な感じがするお店が多いかもしれないですね。ただ、浅草の「リスボン」という有名な洋食屋さんは、すごくちゃんとしたお店なんですけど、ポルトガルとは全然関係がなさそうです。
ーーアジア諸国の首都のお店も多そうですね。台北、北京、バンコクとか。
Sさん はい。アジア料理のお店は、わかりやすくその国の首都をそのまま店名にすることが多いです。あと、最近見つけたのが両国にあるウランバートル。まだ行けてないんですけど。ウランバートルはモンゴルの首都で、お店も国技館がある両国にあるから、モンゴル出身のお相撲さんの色紙がたくさんあるかもしれないですね。
横浜中華街付近にある「アテネ」
ーーほかに首都の名をつけたお店はありますか?
Sさん 横浜中華街の前に「アテネ」というバー兼喫茶店がありました。こういった店名は、他人に伝えるとき、多少不便な面もあります。たとえば、「こないだアテネに行ってきてさ」と言うと、「は?」という顔をされますし。だから、最近は、この趣味を知らない人に話をするときは、店名ではなく「ギリシャ風の店に行った」という程度に抑えるよう心掛けてますね。
人知れずこっそり楽しむ店巡り
ーー「番付中華」でも思ったのですが、どうしてこのようなマニアックな活動をされているんですか?
Sさん もともと子どもの頃から、「他人とは違っていたい」というこだわりが強かったんです。例えば集めたい漫画でも、タイトルで揃えるというよりは、作家さんの名前で揃えるとか……。でも、自分のなかでそのブームが去ると、急に捨ててしまったり。
ーー飽きっぽいところもあるとか。
Sさん そうかもしれませんね。飽きても思い出として残す人もいると思うんですけど、自分の場合は興味の対象が別に行くと、もう本当にどうでも良くなって、割とすぐに捨ててしまう。こういった収集趣味って、きっと男特有のものなんでしょうね。
ーー女性に伝えることはないんですか?
Sさん まず言わないですね。経験上、こういう趣味は白い目で見られがちなので。特に、こういうネットで調べられないものとか、一般的に認知されていない趣味は、特にマズいですよね。だから、人知れずこっそり自分の中で楽しんでいるという感じなんです。
「興味の対象が別に行くと、すぐに捨ててしまう」と語るSさん。「首都の名前がついた店集め」も、いずれ捨てられる運命にあるのか……そう思うと、その刹那性、はかなさに身震いするような魅力を感じるのは私だけだろうか……。今回でSさんの連載は終了するが、Sさんのマニアック趣味はまだまだ続く。今後も機会があれば、ぜひ「Get Naviweb」で紹介させていただきたいものだ。
Sさんがガイドする連載記事はコチラ
第1回 中華料理屋に「一番」が多いナゾを追え! 取材の結果、町中華の「いま」が見えてきた
第2回 店名に「番」が付いた町中華を巡る旅ーー「十三番」が色気づくと「サーティーン」になる? 花田兄弟ゆかりの「十番」って?
第3回 中華料理屋には「番」の付く店名が多いーーので一番から順番に巡ってみた【最終章・18番~】